こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は148話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
148話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 爵位授与式
雷のような話を聞いてから二日が過ぎた。
マリはぼんやりと鏡の前に座っていた。
「ヒルデルン卿、とても綺麗です」
「肌が綺麗なので、化粧をもう少し明るくしたらどうですか?」
今日は伝染病が大きな被害なしに解決されたことを記念する行事がある。
その主人公は当然マリだった。
侍女たちが鏡の前に座った彼女を装って騒いでいる。
侍女たちは帝国の英雄に他ならない彼女と少しでも多く話を交わしたかったが、マリにはそのような余裕がなかった。
先日ラエルが自分に投げかけた言葉だけが何度も思い浮かんだ。
『あなたがこの帝国の皇后になることを公式に宣言する』
(私が殿下の妃になるの?)
もちろん嫌なことではない。
もう彼女は彼に対する自分の気持ちに気づいたから。
(けれど私は・・・)
マリはそっと唇をかんだ。
(まだ私の正体を明かしていない)
モリナ王女は現在、帝国の最も重要な敵だ。
自分がいくら多くの功績を立てたとしても理解してくれる問題ではなかった。
(この問題を必ず解決しなければならない)
彼女はラエルを思い出した。
(彼と一緒にいたい。堂々と)
正直、どう解決すればいいのかはまだ分からないけど・・・。
しかし彼女は彼に本当に向き合うために何とか方法を見つけようと誓った。
そして、これ以外にも問題がもう一つある。
彼女の表情はさらに暗くなり、別の問題を思い出した。
(もうすぐトルン2世がこの世を去ることになる。そうしたらキエルさんと皇太子が正面から衝突するよ)
現皇帝であるトルン2世の死も遠くない。
長くても一週間、さもなければすぐ今夜に臨終するかもしれない。
トルン2世の死は以前から予定されていたところである。
問題は、続く粛清で犠牲になるキエルハーンだった。
(キエル様の死を見守ることはできない。絶対に・・・)
「はあ」
伝染病は解決されたが、依然として積み重なっている問題に、彼女は大きくため息をついた。
その瞬間、低い声が聞こえてくる。
「どうしてため息なんだ?」
驚いて首をかしげると、鉄仮面をかぶった皇太子が彼女を眺めていた。
「殿下にお目にかかります!」
マリを飾ってくれた侍女たちが、急いで礼をする。
マリもあたふたと席を立って礼をしようとしたが、彼が彼女に近づき、肩を抱きながら言った。
「大丈夫だ。着飾っているのだから、座っているように」
「で、でも・・・」
「本当に大丈夫。間違って動いたら、余計にもつれるんじゃない?それにしても」
彼は彼女を上下に見回した。
何かが燃え上がるような視線にマリが分からない緊張を感じる瞬間、彼が話した。
「今日は本当に美しいね。今すぐ君が欲しいくらいに」
「・・・」
そう言った彼は彼女の額に優しくキスをする。
露骨な愛情表現に口づけまで。
マリの顔はリンゴのように赤くなった。
「冗談はやめてください」
マリは努めてそのように話したが、ラエルの言葉が本当の話であることは彼の目つきだけを見ても分かる。
一方、侍女たちは驚いた顔で二人の優しい姿を眺めた。
二人の仲が尋常でないのは皇居内で秘密ではない秘密だったが、今日見たら尋常でない程度ではなかった。
(やっぱり皇太子妃はヒルデルン卿・・・)
(噂は事実だった)
侍女たちは心の中で考える。
皇太子は部屋の片隅に退いて、マリがおめかしをするのを待った。
「殿下、ご不便でしょうから、獅子宮で休んでいてください。装いが終わったら私が獅子宮に行きます」
「大丈夫だ」
「でも・・・」
「ただあなたに会いたくて来たのだ。少しでも一緒にいたいということだから、気にしないように」
彼の言葉にマリは少し恥ずかしそうな表情をし、周辺の侍女たちは心の中で「あらあら」という表情をする。
顔にかぶった鉄仮面のように怖いだけの皇太子があんなことを言うのは夢でも想像できなかった。
まもなく装いが終わり、マリはぎこちない顔で席から立ち上がる。
手軽に通っていた普段と違って化粧をして色々な装身具をするなんてぎこちない感じがした。
「・・・」
皇太子が黙って自分を見つめていると、マリは慎重に尋ねた。
「もしかして・・・、おかしいですか?」
「いや」
彼は首を横に振りながら彼女に近づく。
「美しい。他の奴らに見せたくないほどに」
マリは少し顔を赤らめた。
もしかしたら幼稚かも知れないが、彼から間くと訳もなく胸がドキドキした。
「本当に余計な雑種がくっつくか心配だね。装いをやり直そうか・・・」
何か真剣なつぶやき声だったので、彼女は慌てて首を横に振る。
それ以外に誰が自分を可愛がってくれるだろうか?
「そんなはずはありません。さあ行きましょう」
「ふーむ」
皇太子は彼女に白い手袋をはめた手を差し出した。
「私にあなたをエスコートできる栄光を与えてくれるだろうか?」
レディーをエスコートする時に取る礼。
マリも例によってラエルの手を握った。
「殿下のご恩寵に感謝します」
二人は用意された馬車に乗り込んだ。
彼らが今行っているところは伝染病が大きな被害なしに解決されたことを記念する宴会だった。
楽しむための豪華な宴会ではなく、揺れていた民心を慰めるための行事。
皇居では簡単な宴会を開き、民にはお酒と食べ物を無償で提供する。
すぐに馬車は宴会場に到着した。
「皇太子殿下とヒルデルン卿です!」
宴会場に入るとみんなが動きを止めて彼らの方を振り返った。
「皇太子殿下にお目にかかります!」
皆が礼を言いながらも、彼の手を握っているマリを眺めることを忘れなかった。
彼女は疫病を解決した主人公だったからだ。
いや、ただ宴会の主人公であるだけでなく、帝国の英雄と称しても遜色がなかった。
「そうだね、みんな苦労が多かった。この宴会はあなたたちの苦労を慰め、伝染病による痛みを忘れるための宴会なので、気楽に楽しむように」
「ありがとうございます!」
皇太子の話が終わった後、重要な式順が続く。
今回のことを解決した帝国の英雄、マリ・フォン・ヒルデルンの爵位授与式だった。
マリとラエルの仲は周知の事実のようです。
今回の功績で、マリの爵位はどうなるのでしょうか?