こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は194話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
194話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side セイブリアン
長い廊下にセイブリアンは一人でいた。
彼はずっと壁を眺めている。
正確に言うと、壁にかかっていた絵を見ていた。
アビゲールとの結婚記念に描いた肖像画。
彼は絵の中の自分とにらめっこをしていた。
刃のような表情。
自分の顔に大きな感想を持ったことはないが、好感の持てる顔ではないだろう。
そして彼は視線を逸らしてアビゲールを眺める。
画家の腕前があまりにも優れていたため、彼女の殺伐とした笑顔も完璧に再現されていた。
肖像画を見ながらケインとアビゲールが口論した場面を思い出す。
いいや、争いというにはケインの一方的な暴力だった。
普段から彼はアビゲールにあのように接しているのだろうか?
彼女が結婚をする前から、あのような暴言を吐いていたのだろうか?
その姿を見ると、結婚初期のアビゲールの行動が再び見え始めた。
なぜ彼女があんなに切実だったのか、少しは理解できた気がする。
セイブリアンはため息をつく。
遅い後悔を含んだため息。
もう少し彼女に寄り添っていれば良かったのにと。
「ビビ、私があなたを遠ざけていたのが外見のためではなく、私の個人的な事情のためだったとすぐに話していたら、あなたはあまり苦痛を受けなかったのではないでしょうか」
しかし、答えは分からない。
時間とは、足場が落ちる一本道のようなのだから。
振り返って他の道を選択することはできなかった。
「ビビは私を恨んでいるだろう」
まだ二人のベッドの間には赤い線が引かれている。
新婚当初、自分がしていた行動がそのまま返ってきていた。
どうすればいいのだろうか。
どうすればアビゲールの許しを請うことができるのだろうか。
再びため息をついていた時、ふと廊下の先に小さなシルエットが見えた。
ブランシュは壁の後ろに身を隠し、頭を突き出してセイブリアンを見ている。
お粗末な隠れ方だったので、二人は目が合った。
「ブランシュ、こっちに来なさい」
セイブリアンは静かに自分の娘を呼んだ。
表情は無愛想だが温和な雰囲気が漂っている。
ブランシュは落ち込んでいる様子もなくヘラヘラと笑った。
子供が足音も立てずに近づいてくる。
「絵を見に来たのか?」
「ええと、お父様を探していました」
「私を?」
以前よりは親しい仲になったが、未だにぎこちないだろう。
「どういう用件かな?」
「お父様は海を見たことがありますか?」
海?
いつも突拍子もない用件を持ってくるので、特に驚かなかった。
「子供の頃に一度行ったことがある。それがどうしたんだ?」
「さっきお母様と話していたら海の話が出たのですが、どうにか行けないでしょうか・・・?お母様も海が見たいと仰っていたので・・・」
「そうか、分かった」
予想外に快く受諾が落ちると、ブランシュの顔が明るくなる。
セイブリアンとしては、あえて海を見たがる気持ちは分からないが、とにかく娘と妻が望むことだ。
それにアビゲールの好感を得る方法を考えていたところだった。
セイブリアンは黙々と話し続ける。
「海辺に夏の別荘があるだろう。アビゲールと二人で行ってきなさい」
「え?お父様は?」
ブランシュの計画には自分も含まれているようだった。
子供は躊躇いながら話を続ける。
「忙しいのは分かりますが、お父様も一緒に行くことはできないでしょうか?」
「私は・・・」
さっきとは違って返事がすっきりしない。
一国の王が簡単に宮殿を離れることはできなかった。
しかも、彼はこんなふうに余暇を持つことに慣れていない。
セイブリアンが困っている様子になると、ブランシュは慌てて言った。
「ええと、無理はしないでください。忙しいのは分かっていますから」
そんな中でも自分のことを気にしてくれるブランシュに感心しながらも申し訳なかった。
セイブリアンは後ろ手を組んで厳粛に話しかける。
「顔色を伺わなくもいいと、言ったことを覚えていないか?」
微かに茶目っ気の混じった声。
ブランシュは彼を見上げて、恥ずかしそうに頭を下げた。
「難しいのは分かりますが、やっぱりお父様とお母様と一緒に行きたいです。家族で旅行に行ってみたいです」
セイブリアンは大きな手を上げて、ブランシュの頭を静かに撫でる。
「一応私は処理しなければならないことがあるので、確認してみよう。返事は後でもいいかな?」
「はい、私もそろそろ失礼します。ありがとうございます、お父様」
ブランシュは丁寧に挨拶をした後、再び階段を降りていく。
足取りの軽い音が気持ち良かった。
セイブリアンはその足音を聞いて、ゆっくりと足を運ぶ。
執務室に戻るやいなや、彼はミラードを探した。
「どうしましたか、殿下?」
「この前、東部の方に軍隊を送って治安を強化したよね?」
「ええ、その通りですが・・・」
「視察に行く」
ミラードは戸惑った表情を浮かべる。
突拍子もない視察だ。
「視察なら、私は他の人が行ってもいいんじゃないでしょうか?」
「じゃあ歴訪にしよう」
セイブリアンは曖昧な返事をしない。
それなら確実に名分を作って履行すれば良いだけだ。
王家の一員たちが歴訪のために海に行く。
国政会議で何かを言う大臣がいるだろうが、自分を説得する理由はないだろう。
セイブリアンは地図を取り出し、歴訪日程を頭の中で計算し始めた。
娘のお願いを叶えるセイブリアン。
家族で海に行くことになりましたが、ヴェリテも行けるのでしょうか?
海なのでアビゲールも新しい服を作る?
楽しみですね!