こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は56話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
56話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 真の目的
その後、皇居には微妙な雰囲気が漂っていた。
空を突くようだったアリエル公女の勢いがポキッと折れてしまったのだ。
マリに以前のように無闇に接しないのはもちろん、気が挫けたのか、とても静かだった。
そんなアリエルを見てレイチェルは心の中で微笑む。
「ショックをたくさん受けたみたいね。計画通りだわ」
あの時、彼女が庭でアリエルを煽ったのはマリを狙ったものではなかった。
むしろアリエルを狙った陰謀だ。
マリに触ろうとすれば皇太子がじっとしていないことを見抜いたため。
「実際、家門の威勢を除けば、アリエル公女は私の相手じゃない。問題はマリよね」
レイチェルは悩みに耽った。
「きっと二人の間には何かがある」
単に皇居に出回る恥ずかしい噂のためだけではない。
以前から彼女はマリと皇太子を観察していた。
西南部でのことだけではなく、二人は何か変だった。
単なる主人と侍従の関係とは考えられない。
「正確には、皇太子がマリを見る視線が気になるのよね」
根拠のない考え方ではなかった。
じっと注意深く見てみると、マリを眺める皇太子の目つきは、他の人を眺める時とは明らかに違っているのだ。
「もしかしたら皇太子が私たち二人の候補のうち誰にも関心を持たないのはマリのせいかも」
レイチェルは自分の推測に確信を持っていた。
「もちろん皇太子がどんな気持ちを持っていようが、関心はないけれど」
実際、彼が誰を気にしているのかは関係ない。
レイチェルが望むものは彼の心ではなく、皇太子妃の席なのだから。
彼が心の中に誰を入れていようが、彼女としては皇太子妃になれたら大丈夫だった。
しかし、問題がある。
「マリのせいで、皇太子妃が選ばれないかもしれないという感じがするんだけど」
レイチェルは自分の考えに呆れて苦笑いした。
根も葉もない捕虜出身なんかが自分のライバル?
面白くもない話だ。
しかし、根拠のない不安ではない。
皇太子妃を選ぶ権限は皇太子の手にかかっているのだから。
冷徹で極めて計算的な皇太子がマリを選択する「事故」を起こすと思えないが、男女間のことは最後まで分からない。
「本当に私でもアリエルでもない、侍女のマリが皇太子妃になるはずないわよね?」
レイチェルは首を強く振った。
「ダメよ、私は皇太子妃にならなければならない。イーストバーン伯爵家の「真の目的」のために」
彼女が隠している「真の目的」
西帝国のヨハネフ三世と関連したその目的のために、彼女は必ず皇太子妃にならなければならなかった。
「不確実な要素があるとしたら」
レイチェルは静かに呟く。
「手段は選べないわ」
シュレーアン大公家によって保護されているアリエルと違って、マリは手を出すのが難しいわけではない。
「そういえば、ヨハネフ三世陛下から頼まれたことがあったわ。その事と繋げれば」
レイチェルは妙案を思いついた。
ヨハネフ三世の頼みを聞き入れながら、同時にマリを没落させる。
彼女は紙の上にインクで手紙を書いた。
そしてその手紙を密かにどこかに送る。
一方、妙な雰囲気が漂うのは二人の皇太子妃候補だけではない。
皇太子の雰囲気も変だった。
「殿下?何か良くないことでもありますか?」
「違う」
マリが訝しげな声で尋ねたが、ラエルは寝ている首を横に振るだけで何も話さない。
しかし、引き続き機嫌が悪そうに見える。
(何だろう?特に国政で良くないことはないはずだけど?)
彼女は知らなかった。
皇太子の機嫌が悪い理由が彼女のせいだということを。
いいや、正確に言えば、キエルハーンが残した言葉のためだ。
『もし本当にマリちゃんを大事にしていないのなら、曖昧な態度はやめてください』
彼が残した言葉がラエルの心を果てしなく掻き分けていた。
「・・・私も決して軽い気持ちじゃない」
皇太子の呟きにマリが反応する。
「殿下?」
「あ、違う。気にしないように」
慌てて首を横に振る彼を見て、マリは怪しそうな表情を浮かべた。
とにかく、そうして数日間の時間が経って、ある夜。
マリは夢を見た。
彼女に能力を与える神秘的な予知夢を。
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「急いで!警察が来る!」
「ははは。何をそんなに焦っている?この金庫は丈夫に作られているが、ほとんど解除できたよ」
金庫を割る泥棒の夢。
なんで泥棒?
マリは夢を見ながら慌てた。
いや、今までありとあらゆる夢を見てきたけど、嘘も下手な自分が泥棒!?
私泥棒はしないわ!
私が泥棒だなんて!
夢を見ると必ず関係のあることが起きる。
だから自分が今度は泥棒になることもあるのだ。
いっそ起きよう!
夢から覚めれば!
マリは目を覚まそうとしたが無駄だった。
彼女の努力とは関係なく、夢の内容は進み続ける。
「ふむ、今回の金庫は簡単じゃないね。とても丈夫に作られている」
「警察がもうすぐ来るって!」
「待ちなさい。何をそんなに焦っている?あ、もうすぐだね」
金庫を破る夢の中の人物はとても変わっていたが、スラリとした身長に魅惑的な外見をしていた。
彼は緊迫した状況の中でも余裕を持って金庫を解体している。
カチリ。
やがて金庫のドアが開き、中に入っていた奇妙な模様のネックレスを泥棒が手にした時、邸宅の中に警察が入ってくる音が聞こえた。
「終わった!私たちは逮捕されるよ」
仲間の泥棒は青ざめて叫んだが、男は依然として余裕のある口調で話す。
「何をそんなに心配している?」
「け、警察が」
男はニヤリと笑った。
「心配するな。地中に消えたり、空に消えたりすればいいのだから。私たちは方法を知っているだろう?」
そして大怪盗と呼ばれる男が手を伸ばす。
「私を信じるように」
レイチェルの「真の目的」が気になります。
彼女はどんな行動を起こすのでしょうか?
マリが見た夢の内容も気になりますね。
今度の能力は怪盗?