こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は77話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
77話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 緊張の夜
「ところで、まだレイブン卿には招待状を差し上げていませんよね?」
「ああ、誕生日のパーティーですね。頂けるのであれば喜んで参加したいのですが・・・」
私の言葉に、レイブンは少し困ったような表情を浮かべる。
しばらく躊躇った後、彼は申し訳なさそうに笑った。
「目立つのが好きではないので、パーティーへの出席は難しそうです。それに、国王陛下もそれを望んでいると思いますので」
ああ、そうだった。
君たち仲が良くなかったよね。
セイブリアンとレイブンが政治的な関係でよそよそしいのが残念だ。
セイブリアンは表向きは冷え切っているように見えるが、実際は情に弱いところがある。
レイブンも静かだけど優しい人だし、それなりに仲の良い兄弟として過ごせると思うのだけど・・・。
私の考えが甘いのだろうか?
「残念ですが、仕方ないですね。レイブン卿、素晴らしいプレゼントをありがとうございます」
いずれにせよ、レイブンを招待しない方がいいだろう。
「お気に召したようで嬉しく思います。時間をたくさん頂くわけにはいきませんので、これで失礼させていただきます」
レイブンは立ち上がって、私に手を差し出してくる。
恐らく挨拶をしようとしているのだろう。
私が右手を差し出すと、彼は軽く手先を握る。
しばらくの間、手の甲に柔らかい唇が触れた。
え、ええと・・・、このスキンシップは何?
慌ててレイブンを見上げたが、彼は平然としている。
「王妃様。それでは、楽しいお誕生日になりますように」
彼はサッと微笑んで部屋を出た。
私はまだ面食らった気持ちでレイブンを眺めていた。
手の甲にキスなんて、いやいや。
特別なことでもないし、他の人もよくする挨拶だよ。
セイブリアンにはされたことがないので、面食らってしまった。
ふぅ、落ち着こう。
こんな調子じゃパーティーの時に手の甲にキスを受けるたびに、発作を起こしてしまう!
注意を分散させるのを兼ねて、もう一度クリーナを見た。
その中で煌めく魔力は鮮明な金色。
まるでレイブン卿の瞳に似た色だ。
この中に入っているのはレイブンの魔力なのか。
何はともあれ、結構な贈り物を貰った。
「クララ、このプレゼントは私の部屋のドレッサーに置いておいてね」
「はい、王妃様のランジェリーはどうなさいますか?」
「それはタンスの奥にしまってちょうだい」
クララは深刻な表情でクリーナーを持った。
ひょっとして彼女も欲しがっているのだろうか?
後で使わせてあげよう。
季節は夏を超えて秋に向かっていた。
時間が終わりの季節に近づくにつれ、夜の時間も早く訪れる。
王の部屋にも闇は訪れたが、魔道具から流れ出る光のおかげで十分に明るかった。
セイブリアンはベッドに腰掛けてしばらく黙っていた。
時計を見ると、いつの間にか10時を過ぎている。
アビゲールの部屋に行かなければならない。
それを知っていながら、彼は起き上がることができなかった。
こんなに緊張するのは久しぶりだ。
毎晩、アビゲールに会うのが慣れるところだったのに。
やはり、あの侍女の言うことを聞くべきではなかったのではないか?
彼は半分後悔した。
アビゲールの贈り物に何を準備したらいいか尋ねたとき、クララの口からは意外な言葉が飛び出してきたから。
『ランジェリーをプレゼントすれば喜ばれるでしょう!』
「・・・ランジェリー?」
その言葉にセイブリアンもミラードも困惑してしまった。
侍女の瞳には堅実な信頼が染み付いている。
アビゲールを補佐する侍女の言葉なのだから信憑性があった。
以前、アビゲールが寝室を訪れた時もランジェリーを着ていたのだから。
恥ずかしかったが、当然他の贈り物を思いつかないので、セイブリアンは王室の洋裁師を呼んだ。
彼女に合う下着を作るように命じると、洋裁師がセイブリアンに尋ねる。
色はどれにしましょうか?
そして、どのような形にしましょうか?
その質問にセイブリアンは狼狽えた。
色?形?
しばらくの間、アビゲールの下着姿を想像し、身震いする。
それが非常に不敬なことのように感じられたから。
『任せる』
そう言って洋裁師を退出させた後も、セイブリアンはアビゲールに対する申し訳ない気持ちが残っていた。
妻の脱いだ体を想像するなんて。
アビゲールが知れば怒ることだろう。
それでも彼はアビゲールのことをしきりに考えた。
あの時、寝室にいたアビゲールはどんな下着を着ていたのだろうか・・・。
ハッとして、セイブリアンは自分の頬を軽く叩いた。
こんな醜い考えをするなんて、彼女に失礼だ。
ヒリヒリした頬を撫でながら、もう一度時計を見る。
10時5分。
時間があっという間に過ぎた。
彼女は今日プレゼントを貰っているはずだ。
喜んでくれたのだろうか?
着てくれたのだろうか?
下着だけを着て自分を待っているかもしれない。
そんな下着姿の彼女と向き合うと考えると・・・。
心臓が締め付けられるように痛くなり、鼓動が不規則になっているのが感じられた。
アビゲールの下着姿を見て卒倒するのではないか?
いやいや、大丈夫のはずだ。
彼女の手を握ることも十分にやり遂げられたのだから、下着姿ぐらい耐えられるだろう。
アビゲールがどんな姿をしていても驚かないことを誓って、セイブリアンは寝室に向かった。
レイブンの紳士っぷりが拍車をかけています。
一方のセイブリアン。
彼の心情は思春期の少年みたいです。
過去のトラウマがあるので、ここからの成長に期待ですね♪