こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は116話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
116話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 義務、義務、義務
アビゲールは慎重に言葉を選んでいるように見えた。
しばらく時間が経った後、彼女が口を開く。
「殿下、確かに11歳の子供をそばに置いて寝かせることはやり過ぎかもしれません。ですが・・・」
彼女は拳を握りしめた。
表情は怒りではなく、悲しみ。
「これまであの子に甘える機会を与えなかったじゃないですか」
「・・・」
セイブリアンはしばらく黙っていた。
アビゲールは感情を抑えて話し続ける。
「私は殿下の事情を理解しています。しかし、殿下がこれまでブランシュを遠ざけたのも源泉たる事実です。ブランシュが傷ついたのも」
「・・・」
「だからもう少しだけブランシュの甘えを受けてください。これまで可愛がってあげられなかった分だけ」
沈黙が流れた。
沈黙にも温度はあるものだ。
今、部屋の中を流れる空気は悲しみでじめじめしていて、また暖かった。
そうするうちに先に口を開いたのはセイブリアンの方。
「少し行ってくる場所があります。すぐに戻ってきますので」
「え?」
彼はそう言った後、すぐに寝室を離れた。
突然の退場に、アビゲールはしばらくの間呆然となる。
30分が過ぎたのだろうか、寝室の扉が開く。
「殿下、どこへ行って___。ブランシュ?」
「お、お母様・・・」
セイブリアンの後ろにはブランシュの姿が。
彼女は萎縮した様子だった。
説明なしにセイブリアンに連れてこられたので叱られると思っているのだろう。
慌てた二人の間で、セイブリアンだけが平然としている。
彼はいきなり口を開いた。
「3人で話をしたくて連れてきました」
セイブリアンの表情を見ると、怒っている気配はない。
アビゲールは小さくため息をつく。
「それでは下女に飲み物を頼んできます」
・
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まもなくテーブルの上にティーポットとティーカップが置かれた。
ティーポットには温かい牛乳が。
アビゲールは牛乳にハチミツをたっぷり入れてブランシュに渡す。
「飲んでください、ブランシュ。よく眠れると思います」
「寝る前なのに飲んでもいいのですか・・・?」
「ええ。私も飲みますから、飲んでもいいですよ?殿下」
セイブリアンをじっと見つめると、彼は黙ったまま頷く。
「殿下も大丈夫と言っていますのよ」
セイブリアンの許可が下りると、ブランシュが躊躇いながら牛乳を飲み始めた。
彼女を連れてきたセイブリアンは何も言わない。
実際に連れてきたのはいいが、何を話せばいいのか分からないようだ。
アビゲールはため息をついたが、自分もちょうど聞きたいことがあったので、先に口を開くことに。
「あの、ブランシュ。夕方に会った時ですが」
「は、はい」
「何か言おうとしていませんでしたか?何の話をしようとしたのですか?」
ブランシュがそっと顔をあげた。
青い二つの瞳には、躊躇いの感情が満ちている。
「以前、私に結婚するつもりがあるのかとお聞きになったじゃないですか」
「ああ、はい。そうでしたね」
ブランシュはそっと唇を噛む。
そして何事もなかったかのように、いつものように微笑んだ。
「あの、モルッカ王国側と結婚したらどうかと思います」
「え?結婚?」
予想できなかった言葉に、アビゲールは少なからず動揺する。
「なぜ急に結婚のことを考えるようになったのですか?まだブランシュは幼いじゃありませんか」
この前、アビゲールとセイブリアンのそばを離れたくないと言ったのはブランシュ自身のはず。
彼女は表情を変えずに話し続けた。
「幼いという理由で甘えることはできません。私が結婚をしてこそ帝国はもっと強大になるのですから」
「大妃殿下がそう言ったのですか?」
アビゲールの口から聞こえてきた声は、本人が聞いても殺伐としていた。
ブランシュは驚いてあたふたする。
「ち、違います。私が一人で考えて・・・」
「じゃあ、なぜ他の国ではなくモルッカを?」
「モルッカは海軍兵が強力だから、婚約したら東部に役立つと思って・・・」
「ブランシュは政略結婚が嫌じゃないのですか?」
アビゲールの問いに、ブランシュの唇がひとしきり震える。
しかし、それは刹那の瞬間。
彼女は白い花のように微笑んだ。
「私は大丈夫です。お父様とお母様のお役に立つことができれば・・・。そして、それが私の義務なのです」
その言葉にセイブリアンの手が固くなる。
彼は驚いた目でブランシュを見つめた。
義務、義務、義務。
呪いのような言葉だったが慣れてきたと思っていたのに。
しかし、ブランシュの口からそんな言葉が出るとは思ってもいなかった。
いつも見ている娘が見慣れないように思えてしまう。
いいや・・・。
この子は似ている。
自分とあまりにも似ているのだ。
見ていて辛い展開ですね・・・。
ブランシュが苦しそうに婚約を申し出る姿は見たくありません。
大妃は許せませんね!