こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は202話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
202話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 私の願い
舌を噛んで気絶しようかと悩んでいると、セーブルの手が震えているのが見えた。
ああ、やっぱり無理してるんだ。
裸の女性を抱きしめるのが、彼にとってどれほど大きな負担か想像がつかなかった。
それでも彼の温もりを私に分けてあげようと我慢している。
私を救おうと海に飛び込み、私が風邪を引くのではないかと私を抱きしめている。
そんな中、私は彼に感謝の言葉を一言も言っていないことを後になって悟った。
そっと彼の手を握って話す。
「・・・セーブル、ありがとう。私を救ってくれて」
「・・・」
「ですが、もし似たようなことがまた起きたら、その時は放っておいてください」
セーブルが私を救おうとしたことはありがたいと思っている。
しかし、容認することはできない。
そもそも彼と私の命の重さは違う。
私は一度死んだ人間で、今の人生はおまけに等しい。
私はこのおまけのような人生から本当に多くのものを得た。
予定されている死を避けることさえできれば満足できた。
平凡に生きることさえできれば良かった。
ところが、気がつくと身に余る幸せを享受している。
可愛くて愛らしい娘、私を理解してくれる友達、そして愛するべき人。
私はもういつでも退場できるほど幸せな人だ。
今すぐ死んでも幸せだろう。
それなのに、セーブルが私のために死ぬ?
それは私の死よりも苦痛だった。
生きていても悔恨のうちに涙を流すに違いない。
もう私の願いはここで生き残ることではなかった。
私の願いは、私が愛する人たちが幸せな結末を迎えること。
あなたたちが幸せになれるなら、熱くなった鉄の靴を履いて踊って死んでも私にはハッピーエンドだ。
「これからは私が死ぬ危機に直面しても殿下の命を大切にしてください。それだけが私の望みです」
私は一字一字に力を込めて言った。
セーブルは静かだ。
私の背中に触れた温もりがなかったら、彼が消えたと思うほどの沈黙。
静寂の間で温もりだけがハッキリしていた。
そうするうちに、ふと震えが伝わってくる。
「どうして・・・」
セーブルの声は震えていた。
いいや、その震えを抑えようとしていた。
制御できなかった振動が如実に伝わってくる。
「どうしてそんなことが言えるのですか、どうして・・・」
それは怒りのようでもあり、悲しみのようでもあった。
命を懸けて助けてくれた人から聞く言葉ではないことは私も理解している。
けれど、ここまで彼が動揺するなんて・・・。
怒りより悲しみの方が濃いとは思わなかった。
「ビビ、今はあなたがどれほど残酷か分かっていますか?」
残酷?
むしろ無礼だと言われたら理解したはずだ。
そんな中でもセーブルは私をギュッと抱きしめたまま震えている。
「あなたを失って生きていく私を思うなら、そんなことは言えないでしょう。どうしてそんな言葉を・・・」
私を失って生きていくあなた。
私の耳にその言葉はとても奇妙に聞こえた。
王は最後まで生き残らなければならない。
王妃は他の女性を入れればいいのだから。
私がいなくなったとしても、あなたは豊かに暮らせるだろう。
あなたは善良で暖かい人だから、新しい妻を迎えても以前のように妻を冷遇することはないはず。
それなのに、どうしてこんな私のために命を懸けるのか。
あなたはこの国の王様なのに。
私が死んでも、あなたは生きなければらないのに。
「ビビ、どうかそんなことを二度と言わないでください。二度と、絶対に・・・」
セーブルは啜り泣いているように見えた。
なんでこんなに悲しむのか、なんで私のせいでこんなに動揺するのか。
これじゃあ、私はどうやってあなたを諦めればいいのか。
こんなに悲しんでいるのを見ると申し訳なくて死にたかった。
私のせいで彼の気を悪くしたくない。
私は静かに体を傾けて彼に向き合う。
彼はほとんど泣きそうな表情だ。
セーブルの頬を静かに撫でる。
「ごめんなさい、セーブル。私が悪かったです・・・」
「・・・」
「許してください。ね?二度と言いませんから」
彼の黒くて長いまつ毛が震えていた。
しばらくの沈黙の後、ゆっくりと瞼が開く。
誰かが悲しみの色は青だと言った。
私は今、その言葉に切実に共感する。
セーブルの瞳の中には、ひたすらに悲しみが溜まっていた。
美しくて悲しい青色。
「・・・本当に言わないですか?」
「ええ、言いません」
すると彼の瞳から悲しみが少しずつ薄れていく。
なんとなく万華鏡を覗いているようだった。
五色の感情がそれぞれ違う青色に揺れているのがあまりにも美しく、思わず彼にキスをしたくなる。
ふと彼も私を覗いていることに気づいた。
彼は宝石箱でも覗き込むように私の目を見ている。
セーブルの視線が動き、彼は私の目を見て鼻先を見て、その下に下がった。
いつの間にか彼は私の頬を撫でていた。
まだ水気が残っている柔らかな手。
彼が親指を伸ばして私の口元に当ててくる。
私は目を閉じた。
自然で反射的な行動。
自分が何をしているのか分からない。
おそらくセーブルも同じだろう。
彼の指が私の唇をじっと押さえ、セーブルが頭を下げるのが感じられる。
彼の息が、彼の温もりが私の口元に迫ってくるのを感じた瞬間。
「きぃぃぃぃぃぃ!」
鋭い泣き声が聞こえて目を見開く。
セーブルも驚いて音がした方を振り返っていた。
海岸沿いに何かがいる。
イルカだった。
アビゲールが死んだら、セイブリアンもブランシュも以前のような関係に戻ってしまうでしょう。
それを彼女に気づいてほしい!
折角良い雰囲気だったのに、まさかのイルカが登場ですね。