こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は266話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
266話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 葬儀②
「そう呼びたければ、呼んでもいいですよ」
「え?」
「大変な気持ちは分かります。私も唯一の家族を失いましたから」
唯一の家族。
その言葉に体の中の水気が乾いてしまうようだった。
「お母様は・・・?」
「ずいぶん前に亡くなりました」
レイブンの声は淡々としているが、濃い声で話した。
彼の悲しみが如実に伝わってくるような。
「私に残された唯一の肌は、先王殿下だけです」
レイブンも家族を失った人だった。
同じ喪失を共有する人として、彼がどれほど苦しいのか分かる気がする。
彼は苦しそうに目を閉じた。
金の瞳がまぶた越しに隠れると、セーブルとあまりにも似ていて涙が出そうになる。
「レイブン卿・・・」
「王妃様がどんなに辛いか分かります。セイブリアンと呼ばれた方が楽でしたら、そう呼んでも構いません。私が先王殿下の代わりになることができるのなら」
それを聞くと息が詰まるような気がした。
レイブンとしてはどれだけ傷つけられるか見当もつかない。
「いいえ。どうしてそんな・・・。レイブン卿が殿下に似ているのが嫌なのに、どうしてそんなことができるでしょうか」
「この外見は好きではありませんが、王妃様のお役に立てるなら大丈夫です」
彼はまだ目を閉じていた、わざとそうしているかのように。
レイブンは低い声で話す。
「この前、王妃様はレイブンはひたすらレイブンだとおっしゃってくださいました」
「・・・」
「その言葉がどれほど嬉しかったか分かりません。誰も私にそんなことを言ってくれませんでしたから」
彼は優しく微笑んだ。
セーブルに似ているような気もするし、似ていないような気もした。
「皆が私を殿下の代替品と見ていたので、そのように生きようとしませんでした。でも、王妃様のためなら・・・」
彼はゆっくりと私の手を引いて手の甲にキスをする。
生きている人の唇らしく温かく柔らかかった。
「私が殿下の代替品として生きていくのも良いと思います」
「私は・・・」
開いた口が塞がらない。
断らなければならないのに、断らなければならないことを知っているのに・・・。
セーブルにとても会いたかった。
懐かしさが心を打ち砕く。
彼にそっくりなレイブンがそばにいるなら、彼がいてくれれば大丈夫。
・・・それでも彼はセイブリアンではない。
同じ顔で同じことを言っても、レイブンはレイブン、セーブルはセーブルだ。
似ている色でも決して同じ色ではない。
セイブリアンは誰にも代えられない唯一の色だから。
「そんなことを言ってくれてありがとう。でも、ごめんなさい。レイブン卿」
私は静かに手を引こうとした。
しかし、レイブンは手放さなかった。
その手つきに思わず眉をひそめる。
「レイブン卿?放してください」
「あ・・・」
彼がようやく私の手を離す。
そしてセーブルに似た顔で、全く違う笑みを浮かべた。
「すみません、王妃様。自分でも知らないうちに、つい・・・」
「大丈夫です。そろそろ式に行かないといけませんね」
私は席を立つ。
レイブンがエスコートしようとしたが、私は彼の手を握らなかった。
「先に行ってください、レイブン卿。少し心を落ち着かせたいので」
「私がそばにいた方がいいんじゃないですか?」
「いいえ、お気持ちはありがたいですが大丈夫です」
私は無理やり微笑んだ。
多分めちゃくちゃに歪んでいるだろう。
レイブンはしばらく躊躇った後、短い黙礼だけを残して立ち去った。
立ち去る彼の後ろ姿を眺める。
黒い髪に黒い喪服を着た姿は、なんとなく巨大なカラスのように見えた。
その時、誰かが小さく咳払いをする。
ミラードがこっそり入ってきた。
「王妃様、大丈夫ですか?」
「・・・はい、大丈夫です」
「式場にいらっしゃらなかったのでお迎えに来ました」
ミラードの声は淡々としていたが、目が赤く充血していた。
執務室ですすり泣いていた彼の後ろ姿が思い浮かぶ。
セーブルを失って悲しんでいるのは私だけではないだろう。
崩れてはいけない。
この国を守らなければならない。
私のこの国の王妃だから。
「ええ、準備できました。行きましょう」
私はミラードと一緒にゆっくりと葬儀場に向かって歩いた。
沈黙が気まずいので私は口を開く。
「ブランシュは先に到着していますか?」
「・・・はい」
あの子としては親の死を幾度も経験させてしまった。
ブランシュがどれほど傷ついたか見当もつかない。
一日中あの子を抱きしめて泣きたかったが、やるべきことが多すぎた。
ヴェリテがいてくれて、ただありがたかった。
レイブンを代わりにすることを拒んだアビゲール。
セイブリアンは本当にこのまま亡くなってしまうのでしょうか?