こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は170話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
170話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side セイブリアン②
「愛?」
セイブリアンは初めて聞く単語のように発音した。
彼はしばらく悩みに耽って口を開く。
「性欲を感じるということか?」
性欲。
ヴェリテはその言葉に顔を赤らめる。
その反応を見ると、セイブリアンは訳もなく恥ずかしかった。
鏡の中の少年は、どう見てもブランシュと同年代だ。
「いいや、ビビを親愛しているが、愛していない」
セイブリアンは「愛」が何であるかを知らない。
しかし、周りで愛を論じる者たちを見ていると、それが特に美しい感情とは思えなかった。
「愛」は結婚式場にあった。
しかし、彼が見てきた大多数の人々は、家門の立場と利害関係に合わせて結婚を決めただけ。
それは自分も含めて。
「愛」は紅灯街にもあった。
愛を囁きながら女を買い、愛人を作る既婚者の話はどこでも簡単に聞ける者だった。
そのため、セイブリアンにとって「愛」は名分、あるいは性欲だったのだ。
彼はアビゲールをそのように扱いたくなかった。
「愛じゃないの?それとも、それが何か分からないの?」
ヴェリテが口を尖らせながら尋ねる。
アビゲールが苦労している姿を見守っていたヴェリテにとっては真剣な問題だった。
恋をしているが自覚していない場合、それを悟らせてあげなければならない。
そうしてこそアビゲールは楽になることができる。
「・・・」
セイブリアンは再び口をつぐんだ。
ヴェリテの表情を見ると、彼の言う「愛」という名分や性欲とは少し違うようだった。
「ヴェリテ、君の言う「愛」とは一体何だ?」
「そ、それは・・・」
ヴェリテは少し躊躇った。
実は彼も恋愛をしたことがない。
また、このような質問を受けるとは予想できなかったのだ。
しかし、退くことはできなかった。
ヴェリテは宮殿の人々の話を絞り込んで話し始める。
主にクララの話だったが。
「恋をするようになると、その人をずっと思い出して、会いたいし、心配で、美味しいものを食べさせてあげたいんだって。それと・・・」
ヴェリテが羅列する症状を聞きながら、セイブリアンの表情は酷くなっていく。
一致するものがかなり多かったからだ。
彼はアビゲールのことをよく考えていた。
会いたかった。
彼女の手に残った傷を見ると心配になり、甘くて貴重なものを食べさせたかった。
「誰かは相手を抱きしめれば分かると言ったよ」
「抱きしめる?」
「うん。愛する人を抱くのと、そうでない人を抱くのとでは感じが違うんだって」
その部分はまだ経験したことがなく、何とも結論を下すことができなかった。
抱擁でそんなことを判別できるということか。
以前眠っていたアビゲールを抱いた時、胸がとてもドキドキした。
しかし、それは自分の症状のためだ。
アビゲールとブランシュを同時に抱きしめたこともある。
その時は胸がドキドキするというよりは罪悪感と感謝に精神が混迷していた。
もし今、彼女をもう一度抱きしめたとしたら何か違うのかな?
他の人とハグするのとは、どんな違うがあるのだろうか。
セイブリアンが悩んでいると、ヴェリテが鏡の中のどこかを眺めた。
「私はそろそろ行くよ。ミラードが来る」
退けという命令がなかったにもかかわらず、ヴェリテは姿を消す。
その直後、ミラードがノックをして中に入ってきた。
「殿下、先ほどお渡しできなかった書類があったので、もう一度参りました」
「置いていけ。・・・いや、ちょっと待て」
ミラードが後ろを振り向くと、セイブリアンが深刻な表情を浮かべている。
「ちょっとこっちに来い」
その表情にミラードはまた何が起こったのかと、心の中でため息をついた。
ミラードが近づくと、セイブリアンは厳粛に命令を下す。
「私の胸に抱かれるように」
「・・・え?」
セイブリアンの眼差しが炎のように燃え上がっていた。
この短い間に主君に何が起きたのだろうか?
胸に抱かれるように?
あの冷血な主君が抱擁をしようとするなんて、事態把握ができず、ミラードがもがいている間、セイブリアンはもう一度話した。
「早く私に抱かれるように」
「あの、殿下。私は・・・!」
驚いて言葉が出てこない。
その間も、セイブリアンは両腕を広げたまま近づいてくる。
ミラードの顔に暗雲が立ち込めた。
セイブリアン・・・。
意味を勘違いして、ミラードが犠牲者になってしまいました。
「愛」を知らないセイブリアンが気づくまでには、まだまだ時間がかかりそうですね。