こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は82話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
82話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ブランシュのお願い
「私はアビゲール様に嫌われたくないんです。急に故郷に帰ってしまうのではないかと怖くなって・・・」
その時ブランシュが私の腕をぎゅっと抱きしめた。
まるでセイブリアンが私の手を握っていたかのように、切なく。
「行かないでください、アビゲール様。文句も言わないし、甘えもしないし、言うことも聞きますから・・・」
「いやいや、行きませんよ。故郷には帰りません」
しばらく呆然としてしまい返事が遅れた。
私は慌ててブランシュをなだめる。
「ブランシュ姫、どうして急にそう思ったのですか?私が故郷に帰るって」
私たち今まで仲良かったじゃないか?
私だけがそう思っていたの?
「お父様のプレゼントを断ったので・・・。お父様が嫌いだと思って、故郷に帰ると思っていました・・・」
あ、そういえば、私がセイブリアンのプレゼントを断った時、ブランシュの表情がすごく青褪めてた。
私が離婚すると思ったのか。
それは違うよ。
私は今、セイブリアンが贈った下着を着ているんだけど・・・。
けれど、子供にそんなことを言うことはできない。
私は躊躇ったが、ブランシュをさらに強く抱きしめた。
「私は殿下のことが・・・」
しばらく単語を選んで口を開く。
「好きですよ」
えーと、家族で!
「ブランシュ姫のことも好きですよ。何度も言ったじゃないですか」
ブランシュの頭を注意深く撫でる。
彼女は子猫のように大人しくなった。
「今はネルゲンが私の故郷です。だから心配しないでください。神に誓います」
こんなに可愛くて愛しいあなたを置いてどこへ行くの?
そう告げると、ブランシュはホッとした様子だった。
「良かったです」
ようやく緊張がほぐれて、ブランシュの顔に可愛い笑顔が広がる。
ふぅ、セイブリアンの贈り物を断ったことがこんな波及力をもたらすとは・・・。
これからはブランシュの前で気をつけないと。
ブランシュは私の懐にモゾモゾと潜り込んだ。
はぁ、可愛くてたまらない。
私はクスクス笑ってブランシュの背中をトントンと優しく叩いた。
体も苦しいのに気苦労までしていたなんて。
それでも話を聞けて良かった。
これからはセイブリアンとも仲良くしないと。
「ブランシュ姫、ところで何か食べたいものはありますか?それとも見たいものとか」
苦しい時はちゃんと食べないと!
一日中ベッドに横になっていたら退屈だと思うから、ヴェリテでも連れてこようか?
「だ、大丈夫です」
「はぁ、さっき言ったでしょう?甘えても大丈夫だって。欲しいものがあれば何でも仰ってください」
「・・・本当ですか?」
「本当です」
ブランシュはしばらく躊躇う様子を見せた。
彼女は私を見つめ、視線を避けたりを繰り返しながら大きな勇気を出すように口を開く。
「あの、お願いがあるのですが・・・」
「お願い?何でも言ってみてください」
ブランシュが別宮を欲しいと言っても努力してみるわ!
まずはセイブリアンと交渉しないと。
ブランシュは恥ずかしいのか、布団を頭の上に引き上げた。
布団越しに、小さく呟く声が聞こえてくる。
「・・・お母さんと呼んでみてもいいですか?」
お母さんと呼んでもいいかって?
何かをして欲しいんじゃなくて?
私が慌てて答えられずにいると、ブランシュが言い訳するように小さな声で言った。
「一度も呼んだことがないので・・・」
それを聞いて、私は涙が出そうになる。
考えてみれば当然のことだった。
ブランシュの生母はまもなく亡くなり、その後王妃の座は空いていた。
ブランシュの問いに、私はしばらく躊躇ってしまう。
お母さん、妙な響きの単語だと思った。
私はブランシュを可愛がり、大切にし、愛している。
しかし、娘として愛するよりは、可愛い姪を見る心に近いだろう。
子供を産んだこともないし、結婚したこともない。
そのため、母親と呼ばれるのは、私にとっても中々馴染みのないことだった。
けれど・・・。
「ブランシュ」
なぜか今この瞬間、ブランシュが私の子供のように感じられた。
私をどれほどお母さんと呼びたかっただろうか。
どれほど我慢していたのだろうか。
この小さい女の子は何をそんなに我慢して生きてきたのだろうか。
こんなに苦しい時に辛うじてお願いする、この小さくて可哀想な子供に私がどうやってそっぽを向くことができるだろうか。
私はまともな母親ではない。
それでも今この瞬間、私はブランシュを自分の娘だと呼びたかった。
「ブランシュ、私の娘」
「・・・お母さん」
ブランシュが小さく囁くように言った。
私は布団の上をトントンと叩く。
「ええ、ブランシュ」
「お母さん」
「ええ、私はここにいるわ」
「お母さん・・・」
ブランシュはまだ顔を布団に埋めていた。
しくしくと、小さく泣く声が聞こえてくる。
涙が出ますね。
ブランシュがアビゲールのことを大好きだということが分かります。
二人の関係も実の親子のように近づいたのではないでしょうか?