こんにちは、ちゃむです。
「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

107話ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 集結②
カミーラはギュの電撃による爆発とともに窓の外へと吹き飛ばされ、部屋の中にはレイハスだけが残された。
「あ、そうだ。」
レイハスの部屋に入って、私はしばらく忘れていた神託ウィンドウを開いた。
【神々が議席に上がって抗議しています。】
【知識の神ヘセドが激怒しています。】
【愛の神オディセイが、あなたの一方的な神託終了行為を非難しています。】
「えっと……今はそんなことしてる場合じゃ……。」
【知識の神 ヘセドは、「カッシュは今どこに行って、なぜあなたの部屋にいるのか」と声を荒げています。】
[慈愛の神オマーンは台無しになったレイハスの寝室と真っ二つに裂けたレイハスのベッドを見て楽しんでいます。]
[芸術の神モンドは喜びながら、芸術の神モンドを自画自賛しています。]
とにかく、ひっくり返った場面に神々は誤解しているようだった。
「えっと、ちょっと神々に説明してきます。」
レイハスに許しを乞うた私は、神々に今の緊急な状況について説明した。
「だから、どういうことかと言いますと……。」
【神々があなたの物語に敬意を表します。】
【芸術の神 モンドがしんみりしています。】
「初期に信号を送れる装置を追加します。逆に、あなたも信号を送れるようになります。」
私がカミーラが生きているだろうと言ったとき、それはレイハスが提案した方法だった。
そしてそれには根拠があった。
カッシュと会っているときに信号が鳴り、カミーラが現れたことに気づくことができた。
『聖像展示について発表した途端に、こうも早く現れるとは。』
私はカッシュに聖騎士たちを呼ぶよう指示した。
『嘘をついてしまったけど……状況が緊急だから仕方ないよね。』
カッシュは自ら体を動かして戦うタイプではなく、高位神官級の神力を持っているが、その神力を使うのを嫌っている。
この状況で大して助けにならないと思ったのと、気を抜いて彼がケガでもしたら大変だと思ったのだ。
だから私はその場で待っていると言って彼を送り出し、ちょうど私を探しに走ってきたキュウと共にすぐさまレイハスの部屋へ駆け込んだ。
入るやいなや、キュウはカミーラに強力な電撃を浴びせた。
そして爆発とともに、カミーラは窓の外へ吹き飛ばされてしまったのだった。
『ディエゴが強化されたって?強くなるとは思ってたけど、まさか爆弾ハムスターになるとはね。』
もうシエルの力は必要ない。
状況説明が終わると、再びダイアログに文章が浮かび上がった。
【神々が詳細をすぐに把握しました。】
【神々は今後の計画について確認します。】
レイハスは私の前に来て、髪をかき上げながら言った。
「神々にご説明されたのですね。前にお話されていた神託のことですか?」
「ええ。」
彼の表情は相変わらず堅かったが、少し安堵しているようにも見えた。
「とにかくすぐに駆けつけてくださってありがとうございます。さっきはかなり不敬な誘惑を受けましたが、心をしっかり保って乗り越えました。」
[正義の神ヘトゥスが、レイハスが明らかに悪質な嘘をついたとして舌打ちします。]
さっき、なんとなくレイハスの話が妙に聞こえた気がしたけど……私の気のせいだったんだろう。
そう、気のせいにしておこう。
「キュウウウ……」
キュはレイハスを見て毛を逆立てているようだ。
「キュ、大丈夫。敵じゃないよ。」
ただの可愛い変態なだけよ。
「きゅううう……」
私は“きゅ”を撫でながら落ち着かせてから、レイハスに言った。
「一緒に降りましょう。カミーラはきっと死んでいませんよ。」
・
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「なにあれ、いったい?」
「まさか、あれって……」
レイハスと一緒にカミーラが落ちた後方に到着すると、神官たちが群がっているのが見えた。
「魔族か?」
「聖騎士たちを呼べ!」
私は目を細めた。
スモークがかかった車のガラスのように、黒い光が透明な膜を作っていた。
それは半球状に形成されていて、1人の人間の姿を囲んでいる。
「カミーラ……」
私は彼女を見つめた。
顔は陰に隠れ、目もはっきりしなかったが、人の姿を見たとき、それが間違いなくカミーラだと分かった。
「聖女様……」
レイハスが険しい表情で私を見ながら言った。
「とんでもない気運です。」
半球形の膜には、私が見ても畏怖するほどの気運が凝縮されていた。
「神の力……。」
カミーラの体は不完全ではあるが、どうやらレイドが直接作った肉体のようだ。
さらにベルトリクスはディエゴの言葉どおり召喚を試み、すべての力をカミーラに与えているように見えた。
『騒音が聞こえるほどだし。』
一方で神の力と神聖力を持つナゾチャも、圧倒的な威圧感を感じるほどの現場だった。
ベルトリクスは今、カミーラを通して自分の力を注ぎ込んでいた。
チチッ-. チチジジッ-.
ある瞬間、半球形の結界の周囲からものすごい衝撃波が起きて、私たちを襲った。
「うわあっ!」
「なにこれ!」
列をなして近づいていた聖騎士たちは、台風のような風に吹き飛ばされて、転がり回った。
神官たちも立ち上がれず、後ろに押しやられた。
目を開けていられないほどの暴風。
私は強い神聖力で、そしてレイハスは神力で、自分自身を守ってどうにか立っていることができた。
「キュ?」
しかし衝撃波のせいで肩の上にいたキュは、吹き飛ばされたのか見当たらなかった。
「キュ!どこにいるの?」
風は止まずに吹き続けた。
大気は暗く沈み、空には黒雲が垂れ込めていた。
「お母さま、私に力をください。もっと強い力を……」
ベルラトリクスのかすれた声が聞こえた。
「偉大なる力を私にください。」
[偽りの神ベルラトリクスの召喚が迫っています。]
チャットウィンドウに赤い文字が点滅した。
[知識の神ヘセドは、ベルラトリクスが彼女の神託はカミーラに下されるだろうと言っています。]
[正義の神ヘトゥスは、カミーラを早く処罰しなければならないと警告しています。]
「くっ……!」
レイハスの足が後ろへと押しやられるのが見えた。
「ベラトリクス!」
私は全力を尽くして、見えないあの向こうの神に呼びかけた。
こんなにも長い間戻ってきてようやく出会えたのだ。
当然、このまま消えてしまうわけにはいかない。
「カミーラはあなたの本当の娘じゃないんです!レイドが作り出した偽物の魂なんですよ!」
しきりに呪文を唱えたが、暴風は少しも収まらなかった。
やはりカミーラがベルラトリクスとの接触を妨げているようだ。
予想はしていたが、状況が急速に変わっていくのが見て取れた。
「聖女様、お気をつけください!」
その時、レイハスの荒々しい声が聞こえた。
そして目の前に突然、何か巨大なものが飛んできた。
『木だ!』
地面から引き抜かれた一本の木が、ものすごい速度でこちらに飛んできていた。
当たれば確実に死ぬと思い、シエルの力を手に集めて手をかざそうとしたその時――
まばゆい剣気が飛来し、一瞬で木を粉砕した。
木は爆発音とともに粉々になった。
そして、崩れ落ちる破片の中から、私を強く抱き寄せる手が現れた。
その手が私を腕の中に引き寄せる。
鼻先が彼のたくましい胸に触れ、私は顔を上げて見上げた。
剣を手に鋭い目つきで暴風の向こうを見つめているカイルの姿が見えた。
風に赤い髪がなびき、彼の強い意志はその瞳の奥深くから光を放っていた。
「皇太子…… 殿下?」
皇宮にいるはずの彼が、なぜここに……?
「目を開けたら神殿の前だったんだ。」
彼の冗談が耳元で聞こえた。
それが本当かどうかを確かめる余裕もなかった。
私は凍りついたような表情で彼に言った。
「助けてくれて、ありがとう。」
カイルの体のまわりには青い気運が立ちのぼるように湧き上がっていた。
「体は?」
「おかげさまで大丈夫です。」
彼は少し優しいまなざしで、私がどこか怪我していないかを確かめた後、掴んでいた手を離した。
いつもは軽口を叩く彼だったが、カイルらしくない真剣なまなざしだ。
「状況がそうであるなら、まずはあれを片付けないといけないな。」
しばらくして彼は両手で剣の柄を力強く握りしめ、地を蹴って飛び上がる。
そして暴風に向かって剣を力いっぱい振り下ろした。
チェエエン—!
とてつもない轟音と震動が広がり、一寸先も見えなかった前方がはっきりと見えた。
五色の光が混ざった結界と、それに青い光を帯びた剣を突き立てているカイルの姿があった。
剣と結界の間では、赤い火花とスパークが絶え間なく飛び交っていた。
ソードマスターの剣技でも、その強力な結界は破れなかった。
【正義の神ヘトゥスは、ベラトリクスの神格がカミーラに吸収されていると告げています。】
【破壊の神シエルがうなだれています。】
「カミーラ……」
ベラトリクスの神格を消滅させてでも、継承された力で神殿を焼き払い、ついには聖上(王)を探すつもりなのだろう。
心臓の奥底にある呪縛を解き放ち、力を回復するためにはレイドの力が必要だからだ。
もし聖像が失われたことを知れば、暴走するだろう。
今の私の最も重要な目的は、ベルラトリクスの誤った選択を止めることだった。









