こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は205話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
205話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 疑い
命を救ってくれた恩人だから、本宮に連れて行って大きく賞を下すのは当然のことだ。
いい考えだと答えようとしたが、妙に言葉に詰まってしまう。
そのため、返事が一拍子遅れて流れ出た。
「はい、いい考えだと思います」
セイブリアンはアビゲールの答えを聞いてうなずく。
そうするうちに何かを発見したのか、その場で立ち止まる。
「ビビ、顔に砂がついています」
「え?どこですか?」
アビゲールが自分の左頬を擦るが、砂はついていない。
セイブリアンは手を上げ、アビゲールのあごにそっと触れた。
「ここに付いています」
顔が近づくとアビゲールの瞳が震える。
心地よい緊張のためだ。
セイブリアンもその事実を後になって気づき、あっという間に止まってしまう。
手探りで顔を触る手がぎこちなかった。
二人は一対の鳥のように白い砂浜に立っている。
その時、赤い何かが二人を襲った。
セイブリアンは咄嗟にアビゲールを素早く押しのけたが、彼はそのまま衝突して倒れてしまう。
「セ、セーブル?大丈夫ですか?」
アビゲールが驚いてセイブリアンの名前を呼んだ。
ナディアとセイブリアンが一丸となって倒れていた。
「ええ、大したことありません」
ナディアが二人に向かって走っている途中、足を捻挫して倒れたためだ。
ナディアはかなり激しくぶつかったのか眉をひそめていた。
アビゲールは固い表情で彼女を見下ろしている。
(私が見間違えたのかな?)
アビゲールはナディアが倒れる直前、彼女と目が合った。
湿った彼女の目は鋭く、口元と目元は嫉妬で固まっていたのだ。
誤ってではなく、わざと倒れたようだった。
まるでセイブリアンとアビゲールの邪魔をするかのように。
(もしかして、セイブリアンが好きなのかな?)
アビゲールは原作の人魚姫を思い出す。
愛する王子にもう一度会うため、声を引き換えに足を得た人魚姫。
そこまで原作と同じはずがないと否定したい。
けれど、ナディアの両目に映っていたのは明白な嫉妬だった。
アビゲールが固まっている間に、セイブリアンは立ち上がる。
そしてナディアに向かって尋ねた。
「大丈夫ですか?ナディア」
彼はそう言ってナディアに手を差し伸べる。
大きくて真っ直ぐな素手で。
アビゲールは生硬な目でその姿を見ていた。
セイブリアンが自分以外の女性に手を差し伸べるのは初めてだ。
しかも素手で。
ナディアは彼の手を取ってようやく立ち上がる。
二人の手が触れるとアビゲールは思わず肩を震わせた。
セイブリアンはただ淡々としている。
女性恐怖症は治ったのかな?
その間に、ブランシュが慌てて駆けつけてくる。
「お父様、大丈夫ですか?綺麗な貝殻を見つけたのでプレゼントしようと思ったのですが・・・」
ナディアが持ってきた貝殻は底に落ちていた。
セイブリアンは服の砂を軽く振り払いながら口を開く。
「大丈夫だ。とりあえず着替えなければならないから、帰るようにしよう」
ちょうど散歩を終える時間だ。
全員水に濡れたり砂だらけになっていたので、別荘に到着するや否や浴室に向かった。
浴室に入ったセイブリアンは、使用人たちを退出させて一人で体を拭く。
体についた塩気と砂を拭き取ったにもかかわらず、彼は浴室に残っていた。
彼は不愉快そうに手を何度も洗っている。
ナディアと取り合った手の方をだ。
長い間手を拭いた末、セイブリアンは気持ち悪そうな顔で浴室を出た。
その時、浴室の鏡から不満の声が聞こえてくる。
「私は、あのナディアという女が気に入らない」
セイブリアンが鏡の方を振り返ると、ヴェリテは眉をひそめていた。
「何が気に入らない?」
「・・・」
セイブリアンの質問にヴェリテは唇を突き出すだけ。
嫌いな理由は明確だったが言いたくなかった。
ブランシュがナディアに懐いている理由は分かっている。
セイブリアンとアビゲールの命を救った人だから、ヴェリテもその点に関しては感謝した。
しかし、ここに来て何日も経ち、あの女がブランシュと相棒のように過ごす姿が嫌だったのだ。
しかし、そのことをセイブリアンに話すのも気乗りではなく、彼は別の答えを切り出した。
「命の恩人でも知らない相手じゃないか。どうして、あえてここで過ごさせているの?」
セイブリアンは自分の手を見下ろす。
ナディアの温もりが残っているような手に、彼は眉間を歪めた。
「私もあの女をそばに置くのは嬉しくない」
濡れた髪の間から見えるセイブリアンの瞳は鋭い。
ヴェリテは理解できないように尋ねた。
「嬉しくない?じゃあどうして?」
「怪しい点が多すぎる。アビゲールを殺害しようとした者もまだ捕まっていない」
その言葉にヴェリテの顔は急激に暗くなる。
アビゲールは溺れる直前、犯人を見たが顔は目撃できなかった。
なんとか見たのは髪の毛の色と体格くらい。
犯人は赤髪で普通の体格、普通の身長。
証言をもとに船員たちは調べたが、赤い髪の人はいなかった。
ヴェリテが痛々しい声で尋ねる。
「まさかあの女が犯人だと思うの?髪の毛が赤いから?」
「髪の毛の色で疑っているわけではない。犯人が変装をしたり、あるいは魔法で姿を変えたのかもしれないのだから」
人間の魔法使いの大多数は王宮で働いているが、何人かの魔法使いは正体を隠したまま生きている。
彼らが作った品物が密かに取引されていると聞いた。
もし魔法を利用して姿を変えたとしたら・・・、捕まえることはほとんど不可能に近いだろう。
セイブリアンは低いため息をつき、話し続ける。
「そして髪色を除いてもナディアには怪しい点が多い」
「どんな点?」
「アビゲールを探しに飛び込んだとき、私は水中で彼女を見た」
印象的な赤髪と目鼻立ちは記憶にハッキリと残っていた。
救おうとするように、あるいは殺そうとするように自分の腕を握っていた彼女の存在を。
それはどう考えても変なことだ。
周りは海で、近くに岸もない。
では、彼女は一体どこから現れたというのか。
それに真夜中に、なぜあの険しい海に入っていたのか。
泳ぐような天気でもなかったのに。
そんな渦中に突然船長に救助され、セイブリアンとアビゲールが漂流した位置を知らせ、身の上を尋ねると思い出せないというのだ。
セイブリアンの女性恐怖症が治ったわけではないのですね。
少しホッとした気持ちになります。
セイブリアンもナディアを疑っていますが、アビゲールの視点で見ると二人が親密になっているような気がしてモヤモヤしてしまいますね・・・。