こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は263話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
263話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 果樹園④
ブランシュは二人が何の話をしているのか、じっと眺めていた。
その時、ミラードがそばに近づいてくる。
「姫様、寒いでしょうから馬車に先に乗りましょう」
笑みを浮かべているが、少し疲れているように見えて、ブランシュは目を瞬かせながら尋ねる。
「ミラード卿、大丈夫ですか?」
「ええ、私は大丈夫です。仕事が少し忙しいですが」
すると、ふと何処かからぐーぐーという音が聞こえてきた。
音の出所はミラードだ。
「もしかして食事を摂っていないのですか?」
「あ、はい。慌ただしくもあり、食欲もなかったので抜きました」
彼は恥ずかしそうに後ろ髪を掻いた。
彼も使節団の接待の準備に追われているようだ。
ブランシュはしばらく躊躇った後、ポケットからリンゴを取り出し、ミラードに差し出す。
「えっと、それじゃあこれでも召し上がりますか?」
アビゲールと一緒に分けようとしたリンゴだが、ご飯も食べずに苦労しているミラードにもっと必要だと思ったのだ。
謝ってくれた老人も理解するだろう。
ミラードは目を丸くして尋ねる。
「私が食べてもいいのですか?」
「はい、もちろんです。ミラード卿がお腹を空かせていたら私も悲しいですから」
ブランシュがくすくす笑うと、ミラードは拳を握りしめながら涙を飲み込む。
「ありがとうございます、姫様。では頂きますね。さあ、早く馬車に乗りましょう。風邪を引いてしまいます」
「はい!それでは宮で会いましょう、ミラード卿!」
ブランシュはすぐに馬車に乗り込んだ。
ミラードは嬉しそうな顔で後ろ姿を見て、リンゴを手に取る。
他の人でもない姫様がくださった貴重なリンゴ。
剥製するなり密封するなりしなければならない。
リンゴを家宝に代々受け継ごうという野心的な計画を立てていたその時。
ミラードは並外れたエネルギーを感じ、チラッと振り返った。
「・・・殿下?」
いつの間にかセイブリアンが彼をじっと見つめているではないか。
正確に言えば、彼が持っているリンゴを。
「それはブランシュが君にくれたものか?」
「はい、そうです」
ミラードはなぜか不吉さを感じて、リンゴをポケットに入れる。
セイブリアンの視線はリンゴの後を追った。
彼はしばらく躊躇った後、上着にぶら下がっていた襟章の飾りを一つ取り除く。
そして、それをミラードに渡した。
「これと交換しないか?」
ブランシュに下賜されたミラードが羨ましかったようだ。
ミラードは目を丸くしてセイブリアンを見ている。
この人、本当にセイブリアン殿下なのかな?
以前に比べると確実にブランシュを惜しむようになったが、ここまで変わるとは思わなかった。
なんとなく感動し、ミラードは微かな笑みを浮かべたまま口を開く。
「嫌です」
感動は感動で、リンゴはリンゴだ。
いくら主君の命令だとしても、これだけは譲れない。
セイブリアンは固い表情で口を開いた。
「休暇もあげよう」
「嫌です」
「1週間」
自らを酷使するのはもちろん、部下にも厳しいセイブリアンとしては破格の提案だ。
しかし、ミラードは無関心な反応だった。
1週間休んだとしても、帰ってくればそれだけ仕事が溜まっているのが目に見えているから。
ぶっきらぼうな反応にセイブリアンは悲しそうな目つきをする。
まるで罠にかかったタンビのように弱々しく悲しそうな。
日々、姫に似ていく王だった。
その目つきを見ると、これ以上耐えられず、ミラードは目を閉じてリンゴを差し出す。
「分かりました。持って行ってください」
あの木石のようだった君主がここまでするのに、ずっと断り続けるわけにもいかない。
以前だったら娘の行動に一度も目を向けなかったセイブリアンなのに。
セイブリアンは黙ってリンゴを受け取る。
表情は淡々としているが、喜んでいるのが感じられた。
「今度は姫様に直接お願いするのはどうですか?姫様も喜ぶことでしょう」
「そうだね」
その時、使用人たちが用件があるようでミラードの近くで戸惑っていた。
ミラードはそれを確認して口を開く。
「私と分けて食べたと、美味しかったと言われたら喜ぶことでしょう。それでは失礼します」
そう言って彼は使用人に向かって足を運ぶ。
セイブリアンはまもなく馬に乗り込み、出発の準備をした。
アビゲールとブランシュが乗った馬車が先に出発し、その後を使節団が乗った馬車が続く。
セイブリアンはゆっくりと馬を運転し、ポケットからリンゴを取り出す。
煌びやかな色に輝くリンゴは食べるには勿体なかった。
しかし、なぜかブランシュなら「ちゃんと保管した」という言葉より「ごちそうさま」という言葉の方が喜ぶ気がする。
セイブリアンはすぐにリンゴを齧った。
シャキシャキという音が清涼に聞こえてくる。
セイブリアンがリンゴを・・・!
まだ毒リンゴかどうか分かりませんが、嫌な予感しかしないです。