こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は188話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
188話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 誕生パーティー②
皇居に到着すると、エシュリン伯爵夫人が直接マリを迎えた。
「ヒルデルン子爵にお目にかかります」
「あ・・・楽に話してください」
彼女の爵位ではエシュリンの方が彼女より上だった。
しかし、エシュリンは断固として首を横に振る。
「そんなことはできません。子爵様はこの帝国で最も至高な女性になる方ですから」
「・・・」
「宮をご案内いたします」
彼女は極めて丁寧な態度でマリーを案内した。
他の侍女も皆マリーに礼を尽くして接した。
(ぎこちない)
マリは困った顔をしたが、だんだん慣れなければならない問題だ。
そのように荷物を解いて、体を洗った後、しばらく休息を取って、マリは獅子宮に向かう。
ラエルと二人きりで晩餐をすることにしたのだ。
「わあ」
マリーはテーブルの上の食べ物を見て思わず、感心した。
やはりラエルは彼女の好みを見抜いていた。
どれも彼女の好きな食べ物でいっぱいだ。
「たくさん食べるように。痩せたようで残念だから」
「はい、ありがとうございます」
マリは微笑んだ。
(何だか家に帰ってきたような気がする)
自覚していなかったが、クローヤン地方で大変だったようだ。
このように彼と一緒にいると、鋭く立っていた感覚が鈍くなり、だるくて平穏な気分になる。
「明日から誕生日の宴会だが、出席できるだろうか?疲れたなら一日くらいは参加しなくてもいい」
「大丈夫です。当然参加しなければなりません」
「絶対に無理をする必要はない。ただ休んで大宴会の日にだけ顔を出しても構わない」
ラエルは苦労して帰ってきた彼女がゆっくり休んでほしいという様子だった。
そのように休むことはできないが、彼の配慮に感謝し、マリは微笑んだ。
(ところで、何か言いたいことがあるの?)
マリは彼が用事を言い出すのを待つ。
しかし、彼は日常的な話をするだけで、なかなか話を持ち出さなかった。
「食事が冷めそうだね。食べようか」
そうして日が過ぎ、誕生宴会が始まった。
町中がお祭りムードに覆われ、皇居でも宴会が始まる。
(私が帝国の予備皇后として誕生宴会に出席することになるなんて)
マリは今更のような気がした。
いつも下級侍女として宴会を準備する立場だったが、1年で完全に状況が変わったのだ。
(その間、本当にたくさんのことがあったな)
マリはラエルのエスコートを受けながら宴会場に向かって考えた。
「何を考えているんだろう?」
マリはラエルの質問に首を横に振る。
「いいえ。何も」
ラエルは彼女の肩を優しく抱きしめた。
「宴会場では絶対無理しないで、気楽に楽しむように」
「はい」
まもなく宴会場に到着すると門番がラッパを吹く。
「皇帝陛下とヒルデルン子爵です!」
みんなの視線が彼らに集中する。
「皇帝陛下にお目にかかります!」
「楽に楽しめるように」
簡単に挨拶を受けたラエルはマリの手を取って壇上に上がった。
そうしてマリはラエルのそばで誕生宴会を楽しんだ。
合間合間に挨拶してくる貴族たちに応対しなければならなかったが、雑用をしなければならなかった昨年と比べると、はるかに楽な宴会だった。
(休暇でも来たようだね)
マリは宴会場を眺めながら考える。
ただ、一つ釈然としないことがあった。
ラエルの要件だ。
(どうして言ってくれないんだろう?一体何の話なの?)
マリは苦心した。
そしてもう一つ気になることがある。
それはオルンの態度だ。
「クローヤン地方でうまくやっていると聞いた。ご苦労様だね」
オルンが彼女に渡した言葉はこれがすべて。
久しぶりに会ったので少しは喜ぶに値するが、冷淡極まりなかった。
(いったい・・・)
その時、ラエルが彼女に手を差し出す。
「私たちが宴会の主人公だから、一曲は踊らないと」
マリーは考えを逸してうなずいた。
「・・・はい、陛下」
そうして誕生日宴会の日が一日一日と過ぎ去っていく。
ラエルはいつも彼女に優しくしてくれた。
単純に親切に接するのではなく、行動一つ一つに彼女に対する愛がぽつりぽつりと滲み出ている。
しかし、その愛を受けるマリは心が楽ではなかった。
マリーは宴会中に庭に出てため息をつく。
(何か問題でもあるのかな?情勢が良くないからかな?クローヤン地方は安定しているけど、周辺情勢が尋常ではないから)
ラエルが彼女に会いに行けずに皇居に滞在することは、周囲の情勢が深刻になりしているからだ。
虎視眈々と機会を狙っている西帝国はもちろん、海を突き合わせた東方教国、そして帝国内部の貴族まで。
不審な動きが刻々と報告されている。
(いや、もちろん情勢が深刻ではあるが、確かに他の問題がある)
一瞬、彼女の背筋に不安が走った。
これまで背を向けようとした一つの可能性が浮上したのだ。
(もしかして、私の正体を知ったんじゃないよね?)
彼女は唾をごくりと飲み込んだ。
違うと思ったが、これ以外に思い当たることはなかった。
先日見たオルンの冷たい態度が思い浮かんだ。
もしかしたら彼らが自分の正体に気づいているのかもしれないという直感が彼女の胸をよぎる。
(もしそうなったらどうする?)
マリの顔が真っ青になった。
もちろん彼女も彼らにいつまでも正体を隠すつもりはなかった。
クローヤン地方がさらに安定すれば、正体を明らかにするつもりだった。
「少しだけ。もう少し努力すればいい」
そうすれば何の問題もなく陛下にお目にかかれる。
マリは苦しそうな顔で苦悩した。
(だけど、すでに陛下が私の正体を察知しているとしたら?どうすればいいんだろう?)
その時、聞き慣れた声が彼女を呼んだ。
「休んでいるんだ。疲れてるのかな?」
「・・・」
ラエルだった。
彼は彼女の顔を見て驚いた表情を浮かべる。
「顔がどうしたの?何かあったのか?」
「いいえ、違います」
マリはびっくりして首を横に振った。
胸がドキドキした。
ラエルは隣に座り、優しく彼女を自分の方へ抱きしめる。
そうして彼女を自分の胸に抱いた彼が尋ねた。
「何かあったんじゃないよね?」
「いいえ。ただ少し疲れているようです」
マリは腕の中で首を左右に振った。
彼の固い胸はいつも彼女の胸をときめかせたが、今日は違う。
彼が心の中で何を考えているのか緊張した。
しかし、ラエルはいつも温かい言葉を発するだけだ。
「辛いことがあったら、絶対に隠さないで。あなたより私に大事なことはないから。分かったかな?」
彼の温かい言葉が彼女の胸をつんざく。
「・・・はい、陛下」
そうして二人はしばらく黙っていた。
ラエルは彼女の腕に抱かれた頭をゆっくりと撫でて、マリは目を閉じて彼の手を感じた。
「もう大宴会も終わりだね。誕生宴会が終わったらすぐに帰らないとね?」
「・・・はい」
ラエルの声には単純な寂しさを越えて乗るような切なさが込められていた。
「陛下」
マリも彼と二度と離れたくなかった。
気持ちだけはこのように永遠にいたかった。
その時、ラエルが胸の中でマリを注意深く立たせ、そっと彼女の瞳を眺める。
「・・・陛下?」
風の先でマリの声がかすかに震えた。
その目つきに向き合うマリの胸に我慢できない不吉さが込み上げてきた。
ラエルは手を上げて彼女の顔を撫でる。
「マリ」
彼女の瞳が揺れ動いた。
ついに彼が隠しておいた用件を取り出そうとしているのだと思われたのだ。
(どうしよう?私の正体を聞かれたら?)
マリの心臓が狂ったように鼓動する。
彼女としては否認することも、認めることもできなかった。
ところでどうしてだろう?
ラエルは彼女の揺れる瞳を見てため息をつく。
それから、どこか苦笑いして、こう言った。
「マリ、知ってるかい?」
「え?」
「私があなたを本当にたくさん愛しているということを」
ラエルは彼女の髪をなでた。
そして優しく額に口付けをする。
「ここまでにしようか。天気がすごく寒いから」
その日、二人は一緒に夜を過ごした。
ラエルは優しくマリを抱きしめた。
手一つ一つから彼の愛が感じられ、心が込み上げるほどだった。
「・・・陛下」
そのように全身で彼の愛を受け入れ、マリは胸が詰まってきた。
心の中の心配のためだろうか?
自分に向かう彼の瞳を、手を感じるのが重かった。
そうして夜を過ごした後、マリはラエルの横で眠っている顔を見る。
彼は夜明け遅くまで自分のことを知っていたが、ちょうど眠りについた状態だった。
「陛下・・・」
マリは手を上げて注意深く彼の頭を撫でる。
彼女は彼の言ったことを思い出した。
『私があなたを本当にたくさん愛しているということを知っているか?』
彼女はふとこんな気がした。
もしかすると、彼は自分が先に話を持ち出してくれることを望んでいるのではないだろうか?
彼女の顔に苦悩が宿る。
(私はどうすればいいんだろう?)
怖かった。
彼が自分の正体を知ったらどんな反応を見せるか。
自分を一寸の疑いもなく信じてくれるだろうか。
しかし、このように彼を騙しているのも心がとても苦しかった。
「はあ・・・」
その瞬間、ラエルは寝返りを打って目を開ける。
「まだ寝てないんだ。眠れないのかな?」
「あ・・・はい。」
「こっちへ」
ラエルは彼女を抱きしめ、優しく頭をなでた。
眠れない子供をなだめるように。
その穏やかな手にマリは目を閉じる。
服を着ていなかったため、素肌に彼の手触りがそのまま感じられた。
「陛下・・・」
彼の全てがとても大切だった。
彼と少しも離れたくなかった。
彼女は唇をかみしめて衝動的に言った。
「陛下、明日一緒に街頭祭りに行ってはいけませんか?」
ラエルはその言葉に少し驚いたような目をした。
「街の祭りか。いいね。準備することにしよう」
昨年の誕生宴会でも、彼と彼女は一緒に街の祭りを見物する。
マリは彼の腕の中で目を閉じて考えた。
(どうするか決めないと)
予備皇后として扱われるマリ。
オルンの態度からも、彼女は自分がモリナ王女だと疑われていると確信したようです。
お祭りデートでラエルに打ち明けることはできるのでしょうか?