公爵邸の囚われ王女様

公爵邸の囚われ王女様【58話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。

今回は58をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【公爵邸の囚われ王女様】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となって...

 




 

58話 ネタバレ

公爵邸の囚われ王女様【57話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。 今回は57話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 苦い過去

グレゼカイアでクラリスの兄はとても立派な紳士として有名だった。

王家にふさわしい金髪に、空に似た青い瞳はそれこそ「王子様」という単語を人に転生させたように見えると皆の賛辞を受けた。

その秀麗さに加えて絶対者の席が予約された未来が合わさると、貴族たちは先を争ってその前に自分の娘を披露したりした。

目的は王子との結婚だが、そうでなくてもただ美貌で目立つことだけを望む人もいたが。

王様が代々奥さんや妾を何人も置くのはよくあることだったから。

クラリスが7歳になった頃。

彼女のお兄さんは16歳で、いつの間にか青年に近い雰囲気を漂わせていた。

王が健康問題でそろそろ5年間にわたる譲位準備を始める頃でもあった。

彼は父の命令に従って首都と地方の貴族たちによく会っていたが、貴族たちはその機会を逃さずに、必ず自分の娘を挨拶させた。

女性に関心が高い時代の王子は、そのような貴族の行動をあまり嫌がらなかった。

いや、むしろ気に入ったお嬢さんがいたら、礼法も考えずに勝手に二人きりでいようとした。

この暴れん坊のような行動が貴族たちの「娘のお披露目」をより一層煽るのは当然だった。

グレゼカイア王室にこのように人が溢れていた時期にもクラリスは一人だった。

彼女の世話をする下女たちは、朝と夕方に食事とお風呂のお湯を渡すだけで、優しく声をかけることはなかった。

自分が寂しいことさえ知らなかった時間だ。

雨が降った秋の日、いつも静かだった彼女の離宮に一人の女の子が訪ねてくるまでは。

 



 

部屋の中でおとなしく砂利を積み上げていたクラリスは、自分の部屋の窓越しに何か変なものを見つける。

「うん・・・?」

茶色の頭頂部が見えて消えることを繰り返すことを何度か。

好奇心旺盛なクラリスは、すぐに雨が降る窓際に近づいた。

毎回キーツと音がする踏み台を踏んで上がってみると、軒下に立って雨宿りする女の子が一人見えた。

子供は可愛いツインテールに白いレースがいっぱいついたドレスを着ていた。

同年代の子供をこんなに近くで見るのは初めてだったので、クラリスは一瞬言葉を失ったまま女の子をじっと見つめるだけだった。

窓越しに顔を上げた子供が何と声をかけてきたではないか。

しかし雨の音と固く閉ざされたドアのせいで声が聞こえなかったので、クラリスはすぐに重い窓を上に持ち上げて開ける。

「こんにちは!」

雨と共に訪ねてきた少女が先に挨拶をした。

クラリスはこのような普通の挨拶を交わすのがとてもぎこちなかったので、頬を赤らめたままやっと勇気を出して答えた。

「こ、こんにちは」

すると少女がニッコリと笑う。

「あなた、ここに住んでるの?」

クラリスはうなずいた。

「私は父と一緒に来たの。馬車に乗ってね」

「あ・・・」

クラリスはとても悲しそうな表情で子供を見る。

お父さんと一緒に馬車に乗るなんて。

少女がとても可哀想だった。

クラリスは父親と同じ廊下に立っているだけでも、怖すぎて両足が凍ってしまうほどなのに。

「ところで、あなた、傘持ってる?」

「か・・・傘?」

「知らないの?こんなに大きくて、空を隠してくれるの」

傘が何かは知っている。

下女たちが使うのを見たから。

しかし、クラリスがそんな不思議な物を持てるとは思わなかった。

「さ、探してみる」

クラリスは生半可に答え、足場から降りる。

「傘、傘、傘」

その言葉をつぶやきながら自分の部屋を出て、少し暗い廊下を通った。

ちょうど入り口近くに黄色い傘が見えた。

女中が置いていったのかな?

「何を勝手に触っているんですか?」

後ろから聞こえてきた声にクラリスは驚いて振り返る。

目が鋭い下女の目つきには、なぜか自然に肩が縮こまった。

「・・・傘を」

「どうせ出かけない方が傘で何をするつもりですか?」

「そ、それでも」

クラリスは傘を両手で握ったまま、女中を切実に見上げる。

初めて誰かに頼まれたが、できれば助けてあげたかった。

「ご自由にどうぞ」

「本当?」

クラリスは嬉しそうな顔で頭をさっと上げる。

「えぇ、どうせほとんど壊れてるわけですから」

下女は面倒くさそうに答えては忙しいと言ってどこかへ行ってしまった。

クラリスは傘を持って自分の部屋に駆け寄り、足場に戻る。

クラリスは長い傘を窓の下に押し出した。

「これ!」

傘を見つけた少女は、飛び上がるほど喜び、とても明るい笑みを浮かべてくれた。

傘を貸して以来、クラリスはともすると少女が現れた窓を眺めるようになった。

(ここにまた来てくれるかな?)

クラリスは鮮やかなあの日の記憶を取り出し、何度もなでた。

その度になぜか心臓に小さなポケットが膨らむような気分で、呼吸がますます難しくなるほどだった。

「また会えたらいいな。そうだったらいいな」

クラリスは自分の心を満たした感情の名前も知らずに窓の周りを離れることができなかった。

そのように一人で膨らませた心が爆発してしまいそうだった3日目の日。

クラリスは窓のところに黄色い傘が揺れているのに気づいた。

「・・・!」

待ちに待ったのに、クラリスはすぐに窓際に走って行けなかった。

緊張と驚きで凍りついた橋を辛うじて動かし、つい自分の足にかかって倒れたりもした。

よろめきながらどたばたと到着した窓際で、クラリスはやっと窓を開ける。

外にはあの日の少女がいた。

雨が降った日のように綺麗な姿で。

「こんにちは。貸してくれてありがとう!」

少女は黄色い傘とともに、どこかから折ってきた一輪の花を窓越しに渡した。

クラリスは傘を床に匿き、花を両手で大切に受け取る。

細い秋の花はあまりにも軟弱に見えて、少しだけ力を入れても裂けるのではないかと心配した。

「・・・綺麗」

「でしょ?あなたに似てる」

「・・・!」

クラリスの顔が火照った。

こんな綺麗な花に似ているなんて!

しかし、少女はクラリスが恥ずかしがることも知らずに、自分の話をし始めた。

「ねえ、私明日になったら王子様に会えるんだって。あなた、王子様が何が好きなのか知ってる?王室の女中でしょう?」

「あ、私は・・・」

下女ではない・・・。

そう話そうとしたクラリスは、ただ首を横に振ってしまった。

兄が何が好きなのか分からないという意味で。

彼が嫌がるのは分かっているけど。

まさにクラリス自身だった。

「確かに、王子様がこんなところまでいらっしゃらないだろう。とにかくありがとう」

少女が両手を振りながら離れようとして、クラリスはさっと窓枠越しに首を差し出した。

「も、もう・・・行くの?」

三日も待ち続けたのに、もう行ってしまうなんて残念だった。

「実は父に内緒で出てきたんだ。早く帰らないと怒られるよ」

「あ」

クラリスはありがたい少女が怒られることは絶対に望まなかったので、素早く頭を下げた。

「その・・・」

その代わり、このまま過ごすのは残念だから、いつも友逹のようにポケットに入れて歩く茶色の砂利を一つ差し出した。

花のお返しに。

この砂利は悲しい日に必ず抱いて寝ると不思議なほど気分が良くなる素敵な物だった。

クラリスが持っているものの中で最も貴重なものでもある。

「これ・・・」

「私にくれるの?」

クラリスはそっとうなずいた。

「ありがとう、すごくきれいな石ね!」

少女がにっこりと笑い、クラリスはまた顔が熱くなってしまった。

心臓がかゆくてたまらなかった。

 



 

翌日。

傘と一緒に寝床から覚めたクラリスは、下女に叱られた。

汚い傘をベッドに持って行って仕事を増やしたんだって。

自分なりに傘をごしごし拭いたが、完璧ではなかったようだ。

「ああ、本当に面倒くさい」

女中はクラリスの手から傘を奪う。

「これは押収です。いいですか。いや、これはまた何のゴミを持ってきたんですか!」

女中はベッドの下にきちんと横になっているピンクの花を指差して悲嗚を上げた。

「それは・・・花なのに」

「枯れてへろへろするのは何の花ですか?ただのゴミです。すぐに捨ててください」

クラリスは女中が荒々しく花を摘もうとするのを素早く止めた。

「た・・・大切なものなの!お願い!」

子供の哀願に女中はため息をつく。

「もう何でもするんですね。分かりました、ゴミを抱えて生きるかどうか勝手にしてください。私はシーツを変えなけれはならないので、すぐに庭に出ていてください。ああ、本当に面倒くさい子なんだって!」

「ごめん・・・」

クラリスはメイドが投げた傘をぼんやりと見つめたが、結局は振り向いて出てきた。

いたずらに傘まで望んだら、大切な花が捨てられるのではないかと怖かった。

寒さにもかかわらず、ショールさえかけられず、庭に出たクラリスは、離宮周辺を歩き回る。

今日のように行く所もなく、することもない時は大切な石を探すのが彼女の唯一の遊びの種だった。

彼女は両手が汚れることも気にせず、しつこい土のあるところをかき回したりもした。

そのように床だけを見下ろしながら、しばらく庭園を探検していたところ。

クラリスはそびえ立つ人物の足に頭頂部をぶつけてしまった。

「あっ!」

びっくりしながら顔を上げてみると、初めて見る大人の男性が立っていた。

素敵なスーツを着ていることから、王宮に用事のある貴族のようだ。

クラリスは驚いて、すぐに頭を下げ、後ろに逃げようとする。

王宮でむやみに自分をさらけ出してはいけないと学んだので。

しかし、あまり遠くなることができず、彼女は席から立ち止まることになった。

「・・・お前がどうしてあえて俺の目につくんだろうか」

彼女が恐れる声が聞こえてきたためだ。

お兄さんだった。

中腰のところで止まったクラリスは注意深く振り返る。

少し前にぶつかった貴族の男の向こうに兄が立っていて、彼のそばには・・・昨日のあの少女が一緒に立っていた。

 



 

これはクラリスの過去ですね。

モチが誕生したきっかけが分かるのでしょうか?

 

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