こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は83話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
83話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 父親の看病
しばらくしてから、私は用心深く布団を取り出した。
鼻が赤くなったままブランシュは啜り泣いている。
「ありがとうございます・・・」
彼女は涙に濡れた顔で私を見上げた。
「アビゲール様をお母さんと呼べて嬉しかったです。本当にありがとうございます、アビゲール様・・・」
泣き顔で彼女は微笑む。
私は笑い返すことができなかった。
心が痛くて、笑うことも泣くこともできない。
机の上の置いたハンカチを手に取り、ブランシュの涙を拭いた。
泣き止んだが、依然として目元はしっとりしている。
私はにっこり笑いながらブランシュの手を握った。
「お母さんと呼びたかったのですか?」
「・・・はい」
「いつから?」
「・・・初めて会った時からです」
アビゲール、腹持ちのいい女だ。
こんなに君を愛してくれる子だったのに、どうして君が受ける愛の半分も返せなかったの?
「カリン様は幼い頃、たまに母親のそばで寝たそうです。私はそれがとても羨ましかったのです」
「じゃあ、今度一緒に寝ましょうか?夜のおやつも食べて、色んな話もしながら」
「はい・・・!大好きです!」
そう言ってブランシュが咳を出す。
泣きすぎたようだね。
ただでさえ体が痛くて大変なのに。
「水を飲みますか?喉が渇いていると思うのですが」
「は、はい・・・」
席を立って周囲を見回す。
飲み水が見当たらないから外から持ってこないと。
扉に近づくと、何かドタバタという音が聞こえてきた。
何だろう?
外に出てみると、そこには意外な人がいた。
現れたのはセイブリアンだった。
彼は扉から少し離れたところに立っていた。
「ああ、アビゲール」
セイブリアンは壁にもたれて本を読んでいた。
「お見舞いに来たのですが、話し合っていると聞いて待ってました」
「そうだったのですね」
ところでどうして本は逆さに持っているの?
壁にもたれている姿があまりにも上品に見えたので、さらに奇妙だった。
「中に入ってもいいですよ。ブランシュも殿下に会いたがっていると思います」
「ええ、分かりました」
私は水筒を持って中に戻る。
ブランシュはセイブリアンを見てリスのように驚いた。
「お、お父様」
セイブリアンと私はブランシュの隣に並んで座る。
彼は何気なく尋ねた。
「体調はどうだ?」
「はい、大丈夫です・・・」
ブランシュはそう言ったが、ちらっと私の顔色を伺う。
そして、おずおずと言葉を変えた。
「・・・少し気持ち悪くて眩暈がします」
「なるほど」
ああ、娘が病気だというのに相変わらず無愛想だ。
私は彼の脇腹をつついた後、水筒を渡した。
セイブリアンはそれを持ってキョトンとしていたが、後になって気づく。
「わざわざ起き上がらなくていい。私が水を飲ませてあげよう」
患者用の水筒は小さなティーポットのようなものだった。
セイブリアンは横になっているブランシュの口に水を流し込む。
彼女は小鳥のように大人しく水を飲んだ。
やっと父娘のような場面が見れたような気がする。
セイブリアンはタオルで口元を拭いてあげていた。
ブランシュはこの状況に慣れていないように見えたが、嬉しそうに見える。
そして沈黙が。
セイブリアンは黙ったまま、じっとブランシュを眺めるだけ。
そして突然言い出した。
「他に必要なものはないか?」
「え?」
「「他に必要なものはないか?」と尋ねたのだ。食べたいものとか、それとも見たい本とか。何でも言いなさい」
セイブリアンらしくない言葉に、私もブランシュも慌てた。
今になって彼が大人になったのだろうか?
ブランシュは突然プレゼントを貰った人のように戸惑いを隠せていない。
「ブランシュ姫、殿下がこう仰っているので、必要なことがあれば言ってください」
領地を一つくれと言っちゃえ。
今までできなかったことを考えると、領地でも正直足りないくらいだ。
ブランシュはその言葉に悩んでいた。
しばらくすると、モジモジする声が聞こえてくる。
「それじゃあ、私が眠るまでそばにいてもらえますか?お父様とお母様と一緒に・・・」
「分かった」
はぁ、本当に素朴なお願いをいつも難しくする子なのだから。
ブランシュは返事を聞いて、かすみ草のように白く笑った。
さっき見た時に比べて目つきに生気が戻っている。
すぐにブランシュは安心して目を閉じた。
口元に微笑を浮かべたまま、すぐにブランシュは眠りにつく。
平和な寝息が聞こえてきた。
セイブリアンは眠っている娘の顔をじっと見ている。
ある感傷に陥ったような顔で。
このままでは一日中ブランシュを覗き見ていそうだ。
私は彼の肩を軽く叩いた後、出て行こうと言わんばかりにセイブリアンを見つめる。
私たちは足音を立てないように注意しながら外に出た。
少しずつ自分の気持ちを言えるようになったブランシュ。
セイブリアンも父親のように見えてきましたね。
眠っているブランシュの様子を見て、セイブリアンは何を思ったのでしょうか?