こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は176話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
176話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 危なげな温もり
「どうして私とはハグをしないのですか?」
その質問にセイブリアンは一瞬戸惑った。
ふと昨日ヴェリテが来て、鏡の中で暴れていたのを思い出す。
『おい!なんでアビゲールは放っておいて、他の人たちを抱きしめてるんだ!?』
『比較対象を先に実験してみただけだが・・・』
『ああ、もどかしくてたまらない!いつまで実験するつもり?この宮の全ての人を抱きしめるまで?』
その問いにセイブリアンは沈黙で応酬した。
実は彼も実験は十分だと思っている。
けれど、まだアビゲールを抱きしめる準備ができていなかったのだ。
もし彼女を抱きしめて他の人と同じだったらどうしよう、それとも完全に違ったらどうしようと。
その言葉を聞いてヴェリテは憤慨した表情で自分を指差して叫んだ。
『お前ふざけるなよ!?このままずっと何もしなかったらアビゲールにハッキリ言うからな!』
そんな中、アビゲールから「なぜ自分は抱きしめてくれないのか?」という質問を受けた。
これはチャンスだ。
セイブリアンは慎重に尋ねる。
「・・・あなたを抱きしめてもいいのですか?」
他の人たちには命令だったが、アビゲールには質問した。
あえて彼女に命令するつもりはない。
もしもアビゲールが断ったら?
恐る恐る尋ねたが、幸いにも彼女は頷いてくれた。
セイブリアンはそっと席を立ってアビゲールに近づく。
ミラードを強引に抱きしめたのはとは全く違う様子で。
抱きしめてもいいという許可が下りたにもかかわらず、彼は躊躇う様子だった。
そうするうちに一度息を吸って、とても慎重に彼女に腕を回す。
ギュッと抱きしめるとアビゲールが怖がってしまうのではないかと怖かった。
アビゲールを抱きしめた両腕は宙に浮いたまま。
その時、アビゲールがそっとセイブリアンにもたれかかる。
それと同時に、セイブリアンの心臓は狂ったように動き出した。
この前、眠っていたアビゲールを抱いて運ぶ時のように、自分の手が震えるのを感じる。
この反応は何だろうか?
自分の病のせいなのだろうか?
けれど、病気でも構わないと思うほど気分が良い。
このまま心臓が裂けて死んでも幸せに死ねると思えるくらいに。
セイブリアンが危なげな温もりの中で気が狂っていたとき、アビゲールの声が聞こえてきた。
「で、殿下?大丈夫ですか?気絶されたんじゃないですよね?」
彼女の声には心配が満ちている。
セイブリアンは気づかなかったが、いつの間にか数分が経過した状態だったのだ。
自分を抱きしめて固まってしまったセイブリアンを見て、アビゲールは心配になる。
あまりにも大きな衝撃を受けて失神したのではないかと思った。
「・・・大丈夫です」
「気分が悪かったり、吐き気がしたり、目の前が曇ったりしていませんか?」
「ええ」
その返事にもアビゲールは深刻な表情になり、セイブリアンの顔色を伺う。
本当に大丈夫なのか、冷や汗が出ているんじゃないかと。
アビゲールは、「抱きしめてほしい」と頼んだことを後悔した。
ゆっくりとセイブリアンから離れると、彼の瞳に思わぬ揺れが映る。
「殿下、それじゃあもう寝ましょうか。お疲れのようですし」
「・・・はい、横になりましょう」
セイブリアンが小さくため息をつくと、アビゲールは彼が安堵していると思った。
ぎこちなくなった雰囲気の中、二人はベッドに並んで横になる。
アビゲールは両目を閉じて眠ろうとした。
朝から来賓を迎えるのに忙しかったから、目を閉じればすぐに眠れると思ったが、意外に眠れない。
さっき自分を抱きしめたセイブリアンのせいだった。
自分に触れることも出来ないまま震えていた両腕。
あれは恐怖なのだろうか?
それとも他の感情?
このように隣で横になっていることさえ申し訳なくなってしまう。
今日もブランシュの部屋に行って・・・。
「アビゲール、少し寒くないですか?」
セイブリアンの質問で考えが中断される。
眠っていると思っていた彼の声が聞こえて一度驚き、質問の内容で再び驚いた。
今は初夏。
夜は涼しいが、寒さを感じるほどの季節ではないからだ。
「寒いのですか?体の調子が悪いのでしょうか?」
アビゲールはそっと体を起こしてセイブリアンに近づく。
夏風邪でも引いたのかな?
「ちょっと額に触れてもいいですか?」
セイブリアンは頷いたので、アビゲールは躊躇いながらも注意深く彼の額を調べた。
「ああ、熱が少しあるようですね」
手の甲をセイブリアンの額に当ててみると、微熱が感じられる。
病気がちな人なので余計に心配になった。
「主治医を呼びましょうか?」
「いいえ、それほど辛いわけではありませんので」
「でも寒いんですよね?布団を増やすように・・・」
いや、こういう時はむしろ体を冷やした方がいいのかな?
アビゲールが悩んでいると、セイブリアンの声が聞こえてきた。
「もし良かったら、あなたを抱きしめて寝てもいいですか?」
「・・・」
その要請にアビゲールは答えなかった。
しばらく静寂が続いた後、彼女は困惑した表情を浮かべる。
「寒いから私を抱いて寝るのですか?」
ついに抱きしめた?セイブリアン!
二人の感情が正反対で面白いですね。
寒いと言ったのは本当に?
それとも?