こんにちは、ちゃむです。
「残された余命を楽しんでいただけなのに」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
102話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 陽だまりの別れ
数日が過ぎた。
カルポアでの一件もほぼ片付き、イザベルたちは再びジルデル王国へ戻ることになった。
その見送りには、体調を大きく回復したアセリアも自らの足でやって来ていた。
「皇女様。私の友達になってくださってありがとうございました。この数日間は、私にとって本当に大切で幸せな時間でした。心から感謝しています」
「うううん。私のほうこそ、ありがとう」
アセリアは続いてユリへ手を差し出した。
「ユリお姉ちゃん。私、お姉ちゃんのことも好きだよ。今回はあまり仲良くなれなかったけど、今度はもっと仲良くなれたら嬉しいな」
「……」
ユリは少し迷った末、その小さな手を握り返した。多少のわだかまりはあったものの、ユリもアセリアを嫌っていたわけではなかったのだ。
アセリアはさらにアルミテルへ向き直る。
「お姉ちゃん。また会いに来てね。私、ここで待ってるから。足をぶらぶらさせながら待ってる。約束だよ?」
その愛らしい姿を見て、イザベルは思わず息をのんだ。
(あの陽だまりみたいなヒロインを抱き上げて、前ポケットに入れて持ち歩きたい……!)
なぜ原作の主人公たちがこぞってアセリアに夢中になってしまうのか、今なら理解できる気がした。やはり可愛いは正義なのだ。
その時、不意にビアトン卿がイザベルの耳元でささやいた。
「皇女様のほうが、もっと可愛いです」
「……え?」
「百倍くらい」
この事件以来、ビアトンの過保護ぶりと執着はさらに悪化していた。今もなお、イザベルから十センチ以上離れようとしない。イザベルもまた、彼が胸の奥に抱えている絶望的な感情を痛いほど感じ取っていたため、無理に距離を置けとは言えなかった。
アセリアが最後に別れの挨拶をした相手は――。
「ベルフラワー、今度は仲良くしようね!」
ガブッ!
「あっ、分かったよ。触らないから」
ベルフラワーには、陽だまりのようなヒロインの愛らしさは通用しなかった。
ジルデル王国へ戻る馬車の中。
しばらく考え込んでいたアルミテルが、ふいに席から立ち上がった。道が悪いのか少しふらついたが、それでもアルミテルは驚くほどしっかりと体勢を保っていた。
イザベルが尋ねた。
「どうしてそんなふうに立っているんですか?」
「それは……」
アルミテルはひどく居心地が悪そうに、何か言いにくいことを切り出そうとしていた。
「気軽に話してください。ちゃんと聞きますから」
「……」
アルミテルはしばらく逡巡した後、ようやく意を決して口を開いた。
「皇女殿下には、あまりにも大きな恩があります。ですが私には、その恩に報いる術がありません。私に何ができるのか、ずっと考えていました」
そう言うと、アルミテルはイザベルの前で片膝をついた。生涯一度も騎士の誓約を立てたことのなかった軍人が、剣を握ったまま柄をイザベルのほうへと差し出す。後に原作では皇家を裏切ることになる脇役が、今はイザベルに切実に願っていた。
「どうか、私を再びあなたの剣としてお使いください」
「えっと……あれは何なんでしょう……」
「お申し付けください、皇女殿下。あなたのお言葉なら、どのような命令でも喜んで従います」
「人間は有機化合物で、剣は無機化合物ですよね……」
アルミテルは完全に予想外の返答を受けたような顔になった。まさかそんな答えが返ってくるとは思わなかったのだ。
「最近、化学を勉強しているんです……えへへ」
「……そうでしたか」
その呆然とした表情に、イザベルは思わず吹き出した。
「はい、冗談です。嬉しかったんですけど、ちょっと照れくさくて、つい変なことを言ってしまいました」
「……あれは冗談だったのですか」
アルミテルは少なからず衝撃を受けていたが、それでも無事にイザベルと騎士の誓約を結ぶことができた。
アルミテルは胸の内で何度も誓った。
(私は計り知れない恩を受けた)
理由は分からないが、妹の体調までもが驚くほど回復していた。アセリアを診察した医師でさえ目を見張るほどで、医師は「奇跡だ」と口にしていた。
(皇女殿下こそ、私にとっての奇跡だ)
恨みは二倍に。恩義は百倍に。それがアルミテルの信条だった。
(奇跡を授かった以上、何をもって返せばいいのだろう。どう返せばいいのか、見当もつかない)
だが、それはこれから考えればいいことだった。
その時、イザベルはある違和感に気づいた。
(馬車、妙に遅くない?)
この速度では、人が歩くのと大差ない。ビアトンに尋ねてみたが、「そうですか? 私にはよく分かりませんが……」と首を傾げるばかりだった。
アルミテルは馬車を止めさせると、確認のために御者のもとへ向かった。
「なぜこんなにゆっくり進んでいる?」
「安全速度を守っているだけです」
気づけば、御者はいつの間にか別人になっていた。
「もう少し速度を上げてくれないか」
「お断りします」
「……何だと?」
「私は何よりも安全を重視しております」
アルミテルはわずかに眉をひそめた。これほど融通の利かない御者を見るのは初めてで、少し戸惑う。
怒るべきかどうか迷っていたその時、イザベルが嬉しそうに馬車から飛び降りてきた。
「あっ、あっ、違う、御者のおじさん!」
イザベルはぱっと満面の笑顔を浮かべた。
(お父様だ!)
何よりもまず、ロンに会えたことが嬉しくてたまらなかった。大事件を乗り越えた後だからこそ、その喜びはなおさら大きかった。
アルミテルは一瞬言葉を失い、ただイザベルを見つめた。イザベルが明るく笑うと、その周囲までぱっと華やいで見える。まるで美しい花々が一斉に咲き誇ったかのようだった。
「知り合いなのか?」
「はい! 私の大好きな御者のおじさんです。いつ来たんですか?」
皇女が一介の御者に向けるには、あまりにも親しげな態度だった。だが、その御者本人も、隣に立つビアトンも、それをまるで当然のことのように受け入れていた。イザベルから十センチ以上離れることを拒んでいたビアトンでさえ、今は二歩ほど後ろに下がっている。
「つい先ほど到着しました。ちょうど前任の御者が貧血で倒れたと連絡を受けまして」
ビアトンがぼそりと呟いた。
「まさか、貧血に見せかけて倒したわけじゃないですよね?」
「私にそんな力があるように見えますか?」
「いつも忙しい御者だと思っていたんだけど、最近は暇になったのかい?」
「何が本当に大切なのかを学んだだけですよ、ビアトン卿」
「ロン卿……」
アルミテルは困惑した。一介の魔法使いと帝国首席補佐官が交わす会話としては、二人の間に隔たりがなさすぎる。
御者が口を開いた。
「皇女殿下は陽の光や風を好まれますから、私の隣にお座りいただくのがよろしいでしょう」
「いいです!」
もともと父と話したいことが山ほどあった。大変な出来事があったのだ。だからこそ、たくさん話を聞いてほしかった。
アルミテルが危惧して首を横に振る。
「危険です」
だがその瞬間、ビアトンがそっとアルミテルの服の裾を引いて首を振った。それは「許可しろ」という意味だった。
結局、馬車の中へ戻ったアルミテルは、どうしても気になって尋ねた。
「いったい、あの御者は何者なのですか?」
あれは決して普通の御者ではない。その存在からは、鍛え抜かれた達人のような底知れぬ気配が感じられた。まるで暗く深い海を前にしているかのようだった。
「彼は――皇女殿下がこの世で一番好きな魔法使いですよ」
「いったい……」
「時には、知らないままの方がいいこともあります」
まさか、黒剣帝国の皇帝が魔法で変装し、自ら御者をしているとでもいうのか? 帝国の民の常識では考えられないほど、あまりにも衝撃的な話だった。
ビアトンは大きくため息をついた。
「はぁ……これは確定ですね」
皇帝が優先順位を変えてしまった。となれば、皇帝が担っていた仕事は誰かが代わりにやらなければならない。そしてその役目は、当然ながら首席補佐官であるビアトンに回ってくる。
(まあ、嫌ではありませんけどね)
その時、馬車の外から楽しそうなイザベルの笑い声が聞こえてきた。
(私が忙しくなるほど、皇女殿下は幸せになるのでしょうから)
それなら構わなかった。もっとも、どれだけ前向きに考えても、人手不足になるのは避けられない事実だった。
「補佐官をもう一人増やしてもらわないといけませんね」
だが、あの神経質なまでに厳しい皇帝陛下が、新たに補佐官を任命してくれるかどうかは分からない。ビアトンがこれほど苦労しているのも、そのためだった。有能で、なおかつ信頼できる人物を見極めなければならない。
「……ん?」
その時、彼の視界にアルミテルの姿が入った。
「ふふふ」
「ど、どうされたのですか?」
「公務員になる気はありませんか?」
アルミテルは、背筋に強烈な嫌な予感を覚えた。
一方その頃、“魔法使い(?)”との時間を満喫していたイザベルは――。
「御者のおじさん。ところで、ビアトン先生がとても大切な人を失ったこと、ご存じですよね?」
御者の肩がぴくりと震えた。まるで自分の変装を忘れてしまったかのように、思わず砕けた口調になる。
「……それは、どういう意味だ?」
――遡ること、約一時間前。
前任の御者は、自分を訪ねてきたローブの男に向かって激しく抗議していた。
「何をおっしゃるのですか! お客様との約束は何よりも大切です! 私は二十年間、一度たりともお客様との約束を破ったことはありません! 絶対にそんなことはできません! あの方は私のお客様なのです! たとえ相手がどれほど身分の高い貴族であろうとも、譲るわけにはいきません!」
ローブをまとった男――ロンは、静かに革袋を差し出した。その革袋には銀貨がぎっしり詰まっており、ざっと見積もっても百万円ルデンは下らない額だった。
「そんなに急を要する事情があるとは、私は知りませんでした」
そして、御者は速やかに交代した。
* * *
それから三十分後。
交代した御者の隣にはイザベルが座っていた。イザベルはにこにこと笑いながら、ずっとその横顔を見つめている。
御者は軽く咳払いをして尋ねた。
「私の顔に何か付いていますか?」
「いいえ」
それでもイザベルの視線は離れなかった。顔立ちはロンとは違っていたが、それでも他人とは思えなかった。
「ご機嫌そうですね」
「はい。嬉しいです」
御者の肩がぴくりと震えた。“機嫌が良さそうだ”と聞いただけなのに、返ってきた答えが妙にずれている。御者はもう一度軽く咳払いをして尋ねた。
「どうしてそんなに嬉しいのですか?」
「嬉しいです」
再び、御者の肩が震える。
「この陽射しや風が心地よいからですか?」
「はい」
――本当は違った。
(お父さんがここにいるからです)
イザベルはそう言いたかったが、口には出さなかった。そしてロンも、なぜかその答えを察したような気がした。
少ししてから、イザベルが尋ねた。
「私の髪、どうですか?」
ロン自身、この変化はかなり気に入っていた。“ヘワンエル”と呼ばれる存在がなぜ特別なのか、ようやく実感できるほどだった。だが同時に、少し心配でもあった。この世界の常識からすると、あまりにも異質だったからだ。
御者は静かに答えた。
「綺麗ですよ」
実のところ、ロンも全く驚いていなかったわけではない。しかし、それだけだった。姿が変わっても、イザベルはやはりイザベルだ。どんな見た目になろうと、ロンにとっては変わらず大切な娘だった。
「本当ですか? どれくらいですか?」
「私がこれまで見てきた短髪の中では、一番ですね」
「えへへ」
イザベルは身を少し前に乗り出した。そして御者の肩にそっと頭を預ける。その肩はとても広く、温かかった。まるで世界で一番頼もしい場所にいるように感じられた。
御者が再び口を開いた。
「大変な目に遭ったと聞いています」
その声は驚くほど穏やかだった。風がさらさらと吹き抜け、野には小川のせせらぎが響いていた。
「怒らないでください」
「怒っていませんよ」
「私、本当に大丈夫なんです。平気ですから」
御者は思わず顔をしかめた。
「もう“大丈夫です”はやめてもらえませんか?」
「皇女にそんな言い方をしてもいいんですか? そんなことを言ったら、ユリお父様に言いつけますよ」
「……皇帝陛下にですか?」
「はい。皇帝陛下はとても怖い方なんですよ」
イザベルは、ロンの体内で揺らめく魔力を通して、彼の心を感じ取っていた。そこには自分へ向けられた温かな想いがあった。胸がじんわりと熱くなる。
「お父様って呼んでもいいですか?」
「……」
「だって、私のお父様なんですから」
ロンは危うく、「ああ、それこそ私がずっと望んでいたことだ」と口にしてしまいそうになった。
「それは、その……そういうことですか」
なんとも歯切れの悪い返事だった。イザベルはその珍妙な返答に、思わず吹き出しそうになる。
「御者さんって、本当に堅いんですね」
「“堅い”とはどういう意味でしょうか?」
「そういうところですよ」
イザベルはただ、この時間が愛おしかった。頼れる保護者の肩にもたれかかっていられる今が、何よりも心地よかった。空は晴れ渡り、風も気持ちよくて、胸の奥までふわりと温かくなる。
しばらくして、イザベルはふと思い出したように口を開いた。
「御者さん。そういえば、ビアトンさんがとても大切な人を亡くしたって、ご存じなんですよね?」
その瞬間、馬車が急停止した。ほとんど急停車と言っていいほどだった。馬車が前方へ大きく揺れたが、イザベルには何の影響もなかった。ロンが瞬時に魔力で彼女を守ったからだ。
ロンが怒鳴った。
「ビアトン――!」
「おやおや、御者さん。運転は苦手なようで……ん?」
ロンの変装を維持していた首飾りが、負荷に耐えかねて砕け散っていた。気づけば、ロンはすでに本来の威厳ある姿に戻っていた。
「えっと……その、皇帝陛下。急にお怒りになった理由は分かりませんが……」
「私がお前ににとって何だと言った?」
「……え?」
「私が、お前の友人だと言った覚えはあるか?」
ビアトンの顔から笑みが消えた。彼はロンの怒りを真正面から受け止める。
(まずい。あの状態の皇帝陛下を止められるのは皇后陛下くらいしかいないのに……)
だが、ここにセレナを呼ぶこともできない。ビアトンはとりあえず三歩ほど後ろへ下がった。下がらなければ本気で命が危ない気がしたからだ。
「陛下。皇女殿下もいらっしゃいます。少し落ち着かれてはいかがでしょうか?」
「……」
驚いたことに、ロンは深く息を吐き、ゆっくりと気持ちを鎮め始めた。
(落ち着いた!?)
ビアトンは思わず目を見開いた。皇女の前だと、本当に効果があるらしい。セレナ以外にも、ロンを止められる存在が現れた。ビアトンからすれば、それは奇跡のような出来事だった。
「大切な人を失うって、どういうことなんだ?」
「それは……」
ロンとビアトンは馬車から少し離れた場所で話し合った。ビアトンはこれまでの経緯を簡潔に説明する。
「ですが陛下、どうか黒い服はお召しにならないでください」
「それは、お前の母を悼む資格すら私にはないと言いたいのか?」
「そういう意味ではありません」
ビアトンは深く息をついた。
「皇女殿下は、黒い色を見るたびに思い出してしまうんです。亡くなったと思っていた母親のことを」
「……」
ロンの表情が固まった。
「今の皇女殿下は元気そうに見えます。ですが、心の傷が消えたわけではありません」
「だから黒を着るなと?」
「はい。少なくとも皇女殿下の前では」
ロンはしばらく黙り込んだ。そして低い声で尋ねた。
「……あの子は、そんなに苦しんでいたのか?」
「陛下が想像されている以上に」
ビアトンの返答には迷いがなかった。
「いや、そういう意味じゃないってことくらい分かってますよ」
「なら、まずは追悼するべきではありませんか?」
「それは後にしましょう」
ビアトンはロンの耳元へ顔を寄せ、小声で囁いた。
「皇后陛下の存在そのものが、魔法連合の野望を抑える楔になっています。今の段階で皇后陛下の死を公表しても、何一つ良いことはありません」
「……ずいぶん冷徹な考え方だな」
「皇女殿下には、もう少しだけ綺麗な世界を見せてあげたいんです。それに、皇后陛下の研究資料には魔法使いたちにとって致命的な内容も含まれています。特にヴィヘルム家の魔法に関する記録は重要です。私は今、それを学んでいる最中なんですよ。せめて皇后陛下の半分ほどでも理解できるようになってから、追悼のことを考えても遅くはないでしょう」
「……」
「これは友人としてのお願いです」
ロンはしばらく黙った後、静かにうなずいた。ビアトンは満足そうに笑うと、懐から布に包まれた何かを取り出した。
「それと、陛下への贈り物があります」
「贈り物だと?」
ロンは露骨に眉をひそめる。大きさからして絵画なのは明らかだった。ロンは以前からビアトンのことを『自称芸術家の変人』と評していた。ビアトンはこれまでにも何度かロンを題材にした抽象画を贈ってきたが、ロンはそのたびに本気で嫌がっていた。そして、その反応を見てビアトンがますます張り切るという悪循環ができあがっていたのだ。
「抽象画なら要らん。持って帰れ」
「え? 本当ですか?」
ビアトンは抽象画を包んでいた布を、わざと少しほどいてはまた結び直した。
「ちょっと待て」
「なぜです?」
「少し見せてみろ」
「捨てるんじゃなかったんですか?」
「少し見るだけだ」
「捨てるのに、なぜ見るんです?」
「おい」
「はい」
ロンは拳を握り締めた。だが殴ることはできなかった。ビアトンがその絵画を盾代わりにして顔を隠していたからだ。
そのとき――抽象画を覆っていた布が、するりと地面へ落ちた。
その中に描かれていたのは、短髪になり、明るく笑うイサベルの姿だった。
「可愛いでしょう?」
「…………」
「たぶんユリにきちんと調べてもらわないとですね。羽のない羽人族なんているのかどうか」
「…………」
「こんな短い髪の皇女様を、またいつ見られるかわからないでしょう? 大切だから絵に残しておいたんです」
「抽象画しか描かないんじゃなかったのか?」
それは抽象画などではなく、れっきとした美しい肖像画だった。
「相手が陛下だからですよ」
「それは敬語だな」
「はい」
「…………」
ロンは大きく深呼吸をすると、完全に落ち着いた声で言った。
「出せ。今のうちに穏便に言っておく」
-
アセリアたちとの別れとアルミテルの騎士の誓約
体調が回復したアセリアと温かい別れを告げた後、馬車内でアルミテルがイザベルへの深い恩義から、生涯初の「騎士の誓い」を立てて彼女の剣となることを誓った。
-
変装して御者となった皇帝ロンとの再会
馬車の速度が遅い違和感からイザベルが外に出ると、御者は変装した父ロンだった。イザベルは隣に座って父の温もりを感じながら、「お父様」と呼んで穏やかな時間を過ごした。
-
ビアトンとロンの対話とイザベルの肖像画
イザベルの一言から変装が解けたロンは、ビアトンから「イザベルの心の傷のために黒い服は着ないでほしい」「皇后の死の公表はまだ早い」と告げられ、最後にイザベルの愛らしい肖像画を贈られた。