こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は309話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
309話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 魔力不足の問題
ナディアとパノが宮殿を出てから一日が過ぎた。
たった一日が過ぎただけなのに、宮の中が静かになったようだった。
いつも陽気に笑っていた声がもう懐かしくなるとは。
ブランシュも少し寂しい顔でつぶやく。
「ナディア様と一緒に誕生日パーティーしたかったのに・・・」
「そうね・・・」
ううう、もう少し後で行けとしがみついたかったが、みっともないので我慢した。
残念な気持ちもあったが、心配が大きかった。
この前、グンヒルドがナディアを引っ張っていこうとしたように、アトランシアでナディアを捕まえて永遠に行かせなかったらどうしよう。
一日も早く人魚と人間が交流をすればいいのに。
ため息ばかりついていると、ベリテが私たちをなだめるように言った。
「すぐ戻ってくるよ!そしてナディアが素敵な誕生日プレゼントを送ってくれると言ったじゃないか」
ナディアはアトランシアからたくさんのプレゼントを送るので楽しみにしていてほしいと言った。
ベリテはわざと陽気なふりをして話し続ける。
「早く説得して人魚を連れて帰ってくれば、魔力の問題も解決するはずだから。それでナディアも早く出発したんだし」
ブランシュはその言葉にそっと頭を上げた。
ついさっきまで流麗に話していたベリテが、口をつぐんで、少しはっとした様子で言った。
「そ、それにナディアはいなくても、私がずっとあなたのそばにいるから」
こいつ。
ニッチな営業がとても細かいね。
私は、もし邪魔になるのではと、息をのんだまま二人の子供を眺めた。
あっ、こういう時にポップコーンがないといけないのに。
少しいじけていたブランシュは、ベリテの話を間いて驚いた様子となった。
しかし、嫌なことではなかったのか、桃色に頬を染めてはニコリと笑う。
「うん、ありがとう。ベリテがそばにいてくれてとても嬉しい」
私もあなたたちが大好き!
2人のピンク色の恋愛戦線を特等席で見る気分が格別だった。
ブランシュはベリテをどう思っているのかな?
ベリテが嫌いなわけではないと思うけど。
二人は同じ気持ちかな?
照れくさくてむずむずした空気がただただただ甘かった。
さらに2人でいちゃつくかと思ったが、ブランシュはすぐに真剣な顔になる。
「それでもナディア様が早く帰ってこなければならないのに。その時まで魔法館の魔法使いたちが耐えられるか心配」
う一ん、こんな部分は自分の父親にそっくりなんだから。
このような中でも国のことを心配するのがそっくりだ。
ナディアが去ると、予想通り魔法官は魔力不足の問題に直面した。
これまでナディアとパノが少なからぬ量の魔力を配っていたためだった。
気持ちとしては私の魔力を与えたいが、どうしようもないだろうか。
ブランシュは深い苦悩の色を浮かべている。
ベリテが困った目つきでブランシュを眺めながら、やっと口を開いた。
「それじゃあ、私が魔法官の仕事を手伝ってあげようか?私の魔力を配ればいいから」
ベリテならきっと大きな助けになるはず。
しかし、ブランシュの表情はすぐには明るくならなかった。
「ベリテ、あなたの魔力については隠すことにしたじゃない」
その通りだった。
魔法館の魔法使いたちにベリテを紹介したが、魔力については多くのことを隠している。
ベリテの魔力が異質であるためだ。
魔力の種類、魔力の量、魔力の数、いずれも人間を遥かに超える範疇だった。
白と水色の魔力はいずれも特異な魔力に属している。
魔力の量も多い上、二種類の魔力を持つケースはごく稀だという。
こいつ、高性能鏡の時から調べなければならなかったのに。
とにかくいろいろな面で目につくので、ベリテは白い魔力をほんの少しだけ持っている程度に紹介しておいた。
こんな状況で魔法官を助けるのは危険なんじゃないかな。
ベリテもその事実を知っているはずだが、ただ微笑んでいるだけだった。
「ほんの少しだけ手伝ってくれれば大丈夫だと思う。だからブランシュは心配しなくてもいいよ。分かった?」
ブランシュがためらう様子でうなずくと、ベリテは何がそんなに良いのかにこにこ笑った。
ふぅ、うちの子のことをあんなに気にかけてくれるなんて。
やっばり見れば見るほどいいんだけど・・・。
そうするうちにふとベリテが私を振り返った。
「王妃様、話が出たついでに今すぐ魔法館に行こうかと思うんだけど、行ってきてもいい?」
「私も一緒に行くわ。私もダリアに話があるし」
ダリアに魔女裁判の件で感謝の挨拶を伝えようとしていたところだった。
最近、余裕がなくて行けなかったんだけと。
ブランシュも私たちについて行きたがっていたが、すぐに授業が始まって仕方なかった。
ダリアによろしくという頼みとともに、私とベリテは魔法館に向かう。
数多くの木の間に位置した魔法館は、どの季節に立ち寄っても静かな味があった。
まるで異世界の入り口に立ったような、心地よい恥ずかしさが感じられる場所。
・・・だったのに。
「ああ、王妃様。訪問してくださって本当にありがとうございます」
魔法館のドアを開けて私たちを迎えてくれた魔法使いの顔がぼんやりしていた。
両まぶたには濃いクマが垂れ下がっている。
見慣れない魔法使いから見慣れた会社員の香りが感じられた。
彼はよろめきながら頭を下げた。
「こんな格好で申し訳ありません。何日も徹夜中でして・・・。こちらへご案内いたします。まもなく使用人が紅茶を用意しますので」
て、徹夜だなんて!
あまりにもひどい言葉だった。
仕事がとても忙しい時、家に帰ることもできずに事務室の片隅でぐっすり寝ていたことを思い出してしまう。
涙が目の前を覆う。
しかも、顔にクマをつけている人がその魔法使い一人だけではなかった。
すれ違いながら見る魔法使いたちは皆、ダークサークルが頬まで流れ落ちる勢いだ。
そしてその間に・・・あれ?
「カリン?」
憔悴した魔法使いたちの間に異質な少女が一人立っていた。
派手な金髪とドレス。
カリンだ。
彼女もここで私に会うとは予想していなかったように目を丸くする。
「王妃様、お目にかかれて光栄です。お元気でしたか?」
カリンは優雅に挨拶をした。
顔に影一つなくただ明るく、見る私さえも心が楽だった。
宮の視線とナディアの空白のせいで困るのではないかと思ったが、本当に幸いだ。
「はい、おかげさまで。カリンはここに何の用事で来ましたか?」
「ああ、ナディア様が去る前に涙の真珠を与えて行かれて。それを伝えに来ました」
彼女は持っていた皮のポケットを一つ持ち上げる。
見るだけでも重そうに見えるのが、かなりの量の真珠が入っているようだった。
「人魚の涙が足りない魔力を代替してくれると聞いて・・・。ナディア様が昨日たくさん泣いて行きました」
その言葉を間くと、ナディアの不在がさらに濃く感じられた。
行く途中でもただ優しいナディアだった。
カリンの声にも寂しさがにじみ出ている。
これまで二人が一緒に過ごしてきたから、寂しいこともあるだろう。
私は静かにカリンの肩を慰めた。
「カリン、ナディアが去った後、とても寂しいでしょう?でも、すぐ戻ってくる・・・」
「はい?いいえ、全然寂しくないですよ?」
カリンは何を言っているのかというように私を見た。
何だろう、この反応は?
さっき寂しがってたんじゃないの?
カリンはそんな私の心を読んだかのように、鼻を鳴らしながら言った。
「ナディア様が行くと、宮が静かになっていいですね。いい魔力補充員だったのに、行ってしまったら残念ですけど」
そ、それで寂しそうに見えたの?
この2人は仲が良いのか悪いのかよく分からなかった。
そんな中、カリンがこっそりと真珠を一握り取り出して私の手に握らせてくれた。
「王妃様、今暖炉を使っているそうですね?これで魔導具を補充して使ってください。照明も補充して、やりたいことを全部やってください」
「いや、これナディアがくれたものなのに、貰ってもいいんですか?」
「私たち二人で秘密にすればいいんです」
囁くわりには見る目が多かった。
私の後ろに立っているベリテが妙な目で私たちの横領を見守っているのが感じられる。
国の有望株にこんな格好を見せることはできない!
私は真珠を返した。
「私は大丈夫です。私よりは魔法館の魔法使いたちにもっと必要になるでしょう」
「ちい・・・分かりました。私の涙も真珠ができればいいのに」
ぷんと拗ねた姿が可愛くて、私はただ笑った。
その時、階段の方から緊迫した足音が間こえてきた。
ダリアのドタバタした声とともに。
ああ、カリンと話したいんだけど、もう行かないと。
私はカリンの手をしっかり握って言った。
「今、お茶でも飲みたいのですが、用事がありまして。近いうちに席を作ってみます」
「はい、王妃様。またお会いしましょう」
カリンと挨拶を交わした後、私たちは魔法使いの案内で応接間に入った。
しばらくしてダリアが私たちの後を追って中に入ってきた。
彼女は丁寧に挨拶をする。
「いらっしゃいませ、王妃様。運命の星が私たちを導いて再会することになったことに感謝を申し上げます」
う一ん、久しぶりに見るけど話し方は相変わらずだね。
彼女もまともに眠れなかったのか、顔がやつれていた。
それでも彼女は白く笑った。
「裁判が無事に終わって本当に良かったです」
「そうですね。ダリアが苦労して準備した証言が出る機会がなかったのは残念ですが」
魔女裁判の前に、私は自分の無罪を証明する証拠を懸命に準備していた。
最も力を貸してくれたのはダリアだ。
ダリアは私を取り巻く疑惑が魔法のように合わないという事実をまとめてくれた。
「いいえ。そもそも話にならない噂でした。人を蘇らせる魔法に、心を惑わす魔法なんて。大魔法使いもそんなことはできないでしょう」
当時、魔法使いたちが私の噂を聞いて呆然としたという話も浮び上がった。
ダリアはかすかに笑う。
「それに王妃様には魔力がなかったので、最初から不可能なことでした」
「はい、そうですね」
私はその善良な笑いを見て、ぎこちなく一緒に笑う。
うぅ、ダリアを騙したのがちょっと申し訳ないが、仕方なかった。
裁判中の最悪の状況は、私の魔力がばれること。
そのため、我々は事前に魔力を偽造することにした。
魔力を偽造するには、ベリテとセーブルの助けが大きかった。
ベリテの変化魔法を利用して、セーブルが私のふりをして魔法館に訪れたのだ。
その時、セーブルがアビゲイルの姿を借りては途方に暮れていた。
その姿が本当に可愛かったのに。
ふむ、とにかく結果的に私は魔法官の魔法長によって魔力がないという認証を受けた。
ダリアは黒い魔力ではないにもかかわらず魔女として群がって死んだ人が多いという事実を憂慮した。
しかし、いずれにせよ無事に終わったので幸いだ。
「レイブン様も本当にほっとしました。裁判の時、レイブン様が証人として出ようとしたりもしましたから」
「・・・レイブン卿がですか?」
レイブンが証人になろうとしたって?
ダリアはうなずいて優しく笑った。
「はい。レイブン様があらゆる書籍と論文を探し、王妃様の無罪を証明する内容を一つ一つ整理しました。たくさん助けてもらいましたよ」
へえ、そうだったの?
ちょっとびっくりした。
裁判の前も、裁判の後も、そんなそぶりは少しも見せなかったのに。
陰で熱心に手伝っては恩着せがましくないとは。
そんな点は兄弟二人がかなり似ているね。
今度機会があれは謝礼でもしよう。
何で恩返しすればいいか分からないけど。
ナディアがどうやって涙を流したのか気になります・・・。
カリンの元気は見せかけ?
久しぶりのダリアの登場ですが、ヴェリテは何と伝えるのでしょうか?