こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は197話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
197話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 初めての海
セーブルが静かにワインを飲みながら言った。
「ウンディナ領主、一応明日の街頭行進に関して話をしなければならないようだね。準備はできているのかな?」
「はい。ここの別荘から出発して市街を通って広場に行くことになります」
2日目の日程は街頭行進と演説。
私とブランシュ、セーブルが一緒に馬車に乗って東部民に顔を見せる予定だ。
明日も多分一日中忙しいと思う。
明後日も予定があったようだけど。
一緒に海を見に行ければいいけど、時間の都合上無理かな。
ブランシュだけでも遊ばせればいいのに。
話をしているうちにいつの間にか皿はほとんど空になり、デザートとして出されたデザートも全部食べてしまった。
セーブルが口元を拭きながら言った。
「明日も忙しいだろうから、今日はこの辺で席を外した方がいいだろう」
「はい。それでは明日お会いしましょう」
愉快な食事の時間は思ったより早く終わった。
ふぅ、食べ物は美味しかったけど、確かに少し疲れている。
ゆっくり休んで、明日の行進とスピーチの準備をしたら、一日が終わるかな。
ちょっと残念だけど。
私はしばらく悩んで二人を呼んだ。
「ブランシュ、セイブリアン」
すると、そっくりな父娘が私の方を振り返る。
その姿が可愛くて、笑いながら私は口を開いた。
「まだ日が昇っているので、海の見物にでも行きませんか?」
みんな疲れていると思うけど休んだ方がいいかな?
けれど、これからずっと忙しい予定なので、暇な間に海に行きたい。
幸いにも、二人は快く答えてくれた。
「いいですよ」
「いいですよ!」
二人がほぼ同時に言った。
ブランシュは笑って明るい声で話す。
「ヴェリテも一緒に!」
夏の別荘の裏には手入れの行き届いた遊歩道が長く開いていた。
絶壁の方へ向かう街角の前に、警備員たちが捨てられた犬のように立っている。
王と王妃、王女が散歩に行くという言葉に当然その後を追おうとした。
しかし、セイブリアンが彼らを拒否したため、別荘に戻ることもできないままポツンと立っているのだ。
林道の間に見えら人の後ろ姿は今は見えない。
徐々に日が暮れていたため、地面に人影が濃く垂れ下がっていた。
大人の影が二つ、子供の影が一つ。
影は三人だったが、声は四人だ。
「私たちは何処に行くの?ブランシュ」
ブランシュの胸からヴェリテの声が聞こえてきた。
ブランシュは本の大きさの鏡をしっかりと抱いている。
鏡面を内側にしていたので、ヴェリテが見られるのは闇だけだ。
「海を見に行くんだ」
「海?私も見れるの?」
「うん。絶壁からは見れると思う」
ヴェリテの本体は現在別荘に位置していた。
本宮に比べると別荘は小さい大きさだったので、ヴェリテの視野は別荘を越えて外まで届いたのだ。
最初は海岸を行こうとしたが、ヴェリテの視野が広くても、そこまでは無理そうだった。
しかし、別荘の裏手の崖なら、ヴェリテも辛うじて見ることができそうだ。
「海・・・」
ヴェリテの声は少し緊張していた。
海を見れるなんて。
本に描かれた挿絵では見ることができたが、それは白黒。
ブランシュが見せてくれた湖の風景画は美しかった。
しかし、海はそれより広いとアビゲールが教えてくれたのだ。
一体どんなところなのだろうか。
ここまで来たから必ず海は見たい。
暗い鏡の向こうを眺めていると、ブランシュが鏡を反対にした。
「ヴェリテ、もうすぐだよ。見える?」
その瞬間、鏡の向こうから光が降り注ぐ。
ヴェリテの銀色の瞳に数多くの色彩が映る。
水平線の上に夕日が沈んでいた。
不可能なほど広い大洋は、どんな職人が来ても真似できない青色で揺れていた。
水平線の境界に垂れ下がった雲は巨大な鳥の羽のよう。
それはヴェリテが今まで見たことのない強烈さで燃え上がる太陽だ。
「ヴェリテ、見える?」
「・・・」
ヴェリテから返事がないと、ブランシュは鏡を回して確認した。
夕日と空、海とともにブランシュの顔が見える。
潮風に揺れる長い黒髪が夕日を浴びて赤く輝いていた。
海だ。
ヴェリテはそう思った。
ブランシュの優しい二つの瞳は海のように青い。
五色の海に背を向けて笑うブランシュを見て、ヴェリテは思わず呟いた。
「綺麗だ・・・」
「そうだよね?海がすごく綺麗」
いいや、彼が言ったのは海に対してではない。
ブランシュだ。
生まれて初めて見た海は驚異的だった。
けれど、それさえもブランシュには及ばない。
「綺麗」という言葉では足りない表現。
ヴェりてが知っている語彙の中でブランシュに相応しいものはなかった。
「ヴェリテも見れて良かった。一緒に海を見ることができて本当に嬉しい」
ヴェリテが海を見て満足したと思ってブランシュはただ笑った。
窪んだえくぼが可愛い。
アビゲールも微笑んだままだった。
セーブルは海にはあまり関心がなさそうだったが、彼も娘と妻を眺めながら満足しているように見える。
その間、夕焼けの光が次第に海の下に身を隠し始めた。
淡い闇が訪れ、太陽の空席を満月が埋めていく。
月明かりが夜の海の上に照らされた。
まるで光で作られた道のように。
「ねえ見て、ヴェリテ。星がとても綺麗」
ブランシュは溢れそうな星の群れを見上げた。
ヴェリテはそんなブランシュを眺めていたが、ふと空を見上げる。
夜空は美しかったが、なんとなく見慣れたような感覚。
見慣れた星の配置と夢で聞いたような星座の名前が浮かんだ。
「くしゅ」
その時、ブランシュが小さなくしゃみをした。
ヴェリテが当惑した声で尋ねる。
「大丈夫?寒い?」
「少し肌寒いけど大丈夫」
「とりあえずこれを着てください、ブランシュ」
隣にいたアビゲールがショールを包んでくれた。
ヴェリテはそれが幸いだと思いながらも、自分が彼女のためにコートを脱ぐことができないことに嘆く。
セイブリアンはブランシュの肩を包みながら言った。
「そろそろ戻ろうか、ブランシュ」
「そうですね、そろそろ入りましょう。星は後で見ればいいのだから。風邪を引いたら大変だから、早く入りましょう」
「はい、分かりました」
ブランシュはあまり意地を張らずに引き返す。
あらかじめ持ってきたランタンのおかげで、帰り道は明るかった。
そして去っていく彼れを眺める視線。
視線の出どころは海だった。
絶壁の下の岩の島に誰かがいたのだ。
赤い髪が肩まで垂れ下がった女性。
その女性は消えゆくセイブリアンをしばらく眺めていた。
粘っこい視線で。
人影が見えなくなると、女は海の中に入っていく。
そして、二度と上がってこなかった。
ヴェリテとブランシュの関係が気になります!
見ていて微笑ましいです。
最後に現れた女性は人魚でしょうか?
セイブリアンを見つめる視線の意味は?