こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は252話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
252話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side カリン②
「カリン、私はもうアトランシアに戻らないといけないわ」
その鬱陶しい声にもカリンは淡々としていた。
「家族の元に帰るのですから、良いことです」
「・・・」
ナディアは答えず、ただ笑うだけ。
そうするうちに突然尋ねた。
「カリンは私が帰って嬉しいよね?」
「え?それはどういう意味ですか?」
「あなたもアビゲールが好きだから」
その言葉に、カリンは針に引っかかった魚のように驚いてナディアの方を振り返った。
誰も気づかなかった恋心。
そのはずなのにナディアがどうやって?
カリンは無理やり口を開いた。
「私は王妃様のことは好きではありません」
「好きでしょ?」
「好きではありません」
「じゃあ、私がアビゲールを拉致してもいいわよね?」
その言葉にカリンの顔が真っ青になる。
本当にアビゲールを拉致するのではないかと驚愕したためだ。
率直な反応が可愛くてナディアは声を出して笑う。
何だか揶揄われた気分になったカリンは不満そうに言った。
「どうせ拉致なんて出来ないじゃないですか」
「ええ、そうね。そう出来たらいいのに・・・」
ナディアの声には深い悔しさが滲み出ていた。
カリンは訳もなく髪を触る。
(ナディア王女が去ると知って喜び過ぎたかな?悲しむふりでもすれば良かった?)
これでも1ヶ月以上一緒に過ごした仲なのに。
(いいえ、気にする必要はないわ。どうせ内縁なのだから)
アビゲールがアトランシアに発つ想像をしながらどれほど戦々恐々としたことか。
カリンは気を引き締めて言った。
「良いことじゃないですか、家族と一緒に過ごせるのですから。ナディア様も地上は乾燥しているし、泳げないって嫌がっていたじゃないですか。だから・・・」
ペチャクチャ喋っていたカリンがナディアを見て言葉を切る。
彼女は驚いた目でナディアを眺めた。
ナディアは音もなく泣いていた。
目元に滲んだ涙が頬を伝って流れ落ちるかと思ったら、すぐに白い真珠に変わる。
スカートに真珠がぎっしりと積もっていた。
彼女の目から涙が流れ続ける。
この部屋を真珠で埋め尽くそうとしているかのように。
(泣いてるの?ナディアが?)
カリンはその事実にショックを受けていた。
そうするうちに思わずナディアに近づく。
「うぅ、泣かないでください」
ナディアがとても悲しそうに見えたからだ。
あれほど強い人が一人で迷子になった幼い子供のように泣いていた。
「カリンも私に帰ってほしいのでしょう?」
「いいえ、そうではありません。だから泣かないでください」
さっきまでは彼女が帰ることを切望していたが、こんな表情をする相手に帰ってほしいと願うのは違う。
ハンカチを取り出して涙を拭いてあげようとする。
しかし、すでに涙は真珠になったところだ。
ナディアはそれを見てニッコリ笑う。
そして、いつものように大声で笑った。
「あはは、あなた本当に馬鹿みたい。それでどうやって拭くの?」
カリンも自分のミスに戸惑ったようだ。
怒りのせいか恥ずかしさのせいか顔が赤くなり体を捻る。
「そうですね、私は馬鹿です」
「私の涙が欲しくない?」
ナディアは真珠を握り締めて立ち上がった。
残りの真珠はスカートから流れ落ち、四方に転がっていく。
「あなたにあげようか?」
ナディアが手に持った真珠を差し出すと、カリンはそれをチラリと見た。
あんなにたくさんの真珠を見るのは初めてだ。
美しかった。
あれでイヤリングとネックレスを作れば、どれほど多くの令嬢が羨ましがるだろうか。
欲がそっと顔を出すが、カリンはぶっきらぼうに言った。
「要りません」
「どうして?これって貴重なんでしょう?」
「悲しみの証を欲しがるほど、私は浅はかな人間ではありません」
ナディアはその言葉を予想できなかったのか、少し気が抜けていた。
彼女はニヤリと笑いながら尋ねる。
「私はあなたの恋敵よ。それでも?」
「恋敵」という言葉にカリンは当惑した。
ナディアが言ったように、二人は敵対関係だ。
それなのに、なぜナディアをなだめたかったのだろうか?
自分の心を辿っているうちに、カリンはアビゲールを思い出す。
あの時、アビゲールが言った言葉が今でも生々しい。
彼女が差し出した手の温もりは火傷の跡のようにハッキリしていた。
『同じ女性として令嬢がどれだけ困って恥ずかしかったか分かりますから。それで手伝いました』
『私はストーク公爵の娘です。それでも?』
『あなたが誰の娘であろうと関係なく、私は霊場を助けたと思いますよ』
アビゲールが同じ苦痛を経験したため、カリンを理解すると言ったように、カリンもナディアの心を理解した。
今ナディアがどれほど悲しんでいるのだろうか。
その失恋の痛みがどれほど大きいか。
その時になってようやく、自分がナディアをなだめたくなった理由が理解できた。
「あなたの恋敵なのに私を慰めてくれるの?」
「はい」
カリンはナディアにハンカチを差し出した。
そして自分の救いになった言葉をナディアに伝える。
『「あなたの苦痛が何なのか理解できますから」』
アビゲールの影響を受けて、カリンが素晴らしい令嬢に成長しましたね。
アビゲールの体が複数あればいいのにと思ってしまいます。