こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は81話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
81話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 母の手は薬の手
寝室に入るとヒリヒリする匂いがした。
薬の匂いだろうか?
何人かの下女たちがブランシュの世話をしていて、私を見て慌てて頭を下げる。
席を外してくれという意味で目を向けると、気の利く女中たちがすぐに退いた。
ブランシュが息を吐き出す音だけが聞こえてくる。
眠ってしまったのだろうか?
ベッドに近づく。
若芽が土嚢を持ち上げるように、布団が少し上がっていた。
ブランシュだった。
彼女を顔を歪めたまま呼吸している。
このように苦しい姿を見ると、言いようのない罪悪感が押し寄せてきた。
彼女はこんなに苦しんでいたのに、私はぐずぐずしながら下着で悩んでいたなんて・・・。
なぜ早く気づかなかったのだろうか。
そっと隣の席に座り、ブランシュの眠っている顔を見つめる。
ブランシュの長くて豊かなまつ毛が震えていた。
ぐっすり眠っているわけではないようだ。
額に冷や汗が溜まっているので、私は濡れたタオルで汗を拭いてあげた。
ブランシュは何度か寝返りをし、ゆっくりと瞼を持ち上げる。
まだ朦朧とした目つきと視線が合った。
「ブランシュ姫」
私は慎重に彼女の名前を呼ぶ。
ブランシュの瞳は相変わらず朧げで、そしてこれが現実であることに気付いたらしく、驚いた表情になった。
「ア、ア、アビゲール様?どうしていらっしゃったのですか・・・?」
私がなぜ来たのか理解できないような問いだ。
そして、すぐに答えに気付いたように、申し訳なさそうに話した。
「すみません、今日ドレスを試着するはずだったのに・・・」
ブランシュはそう言った後、辛くも立ちあがろうとする。
風に吹かれた花のように体がふらついた。
いやいや、一体何をしているの?
私は慌ててブランシュの肩を掴む。
「起きないで!そのために来たんじゃないですから。お見舞いに来ただけです」
「お見舞い?」
依然として理解できないという顔だった。
どうしてそんな表情に?
横にしてあげると、ブランシュは大人しく横になって私を見上げる。
「ブランシュ姫、すごく苦しいですよね?」
「いいえ!全然苦しくないです」
そう話すブランシュの顔は青ざめていた。
声にも力がなく息づかいも荒い。
本当に誰が見ても苦しそうに見えるのに、違うふりをするのは・・・。
以前、セイブリアンとぶつかって手首を挫いた時もこうだった。
痛いのも寂しいのも我慢するのは11歳には若すぎる。
もっと甘えてもいいのに。
しばらく悩んだ末に口を開いた。
「ブランシュ姫、失礼しますね」
「は、はい?」
ブランシュが断る暇もなくベッドに入る。
広いベッドは3人が横になっても席が残りそうだった。
ベッドのクッションが優しく揺れて、私はブランシュの隣に移動する。
そして彼女のお腹の上にそっと手を置いた。
子供の頃、私の母がしてくれたようにブランシュのお腹を撫でる。
母の手は薬の手だ。
私は実母ではなく継母だが。
「ブランシュ姫、私が幼い頃お腹を壊したことがあります。あの時、とても痛くて一日中横になっていたんです。その時、私の母が私の横でずっとお腹を撫でていてくれました」
子供でも大人でも、病気の時に一人でいると悲しくなるものだ。
人の温もりと声が蜜より甘く感じられたりした。
「だから痛くないのに、痛いふりをする時もありました」
「アビゲール様がですか?」
ブランシュは驚いて聞き返した。
いつの間にか、いつもの純真無垢な瞳に戻っている。
「ええ、よくしていましたよ」
「不思議です、アビゲール様が・・・」
「まあ、私も甘えたい時はありますからね。病気の時は、いいえ、病気の時じゃなくても甘えていいのですよ。ブランシュ姫は甘えてもいい年なのですから」
そう言った後、私は悪戯に悲しい顔を浮かべる。
「もしかして、私が負担になって甘えにくいですか?」
「そんなことないです!絶対にそんなことはないです・・・」
悪戯をしたのは申し訳なくなるほどブランシュは切実に否定した。
そして、私の服の袖をしっかり握って、慎重に話し出す。
「ただ・・・、少し怖かったんです」
うーん、確かにアビゲールの顔はちょっと怖いよね。
慣れたと思ったら違うようだった。
「アビゲール様は・・・、以前は私のことが好きじゃなかったじゃないですか・・・」
どうして違うとは言えない。
アビゲールは確かにブランシュが嫌いだったから。
どうすれば嘘をつかずに揉み消すことが出来るだろうか。
返事を悩んでいる間、ブランシュが落ち込む声で話した。
「それでもし私が迷惑をかけると、また私を嫌いになるような気がしました。それで・・・」
ブランシュは言葉を結ばず、うつむいた。
いや、どうしてそんな考えを・・・?
私がブランシュを嫌うはずがないじゃないか、私があなたのことをどれだけ好きか。
そう答えようとした瞬間、不思議とセイブリアンが浮かんだ。
昨夜、セイブリアンもちょうどこんな姿をしていた。
クララを呼んで誕生日プレゼントを聞いたという話をする時。
うつむいたまま、視線を合わせることができない姿。
なぜあんなに緊張して不安に思っているのか、当時はよく理解できなかった。
多分恥ずかしいのだろうと思ってた。
けれど今のブランシュの姿を見て、話を聞いたら少し違う気がしてくる。
セイブリアンも怖かったのだろうか。
私に嫌われるかと思って?
「私はアビゲール様に嫌われたくないんです。急に故郷に帰ってしまうのではないかと怖くなって・・・」
ブランシュ・・・。
セイブリアンとブランシュが怖がっていたのは、アビゲールが目の前から消えてしまうのではないかと思っていたからなのですね。
幼い時から誰にも甘えることが許されなかったブランシュを、これからもどんどん甘やかしてほしいですね!