こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は90話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
90話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ヒ素中毒
教授は色にまつわる話を講義の合間に聞かせてくれたりした。
中にはオフィメントに関する話も。
オフィメントとは色の名前でもあり、鉱物の名前でもある。
この鉱物を挽いて作った顔料もオフィメントと呼ばれるが、古代エジプトやギリシャ、ローマでも使用されるほど歴史が長い。
「王の黄色」という別称からも分かるように、金のような色で煌めくため、多くの人々の関心を集めた。
しかし、決してオフィメントは金にならない。
金のように輝くが、金より遥かに価値が落ちる。
改めてレイブンの境遇と似ていると思った。
王の息子だが王にはなれないレイブン。
絢爛と輝く金色がなんとなく悲しく見えた。
その他にも、オフィメントについて様々な話を聞いた。
鉱物があまりにも弱いので、光を浴びるとすぐに変色したり、ファンも入っているので匂いも良くない。
「肌はチクチクするし、私ならもっと有能な・・・。あれ?」
ベッドからぱっと立ち上がる。
オフィメントについての話をした後、教授はいくつかの色について教えてくれた。
稲妻が私の頭を通り抜けるような感覚に。
そして同時に一つの仮説が浮かび上がった。
いや、単なる仮説とみなすには状況があまりにも酷似している。
私は慌てて部屋の中を見回した。
レイブンが座っていたソファ。
私が使っているブラシ。
プレゼントで貰ったドレスの色。
瞬く間に鳥肌が立った。
私は急いで部屋の外に飛び出す。
「ど、どうしたの?」
ヴェリテが声をかけたが、答える暇がなかった。
背後で何かを叫ぶ主治医も、侍女も無視したまま廊下を走り去る。
走れば走るほど無力感と吐き気が一層鮮明に感じられる。
私はいつの間にかセイブリアンの執務室の前に到着していた。
そして、その勢いのまま扉を開けた。
中にはセイブリアンとミラード、ストーク公爵が。
ストーク公爵は私を見て不愉快そうに顔を歪める。
けれど、彼の表情など知ったことではなかった。
「セイブリアン殿下!」
急いでセイブリアンの近づく。
彼もミラードや公爵のように驚いていたが、拒否感はなさそうだ。
「アビゲール、どうなさったのですか?」
「緑色、緑色です!」
私の言葉にセイブリアンは訝しげな表情を浮かべる。
彼は私の両腕を掴んで宥めるように口を開いた。
「ゆっくり説明してください、アビゲール。緑色がどうしたというのですか?」
興奮と焦りのために言葉がまともに出てこない。
セイブリアンが宥めてくれたおかげで、私は辛うじて落ち着くことができた。
「流行病の原因です。流行病の原因はヒ素中毒です」
「ヒ素?毒で使われるアレですか?ですが、どうしてあんなに多くの人がヒ素中毒になるのですか?」
「最近流行っている緑色顔料にヒ素が含まれているのです」
オフィメントにファンが含まれているように、以前使われていた顔料の中には有毒物質が含まれているケースがかなり多かった。
そして、その中にセレグリーンがある。
登場するや否や大勢の人々から愛された緑色顔料。
ドレスだけでなく壁紙にも使われ、食用色素にも使われた緑色。
その緑色に大量のヒ素が含まれていることは、長い期間を経過して明らかになったのだ。
多くの人が死ぬまで。
「すぐにその顔料の使用を禁止させて、みんなに知らせなければなりません!使用された製品はすべて回収するように命令を下してください!」
私の叫びに静寂が訪れた。
3人はみんな驚いた表情で私を眺めている。
その中で一番最初に口を開いたのはストーク公爵だ。
彼は軽く笑いながら言った。
「王妃様、体調は大丈夫なのですか?」
私の安否を尋ねるように聞こえるが、それは明らかな嘲笑だ。
「顔料が原因で流行病が発生するなんて、かなり荒唐無稽な話ですね」
「荒唐無稽でも真実です」
公爵を睨みながら話すと、彼の口元から少しずつ笑みが消え、彼は固い表情で尋ねてきた。
「証拠は?」
「証拠?証拠なら・・・!」
その瞬間、私は言葉を失う。
興奮が収まって理性が戻ってきた。
証拠がない。
セレグリーンにヒ素が入っているということは、私の前世の知識に過ぎない。
この世界で流行している緑色顔料がセレグリーンであるという保障はないのだ。
もしその緑色顔料がセレグリーンでなければ?
他のことが原因ならば?
私が黙り込むと、ストーク公爵はこれ見よがしにヘラヘラ笑う。
あまりにも性急だった。
証拠を探してから来るべきだったのに・・・。
「病気のせいで少し混乱しているようですね。ご自愛下さい、王妃様。もう帰って休んでくだ___」
「流行病によって死んだ最初の患者は、造花製造工だと話していた」
セイブリアンの声がストーク公爵の言葉を遮る。
ぼんやりしたまま彼を見上げると、彼の顔はいつものように淡々としていて冷徹だった。
ミラードの顔に映った疑心、ストーク公爵が抱いている嘲弄などは映っていない表情で。
前世の知識が役立ちました!
しかし、それを証明できる証拠はありません。
セイブリアンはアビゲールの言葉を信じてくれるのでしょうか?