継母だけど娘が可愛すぎる

継母だけど娘が可愛すぎる【308話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。

今回は308をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【継母だけど娘が可愛すぎる】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

308話 ネタバレ

継母だけど娘が可愛すぎる【307話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 今回は307話をまとめまし...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • ナディアの決意

ナディアが窓を大きく開けると、窓枠に積もった白装束の雪がばたばたと降ってきた。

晩冬の雪。

天気がひしひしと暖かくなってきたので、すぐ溶ける雪。

彼女は窓枠に積もった雪を一握り握る。

海で見ることができないことの一つがまさに雪だった。

雪が降ってはいるものの、海に触れるとすぐに溶けてしまう。

人間の王国に留まり、多くのことを見て、多くのことを学んでいく。

海でなら見られなかった雪景色。

ナディアはここが気に入っていた。

それで長く滞在したかったが、最近は少し違う気がし始めている。

[ナディア、ネルゲンで魔導具製作を手伝ってほしいと要請した件は棄却された]

先日、グンヒルドからの連絡だった。

魚に残された声にはもどかしさと鬱憤が満ちていた。

[ネルゲンで物資を約調したが、まだアトランシアは人間に対する敵慎心が大きい。お母さんも反対されて。今のところネルゲンを助けることはできない]

グンヒルドがネルゲンの船を通過させたこともやはり、不満を持った人魚が多いと伝えられた。

ネルゲンで人魚狩人たちを捕まえ、密取引されていた人魚たちを保護するとしても、今まで流した血を簡単に忘れることができるはずがなかった。

両方の立場が理解できるので、ナディアとしては頭が痛い。

ネルゲンでの交流を要請しても、アトランシアで受け入れなければ何の役にも立たない。

それならどうすればいいだろうか。

自分がここにいるよりアトランシアに戻った方がいいかもしれない。

でも・・・。

(カリンを一人にして行ってもいいのかな?)

 



 

「何してるんですか?雪でも食べるんですか?」

カリンのぶっきらぼうな声が聞こえてきた。

後ろを振り向くと、カリンはフリルと高級生地がいっぱい入ったバスルドレスを着たまま、腰をまっすぐ立てていた。

アビゲールにプレゼントしてもらった服だ。

その姿を見ると、ナディアはふとカリンに向けられた人々のささやきが浮かんだ。

王妃の特恵を受けて宮に滞在しているが、カリンに向けられた宮の視線はただただ激しかった。

[没落したのに以前も今も同じように贅沢で厚かましいんだから]

[自分の父を自ら告発するなんて。ストーク公爵も娘を間違って育てたね]

[それに王妃様を魔女に追い込もうとしたんだって?本当に身の毛がよだつね]

カリンがあらゆる非難と危険を冒して真実を明らかにした人であることは誰も気にしていないようだ。

しかし、多くの人の非難にもカリンは動揺しなかった。.

高慢で傲慢な幼い悪女。

むしろもっと立派に装い、頭を上げたまま宮の中を闊歩した。

「一体いつまでそうしているんですか?本当に食べようとしてるんじゃないですよね?」

カリンの鋭い声にナディアは自分の手を見下ろす。

まだ溶けていない雪玉が握られていた。

彼女はにっこり笑って雪玉を突き出した。

「雪食べる?」

「貴族の令嬢はそんなの食べません!」

そう言って、カリンは頭をくるっと回した。

二人を眺めていたパノが何気なく尋ねた。

「カリン、貴族の職位は前回の裁判以降没収・・・カハッ!」

ナディアの鋭い拳がパノのみぞおちに突き刺さる。

床に倒れたパノを見下ろしながら、ナディアが噛みちぎれそうな声でうなり声を上げた。

「パノ、黙らないの?」

カリンは平気なふりをしていたが、そんなはずはなかった。

ナディアは毎晩カリンの泣き声を聞いている。

ところが、パノがその傷をつくことができず、乗り越えたのだ。

ナディアがもう一度みぞおちを打とうとした瞬間。

「はい、私は貴族ではありません。それが?」

カリンは大胆な顔でパノを見た。

厚かましい表情で。

「それくらいの爵位がないとしても、私は私です。私の品位は家門ではなく、私から出るものですから」

それから腕を組んだまま、傲慢にパノを眺める。

貴族だった時も、そうでない時も変わらない目つき。

その目つきにパノは思わず頭を下げる。

まるで目上の人に仕えるように。

「・・・失礼しました、カリン様」

「特別に許してあげます」

カリンは恩着せがましい態度だった。

ナディアは驚いた目でカリンを見てニヤリと笑う。

「なんで笑うんですか?」

「ちょっと考えが整理できて」

ここ数日、暗かった表情がようやく明るくなった。

ついさっきまでの悩みが落ち着いてきたような気がした。

「ありがとう。私、アビゲイルのところに行ってくるよ」

「ええ、いってらっしゃい」

なぜナディアが感謝しているのか、カリンは理由を知らない。

そんなカリンを後にして、ナディアはアビゲイルの執務室に向かった。

 



 

今日もアビゲイルは書類の山に囲まれていた。

忙しく何かを作成していたアビゲイルが突然頭を上げる。

「ああ、ナディア。いらっしゃいませ.何のご用件で来ましたか?」

「アビゲイルに会いたくて来たんだ」

二人は今ではかなり図々しく冗談を言い合った。

ナディアは机にどっかり腰を下ろし、王妃が持っている書類をちらりと見た。

一見すると、魔力不足によって魔導具をさらに減らさなけれはならないという内容のようだ。

その文書を見ると、もどかしさがまたこみ上げてきた彼女はアトランシアのせいにすることもネルゲンのせいにすることもできず第三者のせいにした。

「ああ、どうしてスレビエンで取引を中止したの?金づるの奴らがどうしてわけもなく取引をやめたのか見当がつかないね」

「そうなんですよ」

ナディアの言う通り、明らかに理由があるはずだが、アビゲイルもやはり推測されることがなかった。

なぜ彼らは取引を停止したのだろうか?

他の国とはまだ取引をしていると聞いている。

値段はかなり上がったそうだが。

それでも最大の取引相手はネルゲンだろう。

そのような大きな取引をやめたのには、確かに理由があるはずだった。

ベリテの記憶が戻ってきたら、何か手がかりをつかむかもしれないけど。

前回、彼女はナディアとヴェリテに対面させたが、彼女はヴェリテに気づかなかった。

話を聞いてみると、行方不明になった妖精王子とは面識のない間柄だそうだ。

『私もあなたとよく知っているわけではないので、名前くらいだけ知っている。オベロンというやつなんだけど、優れた魔力と実力を持っているらしいよ』

アビゲールは力なく笑った。

「スレビエンの意図がわからず、もどかしいですね。値段をもっと上げようとしているのかなとも思うし」

「そうかもしれない」

結局推測ばかりだ。

アビゲイルは少し困惑した笑みを浮かべ、ナディアが訪問した理由がまだ分からないことを思い出した。

「ところで、ナディア、何のご用件で来たのですか?」

ナディアもその時になって、自分がここに直接訪ねてきたことに気づいた様子だ。

しかし、言葉は出なかった。

何やら躊躇っている様子だ。

ナディアの夕日のような瞳がアビゲイルをじっと凝視して口を開いた。

「う一ん、ちょっとアトランシアに帰ろうかと思って」

その言葉にアビゲイルの顔が一瞬にして固まる。

予想外の用件に、狼狽が明らかになった。

「何かあったんですか?もしかして、誰かがナディアをいじめたり、過ごすのに困難がありますか?」

「いや、そんなことはないよ。ただ、ここに留まるより、アトランシアに行った方が両国に
とってプラスになると思って」

気持ちとしてはここに滞在しながら交流を進めたかったが、アトランシアを説得するのが先のようだった。

「私が直接帰って元老たちを懐柔したほうがいいと思う。グンヒルド姉さんがいるとはいえ、一人よりは二人の方がいいだろう」

「でも・・・」

大局を考えればナディアの判断が正しい。

しかし、アビゲイルは簡単にそれを肯定することができなかった。

アビゲイルはナディアがアトランシアに帰りたくないことをよく知っている。

名残惜しさと申し訳なさのために声が曇った。

敏感な人魚はその感情の気流を読んだ。

ナディアは貪欲な表情を浮かべていた。

「タダじゃないよ。私にも条件がある」

「何ですか?話してください」

「私がいない間もカリンの侍女職を維持させてくれ」

ネルゲンを離れる気になれない理由の一つは、まさにカリンだった。

カリンの宮殿での地位は非常に危険な状態だ。

王命の下で保護されているが、ナディアが去ればまたどうなるか分からない。

今日、カリンの強靭な姿を見ると、やっと安心したが気になるのは同じことだった。

アビゲイルはその要求にうなずく。

微塵の迷いもなく。

「頼まなくても、当然すべきことです」

その答えにナディアはにっこりと笑う。

胸をいっぱいにしていた悩みが消えるようだった。

自分がアトランシアの頑固な元老たちは説得できるだろうか、両種族は交流できるだろうか。

そんな心配があったが、不安は海に触れた雪のように溶けてしまった。

ここにアビゲイルがいる限り、いつかは叶うという信頼だけが残っていた。

それなら、自分は自分だけができることをすればいいのだ。

ナディアは机からさっと降りる。

「よし、じゃあ、私がいない間にカリンをよろしく頼むよ」

それから、おどけたように投げキッスをなびかせた。

ナディアは魚が自由に泳ぐような格好で執務室を抜け出していく。

 



 

カリンの貴族らしい姿に安堵しました。

ナディアは一旦アトランシアに戻るようです。

カリンが寂しがらないでしょうか?

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