こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は209話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
209話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 諦めと忍耐
アビゲールはナディアの筆談をじっと見下ろして口を開く。
「助けてあげたいのです。呪いを解く方法は何ですか?」
その方法が何なのか見当はついているが、念の為もう一度聞いてみた。
他者がかけた魔法は確認が難しい。
ナディアにかかっている呪いは読みにくかった。
やっと読めるのは錠の部分だけ。
「この呪いにかかった者は人間の姿を取ることになる」ということまで確認した。
ナディアが再び何かを書いて紙を差し出す。
アビゲールは乾燥した目でそれを見下ろした。
<愛する人とのキス>
予想外の答えだ。
アビゲールは紙を静かに半分に折った。
「手伝います。とりあえず部屋に戻ってくれませんか?すぐに行きますので」
ナディアは何かを書き留めようとするかのように躊躇い、頷いて席を立つ。
部屋にアビゲールだけが残ると、ヴェリテがそっと話しかけた。
「アビゲール、そこに何て書いてあるの?」
状況は聞いたものの、筆談までは見られなかったヴェリテだ。
アビゲールが紙を広げて内容を見せると、ヴェリテの顔が驚愕に染まる。
「アビゲール、君おかしくなったのか?」
「おかしくなってないわ」
ヴェリテの眉間が容赦なく歪んだ。
気持ちとしては叫びたいのを我慢している様子だった。
「アビゲール、君は今ナディアとセイブリアンを強制的にキスさせようとしているじゃないか!」
「強制じゃないわ。セイブリアンもナディアが好きなんだから」
二人が結ばれれば、皆にとってハッピーエンドだ。
ナディアはセイブリアンと結ばれると呪いから解放される。
セイブリアンにとっても得だった。
もし人間の王と人魚の王女が婚姻をすることになれば、ネルゲンとしてはかけがえのない友軍を得ることになる。
「本当によかった。お互いに好きなのだから、二人ともハッピエンドに___」
「君は?」
「え?」
「どうしてあの二人だけを考えて、君自身は気にしないの?」
ヴェリテが泣きそうな表情で言った。
アビゲールは何も言わずに小さく笑う。
「私は大丈夫」
諦めと忍耐には慣れている。
そもそもこの愛が叶うとは期待していなかったので、すぐに平然とすることができた。
むしろ祝うべきだろう。
あんなに女性嫌いだったセイブリアンが初めて好きな人を見つけたのだから。
これまでセイブリアンを見守ってきたアビゲールとしては、それがどれほど大きな意味を持っているかがよく分かった。
彼女は気兼ねなく笑いながら口を開く。
「それでも離婚はしないでほしい。離婚したらブランシュとも別れなければならないから。セイブリアンもそれくらいは許してくれるよね?」
「・・・」
ヴェリテは答えない。
何と言えばいいのか分からない人のように見えた。
アビゲールはしばらく返事を待って小さく微笑む。
「じゃあ、私ちょっと行ってくるね」
彼女はブローチをしっかり握って部屋を出ていく。
まるで幕から退場しようとする人のように。
セイブリアンはソファに座り、深いため息をつく。
午前から忙しく視察に行く度に疲れが溜まっていたのだ。
もうすぐ本宮に帰るはず。
この短い間、忘れられない思い出が本当に多かった。
家族と一緒に海を見た瞬間は忘れられないだろう。
また、アビゲールが海に落ちた瞬間も。
ただ良い思い出さえあれば良かったのに。
低いため息が出てきたとこに、ノックの音が聞こえてきた。
「殿下、いらっしゃいますか?」
アビゲールの声が聞こえるやいなや、彼は席から飛び起きる。
彼は自分でドアを開けて彼女を歓迎した。
「ビビ、お入りください」
ドア越しにアビゲールが見えると、ただ嬉しかった。
セーブルは彼女を席に座らせながら口を開く。
「何のご用件だったのですか?」
「ナディアさんの件で来ました。ちょうど話をしてきたところです」
「話をですか?彼女は話せないはずですが・・・」
「筆談は可能でしたので」
「そうでしたか。私も今度話をしてみたいですね」
(監獄で)
セイブリアンは平然な顔で話を続けた。
「それで彼女と何を話したのですか?」
「えっと、それが・・・、ナディアさんは呪いにかかったみたいです」
「呪い?」
「ヴェリテが教えてくれました。彼女から呪いにかかった気配がするって」
セイブリアンは二つの点で驚きを感じた。
ナディアが呪いにかかっていること、そしてヴェリテがそれを突き止めたこと。
自分は魔道具についてよく知らないが、何かが変だ。
ヴェリテは優れる妖精たちが作った魔道具だからなのだろうか?
しかし、それよりもナディアの方がもっと重要だ。
呪いにかかっているなんて。
「そうなのですね。どんな呪いにかかっているのですか?」
「人の姿に変わる呪いだそうです。元々は人魚で、お姫様だそうです。話せないのは呪いの影響らしくて」
その言葉にセイブリアンの眉が歪む。
突然の話で頭が追いついてこない。
人魚?
しかも姫だって?
しかし、すぐに頭が落ち着いてきた。
人魚という話を聞くと、疑問のいくつかが一気に解消されていく。
なぜあの険しい海の下にいたのか、手がなぜあんなに綺麗なのか等。
彼女がなぜ自分とアビゲールを救ったのか分からない。
しかし、彼は直感的にこれがチャンスであることに気づいた。
自分とアビゲールを救ってくれたのを見ると、人間に好意的な人魚であることは明らかだ。
過去には人魚が人間に友好的な種族だと聞いた。
もしナディアと上手く交渉すれば・・・。
「・・・ということですが、口づけをしていただけますか?」
考え込んでいたので、アビゲールの言葉をまともに聞き取れなかった。
彼は一歩遅れて頭を上げる。
「すみません、何とおっしゃいましたか?」
「キスしていただけますかと尋ねました」
アビゲールの自信のない性格がここで誤解を招くとは・・・。
セイブリアンはアビゲールの言葉を絶対に勘違いしていますよね。
彼はどう答えるのでしょうか?