こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は88話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
88話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- お見舞いの品
「王妃様、本当に起きても大丈夫なのですか?もう少し横になっていた方が・・・」
クララが涙声で話す。
私はノーマに支えてもらいながら久しぶりに外出着に着替えていた。
「今は大分良くなったから大丈夫よ」
「それでもです。まだこの病気が何なのか明らかになっていないなんて・・・。とてももどかしいです」
クララは唇を尖らせながら呟く。
うーん、確かに。
それは私も少し気になっている。
セイブリアンは私に言った通り、外国と異種族に使節を送って協力を要請した。
もし病気の治療方法を知っているなら、取引に応じる考えがあると。
しかし、取引は行われなかった。
異種族の大多数は要請を断り、妖精族は病気の原因を知らないと答えたのだ。
私が治ったのは治療のおかげではなく、運よく回復しただけ。
一体この病名は何だろうか?
体の調子は良くなったが、まだ少し眩暈がすることもある。
それでもこれ以上横になりたくなかった。
ずっとベッドで横になっているのも疲れるので、久しぶりに散歩に出かけたい。
そうして外出の準備をしていると、ある侍女が中に入ってきた。
彼女は躊躇った様子を見せている。
「王妃様。レイブン公爵がお見舞いに来られたのですが、どうなさいましょうか?」
そういえば、レイブンは私が寝ている間に訪れたことがあると聞いた。
その時は主治医が面会を断ったので会っていないが。
「連れてきてちょうだい」
散歩は後でもいいだろう。
しばらくして侍女たちが席を外してレイブンが中に入ってきた。
いつも笑顔を浮かべているのに、今日は表情が暗い。
その差がずいぶん新鮮に感じられた。
「王妃様、お体の調子は良くなりましたか?」
「ええ、おかげさまで」
レイブンの顔は依然として心配に満ちていた。
彼は顔に喜怒哀楽がそのまま現れるタイプのようだ。
セイブリアンは感情の変化があまり表れない方だが・・・。
いや、特にそういうこともないかな?
この頃は色々な表情を見るようになった。
セイブリアンの表情が一つずつ増えるのを見るたびに、不思議と楽しかったのだ。
昨夜お見舞いに来た時もそう。
夢うつつだったのでよく覚えていないけれど。
「失礼でなければ席に座ってもいいですか?」
レイブンの問いに私はハッとする。
やれやれ、お客さんを立ちっぱなしにしていたよ。
「ええ、もちろんです」
私は向こうの緑色のソファを指差す。
「まだ体が回復されていないと聞きましたが?」
「はい。それでも生活するには問題はありませんけどね」
「早く病気の原因が究明されればいいのですが」
「殿下がお力添えになっているので、すぐに明らかになるでしょう」
最近はちゃんと眠れていないみたいだけど。
国王が過労しているため、その下の人々も追加勤務に延長勤務に夜間勤務までしていると聞いた。
レイブンは微笑んだまま私の話を聞いていた。
そうしてじっと私を見つめながら口を開く。
「国王殿下を信頼されているようですね?」
彼の質問に私は少し怪しげに感じた。
なんでそんなことを聞くのだろう?
「はい、当然です」
あの人ほど仕事ができる人は他にいない。
そして、自分が言ったことは必ず守る人だから上手くいくだろう。
レイブンは私の答えに満足したのか、それとも特に何も言えないからだろうか、静かに微笑んでいる。
「ああ、そういえばお見舞いの贈り物を持ってきました」
「プレゼントですか?以前もくれたじゃないですか?おかげさまで重宝しています」
「あれは誕生日プレゼントで、これはお見舞いのプレゼントですから」
レイブンはそう言って微かに笑う。
彼の金色の瞳が暖かさを帯びていた。
「快癒を祈る気持ちから持ってきましたので、ぜひ受け取ってほしいです」
彼はそう言って、小さな箱を突き出す。
うーん、ずっと貰ってばかりいるのは申し訳ないのだけど。
次は私も何かプレゼントしないとね。
「ありがたくいただきます、レイブン卿。開けてもいいでしょうか?」
「もちろんです」
綺麗なベージュの箱を開けてみると、その中にはガラスで作った鳥が。
ガラスの装飾品で、かなりよく出来た装飾品だった。
「ありがとうございます、レイブン卿。本当に綺麗な・・・、えっ!」
手の上にいた鳥がパタパタと舞い上がる。
鳥の体は絢爛たる金色に輝いていた。
見慣れた黄色で、クリーナーで唸っている金色の魔力に似ている。
もしかして、これも魔道具?
私がレイブンを見ると、彼はくすくす笑って口元を下げていた。
「これも魔道具なのですか?」
「はい、そうです。退屈だと思って」
鳥は小さく囀りながら私の肩に座った。
よく見ると、ガラスではなく魔力で出来ているようだ。
「無言でいると、その鳥が歌ってくれます。かなりの名歌手なんですよ」
ガラスの鳥が窓際に座ると、綺麗で美しい歌声が流れ始めた。
フルートの音色に似た音。
瞬く間に部屋の中に春が訪れたようだ。
アビゲールの病気が無事に完治して良かったです。
ですが原因は不明のまま。
他種族も知らない病気のようです・・・。
レイブンと会っているときにセイブリアンのことを思い浮かべるアビゲール。
昨夜のことはあまり覚えていないようですね。