こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は133話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
133話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 変な言葉
「や〜ビビ。セイブリアンと良い雰囲気だったじゃないか?」
鏡の中のヴェリテがニヤニヤしながら話しかけてくる。
彼の銀色の瞳は、真実を掴んだ賢者のように輝いていた。
そんなヴェリテとは違って、アビゲールは顔を顰めていた。
不機嫌なことでも聞いたかのように。
「見てたの?」
「いいや、私はギドオンを監視しようとしていたのに急にセイブリアンが入ってきただけさ」
ヴェリテは自分は無実だと主張するように話す。
「ところで、セイブリアンは君のことが好きみたいだね?」
「とんでもないことを言わないで。セイブリアンが私を好きになるはずがないわ」
「いいや、常識的に考えてみろよ。ギドオンが君に色目を投げるのではないかと心配で国務中に飛び出したのに、それでも君のことが好きじゃないって?」
「家族だから気を遣ってくれているのよ」
セイブリアンが以前に比べて確実に自分をよく気遣ってくれて、好意を見せてくれるのは分かるが、それが恋愛感情ではないということを、アビゲールはよく知っていた。
多分、親しくなる機会がなかった人に家族ができたから、よく面倒を見てくれているのだろう。
「違うよ。セイブリアンは君のことが好きみたいだけど」
ヴェリテはしつこくアビゲールに食い下がる。
彼女は理解できないように言った。
「この前は私にセイブリアンを好きになるなって言ったのに、セイブリアンが私を好きになるのは大丈夫なの?」
「うん。君が気苦労した分、彼にも苦労してほしいから」
ヴェリテのさっぱりした返事を聞いて、アビゲールは妙な気分になる。
ギドオンのことで心配になって連絡もなしに来るなんて。
確かに彼らしくない行動だ。
もしかして、まさか、万が一、セイブリアンの女性恐怖症が治ったのだろうか?
今は平然とスキンシップをしているのを見ると、そんな気がしてきた。
本当にヴェリテの言葉通り、セイブリアンは自分のことが好きなのだろうか?
そんな考えをして思わず笑ってしまう。
「なんで笑うの?」
突然アビゲールが笑いだすと、ヴェリテが不思議そうに眺めた。
「いや、セイブリアンが私のことが好きだと想像してみたら面白くて」
「なんで面白いの?」
「面白いじゃない。セイブリアンみたいな人が私を好きになるはずがないんだから」
あまりにも平然とした声だったので、ヴェリテはそれが自虐だと一歩遅れて気づく。
「とにかく、私はそろそろお風呂に行くから。ブランシュのこと、よろしく」
「うん、そうだね」
ヴェリテは少し戸惑いを感じ、アビゲールを見送った。
静寂の中に一人で残ると、疑問がワンテンポ遅れて浮かぶ。
「セイブリアンみたいな人が自分を好きになるはずがないって?」
変な言葉だ。
なぜそんな考えをするのだろうか?
この国で最も羨望されている人の一人はアビゲールだ。
美しく、能力があり、優しくて、権力と富を持っている。
一国の王妃として不足はない。
それにもかかわらず、どうしてあんなことを言ったのだろうか?
新婚の初めはセイブリアンに酷い目にあったそうだが・・・。
だからそんな事を言うのだろうか?
さっきまではセイブリアンがアビゲールが好きなようで気分が良かったが、今は舌先が悪い。
アビゲールに聞きたいことは多かったが、彼女は今入浴中だ。
また、アビゲールの命令も履行しなければならない。
ヴェリテはため息をつきながら鏡の内側に視線を向けた。
外から見るのとは違い、鏡の中はセイブリアンの部屋よりも遥かに広く見えた。
壁の一面には数多くの鏡がかかっている。
形と大きさは全てバラバラだ。
ドレスルームに置かれる長方形の全身鏡、携帯用の小さな手鏡から始まり、あらゆる種類の鏡が集まり、まるで鏡像のようだった。
そこにはそれぞれ違う空間が映っている。
音は聞こえない。
数百個の鏡から声が漏れると、ヴェリテも耐えられないためだ。
彼は長さ2倍の鏡の前に立っていた。
それはブランシュの勉強部屋に置いた鏡。
部屋の中が一望できる位置。
先生の顔を見るとミラードだ。
「前回の授業を覚えていますか?政治を成す3つの要素は何だと言ったでしょうか?」
「はい。それは、政治とは経済、軍隊、そして民心で成り立っていると言いました」
12歳になってから、ブランシュは帝王学を習い始めた。
この年代の子供なら別の事を学ぶかもしれないが、そんな気配はまったくない。
「もしも、この3つのうち1つを捨てなければならない場合、何を捨てますか?」
「私なら軍隊を捨てます」
「その次は?」
「その次は経済を捨てます」
ミラードは特に指摘する様子も称賛する様子もなく言葉を続けた。
「なぜ民心を最後まで選択したのですか?」
「それは・・・、結局王国は民を守るために存在し、経済と軍隊は手段だと思ったからです」
セイブリアンが自分の事を好きなわけがないと考えるアビゲールの心情は前世のトラウマが原因でしょう。
傍目から見れば、セイブリアンがアビゲールを好きなのは一目瞭然なのですが・・・。
セイブリアン自身も自覚はなさそうですけどね(汗)