継母だけど娘が可愛すぎる

継母だけど娘が可愛すぎる【357話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【継母だけど娘が可愛すぎる】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

357話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 新しい命⑥

書類に没頭し、紙の中に飲み込まれてしまいそうなほど集中していたその時、ドアの方から人の気配を感じた。

「お姫様、とてもお忙しいのですか?」

その声に反応して、ブランシュがハッとして顔を上げ、ドアの方を見た。

ヴェリテがそこに立っていた。

ブランシュは少し驚き、ペンを置いた。

小さく細い手には、ペンの跡が薄っすらと付いていた。

「いいえ、大丈夫です。入っても構いませんよ。」

ブランシュの許可を受け、ヴェリテがそっと部屋に入る。

彼女はまだ手に書類を持ったままだった。

ベリテは少し驚いた目で机の上を見渡した。

そこには、あまりにもたくさんの書類や本が積み上げられていた。

「お姫様、無理をされているのではないですか?乳母として心配になります。」

ベリテは涙をぬぐうような仕草をした。

ブランシュは微笑みを見せたが、その顔にはどこか疲れたような影が見えた。

「ベリー、私は大丈夫。」

「うーん、大丈夫には見えないけど。」

「お父様もお母様も忙しいから、私が二人分働かなきゃ。」

そう言いながら、ブランシュは再びペンを手に取った。

それを見たヴェリテが、慎重にペンを掴み止めた。

「少し休もうよ、ね?乳母もベリテも本当に心配しているの。」

その声に込められた感情は、計り知れない優しさだった。

その言葉通り、ブランシュは最近、誰にも頼らずに無理をしているようだった。

まるで以前に戻ったかのようだった。

まだ物事が変わる前、お父様とお母様から認められるために必死に頑張っていたあの頃のように。

「もしかして、イベールが生まれたから?」

何か隠している人が不意に気づかれたような、一瞬の戸惑いがブランシュの表情をよぎった。

震える手とともに。

答えが返ってこないブランシュを見て、ベリテはそっと彼女のそばに寄り添った。

「イベールが生まれたのが嫌なの?」

「嫌だなんて!そんなはずないじゃない……」

嫌なわけがなかった。

リリーがイベールを妊娠している間、どれほど弟や妹が生まれるのを心待ちにしていたことか。

イベールが生まれた時は、涙が出るほど嬉しかった。

この子の良い姉になろうと決心した。

しかし……。

「……私が生まれた時、お父様とお母様はこんなに喜んでくれなかったんだろうね。」

ブランシュはベリテに頭を預けたまま、静かに呟いた。

垂れた瞳には、濡れた涙の痕が薄っすらと浮かんでいた。

セイブリアンがイベールを腕に抱いて話していた独り言を、ブランシュは聞いてしまった。

『子どもが生まれるというのが、こんなにも嬉しいことだったなんて。』

知らないふりをしようとした。聞かなかったことにしようとした。

でも、どうしても聞かなかったことにはできなかった。

しかし分かっていた。

詳細な事情は知らなくても、自分が愛によって生まれた子ではないことを。

計算、政治、義務によって生まれた子。

イベールとは違う。

イベールはただ愛だけで生まれた子だった。

「それに……最近イベールを王位継承者にするべきだという意見も出ているようですから。」

自分の夢が揺らいでいるようだった。

夢だけではなく、すべてが揺らいでいるように感じた。

イベールとセイブリアン、リリーが一緒にいる姿は美しかった。

それだけで完璧に見えて、自分が入り込む余地はないように思えた。

「だから、私が頑張らないといけない。もっと一生懸命勉強して、国政もしっかりとこなせば……」

「ブランシュ。」

ベリテがそっとペンを取り上げた。

銀色の瞳が優しくブランシュを見つめていた。

「私は、ブランシュが王になると信じています。だから……みんなが戯言を言っているだけだよ。君が王にならなければ、誰がなるというんだ?」

「でも……私を支持してくれる人が……」

「私がいるじゃないか。」

柔らかな笑みがベリテの唇に浮かんだ。

どんなことがあっても、彼はブランシュの永遠の支えであり、味方だった。

「言っただろう?君の夢は私の夢でもあるんだ。誰かが君の正当性を疑うなら、私が全部排除してあげる。」

乳母が手に持った人形がペンを掴み、軽快に振り回した。

ふざけているように見えるが、その言葉には冗談も躊躇もなかった。

「どうすれば君が安心できる?具体的な行動が必要か?軍隊を作ってあげようか?それとも陰謀を企ててあげようか?」

「ベリー……」

「ただ言ってくれ。君が望むことなら、何でもしてあげるよ。」

普通の人なら冗談として受け流せることでも、天才の口から出た言葉には現実味を帯びた重さがあった。

彼にはそれをすべて実行可能にする知識と能力があった。

ベリテの視線には一切の迷いがなかった。

「僕はいつでも君を支えるよ。くだらないことを言う奴らなんて、全員ぶっ飛ばしてやるから。」

ベリテが口を尖らせてそう言うと、ブランシュはやっと笑みを浮かべることができた。

ベリテの言葉に、少し気持ちが軽くなったようだった。

ベリテもその様子に、ようやく安心したようだった。

小さな人形の鼻がブランシュの柔らかな頬をちょんと突いた。

「それに、お義母様やお義父様がそんな考えをするはずないでしょ。」

……本当にそうだろうか?実は自信が持てなかった。

自分が幼かった頃、セイブリアンは笑ってくれなかったから。

不安は少し和らいだものの、完全には消えなかった。

ベリテは黙ってブランシュを見つめてから、そっと彼女の手を握った。

「それじゃあ、直接聞きに行ってみようか?」

「え?」

「直接聞きに行こう。一人で悶々と考え込んでいるだけじゃ、余計に辛いだけだから。」

「え、あ……?」

まるで夏の日差しのように、ベリテが明るく微笑んだ。

その言葉が終わる前に、彼はブランシュの手を取って部屋を出て行った。

「お義母様、お義父様!イベールを見に来ましたよ!」

ベリテは元気よく声を張り上げながら赤ちゃん部屋に入っていった。

しかし、返事はなかった。

部屋の中は静まり返っていた。

人の気配はなく、揺りかごの上に吊るされたモビールだけが静かに回っていた。

「え?みんな、どこに行ったの?」

周囲を見渡してみたが、妙なことに誰の姿も見当たらなかった。

リリーもセイブリアンも席を外していたのだ。

どんな場合でも、子どもを見守る乳母がいるはずだった。

それなのに、乳母も、侍女も、使用人もいなかった。

揺りかごで一人で寝ているイベールだけが目に入った。

「もしかしてまた二人きりでおしゃべりしてるんじゃないの……?」

ベリテは何か怪しいと感じたのか、周囲を見回した。

探偵のように鋭い目つきで部屋を注意深く観察していたベリテが、突然短く叫んだ。

「うわっ!これ何!」

「ベリー、どうしたの?」

突然の大きな声にブランシュは驚いて駆け寄った。

ベリテは床から何かを拾い上げていた。

「なんで動物がここにいるの?」

宮殿内に動物がいるはずがなかった。

それもこんな動物はなおさら。

ベリテが拾い上げたものは、黒いモフモフだった。

可愛らしい顔をしているが、どう見ても野生の動物だった。

こんな危険な動物が赤ちゃんの部屋にいるなんて。黒いモフモフは嫌がるように身をよじり、ベリテの手から逃れようとしていた。

「とりあえず外に出さなきゃ。どうやって入ってきたんだ?」

ベリテが窓を開けて黒いモフモフを外に放り出そうとすると、そのモフモフはさらに激しく抵抗した。

ブランシュが慌てて近寄った。

「ベリテ、ちょっと待って!外に出さないで!私に渡して!」

「え?でも危険だよ……」

「大丈夫。少しの間だけなら平気。」

ベリテは戸惑いながらも、慎重に黒いモフモフをブランシュに手渡した。

そのモフモフは静かにブランシュの腕の中に収まった。

黒いモフモフの瞳はサファイアのように青い光を放っていた。

どこか見覚えのある感覚がした。

その瞬間、黒いモフモフの声が聞こえてきた。

「[ブランシュ、パパだ!]」

「……お父様?」

黒いモフモフがブランシュを見上げながら、キュイキュイと切なそうに鳴いた。

そして気が付けば、その青い瞳はセイブリアンによく似ていた。

「どうしてお父様が……?」

ベリテは黒いモフモフがブランシュを傷つけないか気にしながら、その様子をじっと観察していた。

ブランシュは困惑しながらもこう言った。

「この黒いモフモフ、お父様なんじゃない?」

「え?そんな馬鹿な。でも……確かに顔つきがそっくりだけど……あっ!」

ベリテは自分の足を何かがペチペチと叩くのを感じた。

下を見てみると、そこには白いウサギが一匹いた。

その白いウサギは紫色の瞳を持っていた。

ブランシュは急いでそのウサギを抱き上げた。

「まさか……お母様?」

「[ブランシュ、そうよ。私よ!]」

「お母様!一体どういうことがあったんですか?」

「[ブランシュ、ここを出て!イベールから離れないといけない!]」

イベール?

状況を把握できずに戸惑う間に、ベリテが慌ててブランシュを引っ張った。

「シュー、危ない!」

揺りかごを振り返った瞬間、ブランシュはやっとリリーの警告の意味を理解することができた。

天井の方に紫色の雲が漂っていた。

しかし、それは雲ではなかった。

紫の魔力だった。

魔力は揺りかごから溢れ出していた。

ベリテがブランシュを連れて揺りかごの外へ逃げようとしたが、紫色の霧がすでに揺りかごを取り囲んでいた。

「ベリー、走って!」

ブランシュは腕にウサギと黒いモフモフを抱えたまま叫んだ。

二人は慌てて赤ちゃん部屋を飛び出した。

ドアが勢いよく開いた瞬間、濃い紫色の霧が部屋を埋め尽くしていった。

紫色の魔力が部屋の外に溢れ出し、廊下全体を包み込むように広がり始めた。

まるで日の出のようだった。

魔力の波動が宮殿の至るところに広がり、同時に周囲の風景が急速に変化していった。

紫色の霧が石像を擦り抜けていくと、不気味な形をした彫像がカラフルな人形に変わっていった。

まるで水彩画で塗り替えられるように、周囲の装飾が次々と変化していった。

宮殿の中は子どものお菓子箱のようにカラフルな色彩で埋め尽くされていった。

「うわっ、これ何!」

「きゃあっ!みんな逃げて!」

宮殿のあちこちから悲鳴が響き渡っていた。

霧が人々を飲み込むと、その場には動物たちだけが残された。

ブランシュは動物に変えられていく人々を救おうと足を止めた。

しかし、その瞬間、霧がブランシュの靴をかすめて通り過ぎていった。

「きゃあっ!」

ブランシュは悲鳴を上げながら床に倒れ込んだ。

固かった床がいつの間にかクッションのように柔らかく変わっていた。

その瞬間、紫色の霧がブランシュに迫ってきた。

「ブランシュ、逃げて!」

ベリテが身を投げ出してブランシュの前に立ちはだかった。

激しい風のように吹き付ける霧がベリテを飲み込んだ。

「ベリテ!」

耳をつんざくような叫び声が響き渡った。

霧が晴れた時、宙から何かがポトリと落ちた。

それは空色の刺を持った小さな人形だった。

ベリテは焦ったように声を上げた。

「[逃げて!ブランシュ!君まで霧に飲まれたらダメだ!]」

その言葉に同意するかのように、黒いモフモフと白いウサギが周囲を飛び跳ねながら動き出した。

ブランシュは歯を食いしばり、宮殿を飛び出して駆け下りた。

ブランシュは一気に外へ駆け出した。

ドアが勢いよく閉まる音とともに振り返ったブランシュは、驚愕し言葉を失った。

壮麗で美しかったネレゲン宮殿は、まるでおもちゃの家のような姿に変わっていた。

あちこちに巨大なキノコが生え、外壁は水飴のように溶けた飴細工のようになっていた。

宮殿の中からは依然として悲鳴が響き渡り続けていた。

ブランシュは腕の中に黒いモフモフと白いウサギ、空色のトゲを抱え、途方に暮れて立ち尽くしていた。

「これをどうすればいいの……?」

 



 

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