こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は82話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
82話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 天上の音楽
「よろしくお願いします、フォン・ヒルデルン」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
壇上に上がったマリはそっと頭を下げて挨拶した後、ピアノの前に行って座る。
人々は、果たして彼女がまともな演奏をすることができるのか疑問に思った。
「始めます」
しかし、彼女が最初のピアノ鍵盤の音を押した瞬間、人々は自分たちの考えが無駄な杞憂だったことに気づく。
清らかで心を浄化させてくれるような音色が宴会場に響き渡った。
「あ・・・」
まるでの天使のアリアのような透明なメロディー。
青い湖に日差しが輝くように、新芽に芽生えた露が落ちるように、清明な音がピアノの鍵盤を通じて流れ出た。
「こんな美しい音が・・・」
人々は思わずその音色に浸り、まもなく楽章バハンの指揮とともにオーケストラ団の音楽がその間に流れ込んだ。
(やっぱりすごい)
バハンは指揮棒を振りながら考えた。
(どうやったら、こんな旋律を)
実際、今回の協奏はバハンが考案したサプライズイベント。
以前からマリの実力に憧れていた彼は、彼女に教えられたがっていたが、色々な面で忙しいマリの事情で実現できなかったのだ。
それで思い出したのが彼女との共演。
教えてもらう代わりに彼女と演奏を一緒にしたかったのだ。
バハンの考えは大成功だった。
今や、彼は彼女との演奏を通じて至極の高揚感を感じていたから。
(すごい・・・。これこそ天上の音楽)
宴会場で音楽を聴く聴衆も同じ高揚感を感じていた。
清らかに始まった音色はテーマを重ね、次第に深い意味を増していく。
透明ながらも深く、まるで天使たちの合唱のような音が宴会場内を埋め尽くし、人々は天上に招待されたような感覚を受けた。
天国の音を聞くような歓喜。
オーケストラの音楽を背景にピアノはクライマックスに向かって進み、オクターブを行き来する華麗な技巧は人々に向かって絢爛たる祝福を与えた。
パチパチパチ!
そうして演奏が終わり、雷のような拍手が宴会場を埋め尽くした。
この場が新年の宴会でなかったら爆発しそうな歓声が響いたはずだ。
マリは少し上気した顔で立ち上がり、聴衆に挨拶した後、キエルの隣の席に戻った。
「最高です。私の生涯で最高の音楽でした」
キエルが耳元で彼女に囁く。
心のこもった褒め言葉に、マリは照れくさそうな表情を浮かべた。
しばらくしてから人々は演奏の余韻から抜け出すことができ、宴会が続く。
「それでは皆で楽しんでくれ」
皇太子が公式手続きが終わったことを知らせ、すぐに本格的な宴会が始まった。
人々は新年の始まりを記念して夜遅くまで食べたり飲んだりするだろう。
そんな楽しい雰囲気の中で意外な注目を浴びる人がいた。
まさに立派な演奏を成し遂げたマリだ。
人々が彼女に近づき、感嘆の言葉を伝える。
「今回の演奏は本当に感動的でした」
「はい、本当に素晴らしかったです」
「今度また演奏を聞くことはできないでしょうか?」
マリは大勢の人たちが自分を取り囲むと、ぎこちない表情を浮かべた。
いつも自分を隠していた彼女は、このような状況に慣れていなかったのだ。
そのように彼女に近づいてきた人々の中で、思いもよらなかった人物がいた。
「素晴らしい演奏でした」
黒髪の美しい美女、アリエル公女。
マリはアリエル公女に驚いて頭を下げる。
「聞いてくださってありがとうございます、公女殿下」
「本当に素晴らしくて感動的な演奏でした。こんな腕前があったのに、今までどうして隠していたのですか?」
マリはじっと笑うだけで、答えられなかった。
アリエルは鳥の羽で飾った扇子を広げ、意外な提案をしてくる。
「今度我が家の邸宅でティーパーティーがあります。もしお考えでしたら参加されませんか?」
マリが瞬きをした。
聞き間違えたのか混乱したのだ。
(アリエル公女が私を?)
アリエルがすぐに答えなかったので、扇子で顔を覆っていたアリエルが眉をひそめる。
「嫌なら来なくてもいいですが」
「あ、いいえ!必ず参加します!」
「無理に来る必要はありません」
「無理ではありません。招待してくださってありがとうございます」
アリエルはふんと鼻を鳴らし、背を向けて立ち去っていく。
自分がマリに先に手を差し伸べたのが恥ずかしい様子だった。
マリはそんな彼女の背中に向かって話しかける。
「公女殿下!招待していただき、改めてありがとうございます」
「・・・招待状を送るから必ず来てちょうだい」
その姿を見ていたキエルが微笑んだ。
「アリエル公女と親しくなったようですね」
「そうなのでしょうか?」
親しくなったのかは分からないが、関係に変化があるのは事実だ。
おそらく狩猟場での危機を共に経験したからかもしれない。
「マリちゃん」
「え?」
考え込んでいると、キエルが彼女に言った。
「私と一緒に踊っていただけませんか?」
アリエル公女のデレが可愛いですね!
キエルのダンスのお誘いに、マリはどう答えるのでしょうか?