こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は106話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
106話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- おやすみのキス
「キスを、・・・しましょう」
「え?」
聞き間違いだろうか?
アビゲールは予想外の言葉に呆然とする。
「私はおやすみのキスを受けたことがないので、よく分からないのですが・・・」
おやすみのキスを受けたことがないという言葉に、アビゲールは深い憐憫を感じた。
誰もセイブリアンの良い夢を願ってキスをしなかったのだろうか。
二人が気まずい雰囲気を漂わす間、ブランシュは布団を鼻先まで引き上げたまま、目だけ出して二人を眺めていた。
期待に満ちたブランシュの視線。
そして、セイブリアンも嫌だと言っていない。
アビゲールは進退両難に陥ってしまった。
本当に、彼におやすみのキスをしなければならないのか。
「あの・・・殿下。キスって何か分かりますよね?」
「アビゲール、私が馬鹿に見えますか?」
「殿下の肌に私の唇が触れるのですが、大丈夫なのですか?」
「手も握っているのですか問題ありません」
そう言いながらも、セイブリアンは緊張のせいか表情が少し強ばっていた。
そんな彼の様子に、アビゲールは途方に暮れる。
「それとも・・・」
そんなアビゲールを見守っていたセイブリアンが口を開く。
「私がしましょうか?」
セイブリアンがする?
何を?
キスを?
キスを受けるよりも、キスをする方が負担にならないのだろうか?
まともな答えが出てくるはずもない。
アビゲールは沈黙し、セイブリアンは沈黙を肯定的に受け入れた。
セイブリアンがアビゲールの方に上半身を傾ける。
徐々に顔が近づいてきた。
思わず息を呑んでしまう。
彼の顔をこんなに近くで見るのは初めてだった。
そっと目を伏せるまつ毛が豊かに見えて、セイブリアンの表情がさらに魅力的に感じられる。
セイブリアンが用心深く手を伸ばしてアビゲールの頬を包む。
彼の手はガタガタ震えているように見えた。
「アビゲール、ずっと目を開けているのですか?」
手が震えているのとは違って声は落ち着いている。
まるで見栄を張っているかのように。
「い、いいえ!」
アビゲールがじっと目を閉じた。
目を閉じていてもセイブリアンの存在がハッキリと感じられた。
触れている彼の手。
震え。
息遣いの音。
そして体温。
彼がゆっくり右に近づいているのを感じ、そして柔らかいものが頬に触れた。
柔らかくて熱い唇。
その瞬間、アビゲールの頭がくらっとなる。
心を落ち着かせる時間もなく、耳元でセイブリアンの声と息が響いた。
「おやすみなさい、アビゲール」
彼はそう言って、ゆっくりと手を離す。
まだ頬が熱い。
アビゲールが目を開くと、前には誰もいなかった。
いつの間にか、セイブリアンは布団をかぶって横になっている。
背を向けたままなので、彼の顔を見ることはできなかった。
アビゲールは呆然となる。
セイブリアンがキスした場所を手探りしたが、刹那の短いキスが痕を残すはずがない。
そんな中で、先ほどセイブリアンの表情を見たブランシュは微笑んでいた。
「おやすみなさい、お父様。お母様」
「・・・おやすみなさい、ブランシュ」
アビゲールは、ぼうっとしたままベッドに横たわる。
すべてを目撃したブランシュは、二人の手を握って幸せそうに微笑んだ。
side セイブリアン
暗闇の中でスーッと、小さく息づく音が聞こえてくる。
セイブリアンは背を向けたまま、その音をじっと聞いてきた。
夜12時を告げる鐘の音が聞こえてしばらく経っているが、彼はとても眠れなかった。
背後に横たわっているアビゲールとブランシュは静かだ。
ベッドが揺れる気配もない。
ようやくセイブリアンは後ろを振り返る。
いつの間にか、アビゲールとブランシュはお互いをギュッと抱きしめていた。
その姿を見て、セイブリアンは声もなく微笑む。
本当に二人は似ている。
実母のミリアムよりも。
彼はじっと二人を見つめがら手を伸ばして、ブランシュの髪を軽く撫で下ろす。
今日は娘と新しいことを沢山した。
ブランシュをそばに置いて寝るのも、おやすみのキスをしたのも初めて。
実に不思議な子だ。
ブランシュを眺めながら考えた。
娘はミリアムに似ていないだけでなく、自分にも似ていない。
どうしてこんなにも純朴で優しいのだろうか。
まるでブランシュという名前のように。
彼女が生まれた日を思い出した。
セイブリアンからアビゲールにキスをしました!
二人の関係が一気に進展しましたね。
そんな両親を見て、幸せそうに微笑むブランシュが尊いです!