偽の聖女なのに神々が執着してきます

偽の聖女なのに神々が執着してきます【106話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【偽の聖女なのに神々が執着してきます】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載...

 




 

106話ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 集結

久しぶりに敬虔な姿勢で祈りを捧げたが、レイハスの内心は落ち着かなかった。

「“星花祭でも後継者様と踊っていらしたようですね。きっと良い相手に出会っておられるのでしょう。」

『むしろ聞かなければよかった。』

レイハスの顔には、寂しげな気配が漂っていた。

アリエルの視線が自分に向いていないことは分かっていた。

どんなに見つめ返しても、戻ってくるのはただの無機質な視線。

そのたびに心の奥底から欲望が湧き上がってきた。

もし彼女が他の騎士の女になったら……自分はアリエルを見送ることができるだろうか?

ふと鉄窓のことを考えていたレイハスは、杯を傾けた。

そんな方法では人の心までは奪えないと分かっていながら、なぜ……こんな不敬な考えが浮かんでしまうのだろうか。

彼は長い回廊を静かに歩き、自分の寝室へと向かった。

そして部屋のドアを開けた瞬間——突然濃い霧が広がり、前後の区別がつかなくなった。

「……!」

レイハスは急いで剣を抜き、周囲を見渡した。

しばらくして霧が晴れたとき、レイハスは自分が完全に異空間の中にいることを悟った。

「ここは……」

霧が晴れると、巨大な鉄の檻が現れた。

修道士の監禁部屋のようなその中には、一人の少年が犬のように首輪をつけられていた。

乱れた金髪とわずかに濁った金色の瞳。

痩せこけた体には打撲によるアザがびっしりと残っていた。

だが、みすぼらしい服装でも少年の美しさは隠せなかった。

少年は夜明けにとらえられた小さな妖精のようだった。

そして鉄格子の前、豪華な椅子には異国の服を着た将軍が座っていた。

彼の肌は黒く、目は欲望にぎらついていた。

「美しくて荒々しいものを育てるのは楽しい……」

その口から、ねっとりとした声が流れ出た。

「抜け出せないほどに強いというのを知っているか?」

すると、こちらの少年は敵意を宿した目で彼を睨みつけた。

「私を尊重するか?」

少年は答えず、男はさらに言葉を続けた。

「そうだ。お前は私を憎まなければならない。そして私は……」

少年の目には激しい殺気が宿っていた。

男は鎖の内側にさらに近づいて少年を見ながら、言葉を続けた。

「お前のその目がいい。お前の目を見ると血が騒ぐ。だから、ここから出るたびにハイン(黒人)を一人は必ず殺してしまう。」

男はまるで楽しそうに笑った。

「だから早く育て。お前をぶち壊すその日を楽しみにしているからな。」

奴隷を虐待し殺すことを楽しむ彼の趣味については聞いたことがあった。

特に美しい奴隷を好むとも言われていた。

そして彼はその隙をついて短剣を取り出し、私の目線よりわずかに低い位置に掘られたくぼみに視線を向ける。

「そうだな、そのくらいの背丈になったら、そこから出してやるか。」

その後、男は背を向けてゆっくりとした足取りで遠ざかっていった。

男が姿を消すと、レイハスは鉄格子の前へと一歩一歩、よろよろと進み出た。

彼の眉はひそめられ、瞳は涙でかすんで揺れていた。

レイハスは、自分の中に座っているかのような、かつての自分の姿を見つめた。

かつて住んでいた村が異国の軍隊によって征服され、親族たちは皆奴隷として売られていった。

そして自分は捕虜として連れてこられ、薄暗い鉄格子に閉じ込められていた。

「……」

少年の視線は、さっき将軍が掘っていたくぼみに向けられていた。

怒りと絶望、恐怖の入り混じったまなざしで。

少年の目の前で、私は思わず涙をこぼした。

少年は掌を開いて、私の顔を包み込んだ。

レイハスはその後の出来事をすべて知っていた。

正確に言えば、彼の身長があの牢の高さほどに成長した頃、彼は将軍の前に呼ばれ、執務室へ入る前に、将軍の苦しげな声を耳にしたことをはっきりと覚えている。

ブハが将軍を裏切り、暗殺したのだった。

国は反乱によって転覆し、帝国に併合され、イライドの一部となった。

居場所を失ったレイハスは神殿に預けられたが、神官としての彼の驚くべき能力が明かされたのは、それからさほど経たないうちだった。

また、剣を握ると、彼は卓越した才能で剣術においてもソードエキスパートに匹敵するほどの境地に至ったのだ。

「はあ……」

時が流れることも、そうでないことも怖くなかった。

かつて一族の誇りであった美しささえも、かすかな罪悪感として残っていた。

レイハスは剣を鞘に納めた。

そして手を挙げて額を押さえた。

鉄格子の中に閉じ込められていた少年の視線を感じた。

『こっちへ来い、一緒にいよう。ここが、私たちのいるべき場所だ。』

少年の声が聞こえたような気がした。

そしてそのとき、女性の声が聞こえた。

「これがあなたの内面なのね。」

レイハスは、自分の方へと近づいてくる女性の姿を見た。

「鉄格子の中にいるあなたは、いつも鉄格子の外を夢見ていたのでしょう。」

「カミーラ……」

「出ていくのが怖くても、出て行きたかった。彼が怖くても……。」

黒いドレスをまとったカミラの顔は蒼白で、赤い唇の端が少し上がっていた。

「……彼を敬っていたのね。」

その言葉に、レイハスの眉がぴくりと動いた。

「彼の強さを、圧倒的な優位を、君はうらやましく思っていたんだ。そうだろう。君は大切に思っていたその男のようになりたかった。」

「……」

レイハスの瞳に、鋭い殺気が一瞬走った。

「望むものは檻に入れて、望むときに好き勝手に扱えばいい。」

死にそうなほどの目でレイハスを見つめる彼に、カミーラがそっと唇を重ねた。

「私が助けてあげる。レイハス。」

レイハスの瞳が激しく揺れた。

「アリエルが好きでしょ。もうあなたは鉄格子の外にいるのよ。」

次第に暗い光を失っていくレイハスの瞳を見ながら、カミーラは続けた。

「欲しいものは、妄想するのではなく、自分の牢に入れておけばいいの。そうすれば誰にも奪われないから。」

カミーラはレイハスの前に近づき、その頬に自分の手袋を剣のように当てた。

何度見ても見惚れるほど美しい顔。

だけどもうそれは必要ない。

今大切なのは――

「君の願いを叶えてあげるから、聖像を渡して。」

定期的に襲ってくる、心臓が焼けつくような痛みは、時に死を夢見るほど激しかった。

もしベラトリクスが神経を落ち着かせて抑えてくれなかったら、本当に死んでいただろう。

今の彼女に必要なのは、レイドが残した聖像だ。

当然、彼がすでに死んだと思っていた神殿は、その聖像を神聖なものとして展示するつもりだった。

つまり、その聖像が今神殿にあるということは確かだった。

『聖像を取り戻せば、再びチャンスがある。』

過去の傷を抉り出して彼の心を攻撃すること。

それはベラトリクスの権能の使用法の一つだった。

「さあ。」

少しして、レイハスの口が開いた。

しかしその唇から出た言葉は、カミーラが期待していたものとは全く正反対のものだった。

「退屈だな。」

カミーラのまつ毛がぴくりと動いた。

偽りの神の権能によって、彼の胸の奥にある最も強いトラウマを引き出したのに。

けれど……

「退屈だって?」

その瞬間、レイハスの手がカミーラの首をつかんだ。

まばゆい金の中にまったく似合わない、殺気を帯びた瞳が彼女を捉えていた。

「そう、退屈で我慢できない。」

「……っ!」

レイハスの瞳が鋭く光っていた。

カミーラには何が間違っているのか分からなかった。

「私の頭の中で想像していた私の楽園に比べると、あれは質素にもほどがある。あんな粗末な監獄には、まともな道具さえ見当たらないんだから。」

「……なに?なに?」

カミーラは困惑した。

トラウマというものは、再び目の前に現れた瞬間、制御を失ってしまいがちだ。

「そんな記憶があったにはあった。でも悪夢なんて、もっと強い欲望で上書きしてしまえばそれで終わり。私は……その方法を学んだの。」

レイハスの美しい金の瞳には「狂気」ともいえるものが宿っていた。

燃え尽きてしまったものが少なからずあった。

まあ、将軍に幽閉されていたのはあまりいい思い出ではなかった。

だが今となっては、そんな記憶など彼にとって何の問題でもなかった。

将軍は死に、レイハスは彼の棺を壊して、かろうじて残っていた遺体を鉄格子の牢屋にわざわざ吊るしておいたのだ。

死者に侮辱を与えるのは信者らしい行動とはいえなかったが、彼はそうした。

将軍の隠された財産もすべて見つけて、自分のものにしてしまった。

「クッ……」

カミーラは信じられないという目でレイハスを見た。

レイハスの唇は皮肉気にゆがんでいた。

幼い頃の自分にとっては眩しかったが、今の目で見れば、その光景は取るに足らないものだった。

「まっすぐ入りなさい。次はないと思いなさい。私の精神が少しでも揺らぐようなら、最低でも■■■と■■■、それから■■■を準備しておきなさい。」

そしてその瞬間、カミーラは自分の心臓が燃えるような感覚に襲われた。

「もちろん、大したことのないあなたの態度がぐらつくようなら、■■する■■も期待外れになるでしょう……実のところ、道具があっても意味はなさそうね。」

[偽りの神・ベラトリクスがひどくあざ笑うような、そして不敬な口調で深い退屈を感じている。]

[偽りの神・ベラトリクスが覚醒します。]

ベラトリクスは今、カミーラにすべての力を注いでいたため、弱っているだけ弱っていた。

『シX、この野郎……何してやがる?』

あり得ない、くだらない話を平然と口にするレイハスを見て、カミーラは深い困惑を覚えた。

強靭そうなこの顔に、どうしてそんなセリフが似合うのか。

弱っているベラトリクスの精神が影響を受けているのだろう。

『このままじゃダメ……』

カミーラはベラトリクスの力を手に集中させて、レイハスを鋭く睨みつけた。

「死ね!」

レイハスはベラトリクスの力を込めた一撃を受けて、後方に数歩後退した。

これでようやく、レイハスを抑えつけ、脅かすことができるかもしれない――

そして像を持ち去る。

計画を変更したベラトリクスが再び手に力を込めたその瞬間だった。

空間が揺れ始めた。

神の力で構築された空間なのに、そんなはずはないと思った瞬間、カミーラは強い力によって窓の外へと投げ飛ばされた。

ギュウ――という音も聞こえた気がした。

「大丈夫? レイハス?」

 



 

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