悪役に仕立てあげられた令嬢は財力を隠す

悪役に仕立てあげられた令嬢は財力を隠す【66話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「悪役に仕立てあげられた令嬢は財力を隠す」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【悪役に仕立てあげられた令嬢は財力を隠す】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「悪役に仕立てあげられた令嬢は財力を隠す」を紹介させていただきます。 ネタバレ...

 




 

66話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 結果

ユリアがプリムローズ家を出たという話は、あっという間に広まった。

なかでも、ユネットの代表として正式に出入りするようになったこと、そしてプリムローズ公爵家から持ち出したネックレスを売って資金にしたことが、噂をさらに加速させた。

「まさかユリア令嬢がユネットの代表だなんて!」

「だから公爵夫人やビビアン皇女殿下に、先に化粧品を使わせていたのね!」

「それにしても、いつから事業なんて始めていたの?ついこの前まで問題ばかり起こしていた貴族令嬢じゃなかった?」

「誰も気づかなかったの?」

「私は全然知りませんでした!」

プリムローズ公爵家から出た令嬢が、まさかユネットの主人だったなんて――社交界は大騒ぎになった。

真相を確かめようと、プリムローズ公爵や護衛騎士リリカに直接問いただす者まで現れたが、当人たちも初耳で答えようがなかった。

『知っていたのかって?でも追い出したんだろう?』などと好き勝手に言われていたが、ユリアはすでに屋敷を去った後だった。

実際には追い出したわけではなく、ユリアが自ら出て行ったのを“追放”と公表したに過ぎないのだが……。

「いつも何もできずに遊んでばかりだった子が、どうして……」

「いつの間に事業なんて始めていたの?それにしても――」

「そんなわけないだろ!」

どうせ箱入りで育った貴族令嬢だ、少し稼いだところで戻ってくるはずだと――彼らはそう高を括っていた。

ユリアと公爵夫人のことを、まだ見どころのある人間だと思っていたプリムローズ家の人々でさえも。

「それなのに、ユネットの代表だって?」

彼らは椅子にも座れず、落ち着きなく立ち尽くした。

最近めっきり姿を見せなかったユリア。

あまりに自信満々に出て行ったユリア。

そして、皇太子と急に親しくなったように見えた理由――それも、ユネットの事業を共にしていたからだと考えれば、すべて辻褄が合う。

「いや、ありえない。母上がその代表と親しいと言っていたから、あの子がそこに関わっていると勘違いしただけだろう」

「……その通りです。ユリアがユネットの代表だなんて――」

「そんなはずがあるか」

もしそれが事実なら、自分たちはユネットの代表を追い出したことになる。

結局、真相を確かめるため、彼らは執事に詳しく調べるよう命じた。

だが、返ってきた報告は――彼らの望むものではなかった。

「確認いたしましたところ、ユリアお嬢様はユネットの代表で間違いございません」

「……執事、冗談にしては笑えないな。ほどほどにしろ……」

顔を真っ青にしながらも、彼らは必死に現実を否定した。

そんな彼らをよそに、執事は淡々と続ける。

「それから、“ラディエタのルビー”を売却し、その代金はすべて寄付されたとのことです」

「……何だと?」

執事の話を最後まで信じようとしなかったプリムローズ公爵の目が、激しく揺れた。

「プ、プリムローズの……いや、公爵家の家宝である……あの宝石を売ったというのか?」

プリムローズ公爵は再び執事を呼びつけ、声を荒げた。

「もう一度、調べ直せ!それがどんな宝石だと思っている!リリカにさえ与えなかったルビーだぞ。私が十年近く大事にしていた首飾りを売っただと?そんなはずがない。お前の見間違いだ!」

“リリカにさえ与えなかった”という言葉に、リリカの顔が歪んだ。

これまで自分は特別扱いされていると思い込み、大した価値もないトパーズのネックレスをもらって満足していたのだ。

だが、公爵はそんなリリカにも、淡々と言い放つ。

「……だが、父上。私も……ユリアお姉様と同じ赤い瞳なのに、どうしてユリアお姉様にだけルビーをお渡ししたのか……聞いてもよろしいですか?」

「私がエジェベ領で買ってきたトパーズは、リリカ、お前の方がよく似合うと思ったからだ。お前は水色の髪で、ユリアは銀髪だからな。」

あのときは、ラディエタのルビーとトパーズが大して変わらない宝石であるかのように話していたくせに――!

初めて公爵から受けた愛情として、ユリアがリリカに勝った証のように語るなんて。

「それに、ラディエタのルビーを売り、その代金をすべて寄付したというのも、相当な財力がなければできないことだと、世間では噂になっております。」

ラディエタのルビーを売ったのに、手元には一銭も残していない。

結局、それだけのことができる人物でなければ、ユネットの代表になるなど不可能だということだった。

「誤解だ、誤解があるに違いない。皆が勘違いしているだけだ……」

ジキセンは「あり得ない」と否定しながらも、指先は小刻みに震えていた。

「確かに信じ難い話ではあるが……リリカ、お前はユリアについて何か聞いたことはないのか?」

プリムローズ家の人々の間で静かに座っていたリリカも、無意識に自分の指先をぎゅっと握りしめていた。

「……聞いたことはありません。」

偽の化粧品の件でユネットと関わりを持ったリリカは、混乱していた。

もしかして、あれもユリアの仕組んだことだったのだろうか?

(そんなはずない。あの女がそんな大それたことをするわけがない!)

「こんなの、あり得ないわ!」

「執事、お前の見間違いじゃないのか?それとも嘘でもついているのか?」

頭の中がぐちゃぐちゃにかき乱された。

「あり得ない……。これまでユネットを運営してきて、どうしてそんな話が一度も出なかったのだ?」

「それが……これまでは変装したりフードを被ったりして、正体を隠していたそうで……」

「ユリア、あの子に事業を運営する能力があると?」

「はい。これまで話題になっていた数々の斬新なマーケティングも、すべてユリアお嬢様の発案だと言われています。」

「そんな、馬鹿な……」

執事は震える声で、言葉を繰り返した。

「奥様が頻繁に外出されるようになったのも、お肌の調子が良くなってからです。ユリアお嬢様は奥様のために初めて化粧品をお作りになったと……そして、それをきっかけに……」

淡々と事実だけを述べているはずなのに、執事の声にはどこか恨みが滲んでいるように聞こえた。

「黙れ!」

プリムローズ公爵は怒鳴り声を上げた。

「ユリアはもはや私の娘ではない。マドレーヌもまた、公爵夫人の座を捨てて出て行った! あの女も娘も、この城にはもういないのだ!」

平静を装ってはいたが、内心はまったく落ち着いていなかった。

信じたくなかった現実が、目の前に突きつけられている。

――自分が間違っていた可能性。

その疑念が、じわじわと水面に浮かび上がってきた。

リリカが本当に善良な子ではないかもしれないという考えも、頭をよぎる。

だが――これまでの自分の選択を否定するよりも、これまで通り「リリカは善良で、ユリアは悪い子だ」と信じていた方が、はるかに楽だった。

そうでなければ、自分は――取り返しのつかない過ちを犯した、愚かな人間になってしまうのだから。

そうだ。

(ユリアはただ妹に嫉妬して、家を飛び出した子に違いない。)

プリムローズ公爵は固く目を閉じた。

これまで信じてきたものが、ぐらぐらと揺らぎ始めていた。

リリカが問題を起こしても、ユリアが思いがけない一面を見せても……それでも、これまでの“真実”から目を背けることは難しかった。

そんな中で、リリカは“善良な娘”らしい姿を見せた。

だからこそ、公爵はすぐにその言葉にすがった。

狩猟大会で、冷静に家を率いていたユリアの姿を必死に忘れようとしながら。

――「ビエイラの爵位が疑わしいとすれば、責任はプリムローズ公爵家には及びません。」

狩猟大会の最中、リリカが近づいてきて、そう囁いたのだった。

「……私には荷が重い話だ。」

これ以上、真実を知りたくはなかった。

(それに、そう思っているのは私だけではない。)

“イマフネ教”でも、リリカを聖女として持ち上げているではないか。

可憐で純粋な妹リリカ。

そして、それに嫉妬する悪い姉ユリア――そんな構図を作り上げたのも、彼らだった。

不思議なことに、ユリアが家を出てすぐ、神殿から連絡が来たのだ。

――「ユリア・プリムローズ……いえ、ユリア様が家を出られたと伺いました。ご心配には及びません、公爵様。こちらで対処いたします。」

まるで、この状況を待っていたかのように。

ユリアが家を去った直後に連絡を寄越し、あまりにも自然に話を進めた神官長の態度がどうにも引っかかってならなかった。

余計な詮索をする必要はなかった。

いずれにせよ、プリムローズ公爵家を出て行ったのはユリア本人なのだから。

――「公爵夫人も出て行かれたと伺いました。これで差別だなどと言われることもありません。今やリリカ聖女様には、公爵様しかいらっしゃいません。」

神官長はむしろ、ユリアが去ったことを好都合だと言わんばかりだった。

――「ご安心ください。家門に誰の責も及ばぬよう、そして聖女様に不利益が及ばぬよう、世論はこちらで整えましょう。」

リリカがこれまで経験してきた出来事や噂は、すべてユリアの仕組んだ罠だった――そう思わせるように、噂を流すべきだと。

そうすれば、“庶子だから”という理由で苦しんできたリリカを守ることができる、と。

(……そうだ。これでいい。)

公爵は自分に言い聞かせるように、そう結論づけた。

こうしてプリムローズ公爵はユリアを切り捨てた。

たった一度厳しく叱っただけだというのに、哀れな妹のために一歩も譲らず、冷酷に家を出て行ってしまった娘。

父や兄のことなどまるで気にも留めずに去っていった娘。

その上、母親まで巻き込み、親子の絆を引き裂いた。

――「プリムローズ公爵である私。小公爵ジキセン。聖女リリカ。この三人こそが真の家族だ。混乱を招くだけの者など必要ない!」

しかし結局のところ、彼らの選択は失敗へと向かっていた。

 



 

「プリムローズ公爵家のユリア令嬢が追い出されたって?」

「本当?」

「聞くところによると、かなり大きな問題を起こしたらしいけど……でも、そうじゃなきゃ貴族令嬢を家から追い出すなんてあり得る?」

「それがさ、もっと驚く話があるんだ。その令嬢、実はユネットの代表だったんだって!」

「えっ?あの化粧品の?」

「そう、それ!」

人々は衝撃的なスキャンダルに、躊躇うことなく一斉に飛びついた。

「没落した令嬢……いや、もう令嬢でもないのか?そんな人のもの、使って大丈夫なの?」

「相当大きな問題を起こしたみたいだよ……。そういえばミュージカル、見た?以前の噂もそうだけど、リリカ令嬢とあまり仲が良くなさそうだったよね」

「そうそう。ユネットから訴えられてるって話もなかったっけ?」

「え?じゃあ姉が妹を相手に訴えたってこと?」

「しかも、聖女様を相手に……」

名誉を重んじる人々――特に貴族たちは、こうした噂に非常に敏感だった。

だからこそ、不祥事を起こした人物や、それに関係するものとは、徹底して距離を置こうとする。

以前、仕立て屋で騒動が起きたときも、貴族たちはこぞって別の店へと移っていった。

その結果は、仕立て屋の無残な廃業。

常連に縋ろうが、値下げしようが、何一つ効果はなかった。

しかし、今回一つだけ違う点があるとすれば――

「他はともかく、ユネットの代わりはないんじゃない?」

もちろん、ユネットを知る前から化粧品を使っていなかったわけではない。

しかし、それらは鉛が混ざっていたり、重金属によって人を死に至らしめるような――質の悪い粗悪品ばかりだった。

「肌が滑らかになる」と言われて使っても、効果がないどころか、むしろ肌が荒れたり崩れたりする副作用が当たり前のように起きていた。

だが、ユネットは違った。

化粧品の成分がすべて容器に明記されていたのだ。

怪しい成分が含まれていないか、自分の目で確認してから使うことができる。

それだけではない。

ユネットはサンプルも配っていた。

自分に合うかどうか、実際に試してから購入できるように。

だからこそ、どれほど安全な成分であっても、もし自分の肌に合わなければ、購入前に避けることができた。

「うーん……何か誤解があるんじゃないかしら?」

「そうよね。ユリア・プリムローズ令嬢も、そんなに悪い人には見えなかったけど?」

安心して使える。

それに、高いのかと言われれば――そうでもない。

これまでよく分からない化粧品を買っていたことや、神殿に通っていたことを思えば、比べるまでもなく安いくらいだった。

「……最近、冷たい風のせいで肌がつっぱるのよね」

「うーん、私、乾燥肌だからかな」

それだけではない。

乾燥肌、脂性肌、敏感肌――。

肌タイプという概念を打ち出したのもユネットだった。

自分の肌への理解を深められるように導かれたことで、「とりあえず良さそうだから使う」という以前のやり方とは違い、きちんと自分に合った化粧品を選べるようになっていた。

「ユネットは……うーん……」

悪女の化粧品を使うのは、やっぱり少し抵抗がある。

でも、化粧をしないわけにもいかない。

――だったら、相手を“悪女”ではなく、“事情のある人”にすればいい。

人々は、ユリアがはっきり無実だと証明されたわけでもないのに、いつの間にか彼女の側に立ち始めていた。

「問題を起こしたっていうけど、具体的じゃないよね」

「皇太子殿下からハンカチをもらった令嬢なのに、何か問題があるとは思えないけど?」

正確に言えば、ユリアではなく――ユネットの持ち主に対する信頼だった。

「そういえば、前にリリカ令嬢がレピアの花を贈ったって噂で皆が騒いだときも、むしろ本人が騒ぎを収めようとしてたよね」

「ええ?狩猟大会のときも前に出て説明していましたよね。公爵様がずっと口を挟んでいらっしゃった間も……」

噂を流した側の思惑とは裏腹に、ユリアの評判は落ちなかった。

むしろ、これまで語られていなかった美談まで掘り起こされ、人々の口にのぼり始める。

「公爵夫人も、リリカ・プリムローズ令嬢を差別することなく接していたように見えましたけど……。むしろ謝罪までなさって、誕生日の宴もご自分で開いていましたし」

「よく考えたら、あのミュージカルもそうですよ。ユリア令嬢を悪役みたいに仕立てていましたけど……正直、外から来た養女が来たら、いい気分じゃないのも無理ないんじゃないですか?」

「そうそう。しかも庶子を引き取ってきたのに、公爵様はもっと気を配るべきでしたよね……」

そこへさらに、プリムローズ公爵家に関するこれまでの話まで持ち出されて――これまでの出来事まで掘り返される始末だった。

「もしかして……ユリア令嬢が何かあったら、ユネットの化粧品って使えなくなるの?」

「それなら、今のうちに買いだめしておいたほうがいいわね」

ユリアがどうなろうと構わない。

けれど――ユネットの“中の人”に何かあっては困る。

悪い噂が収まるどころか、人々はむしろ以前より頻繁にユネットを訪れるようになった。

プリムローズ公爵の顔色をうかがう者たちでさえ、「まとめ買いして、しばらく近づかないでおこう」と考えていた。

中には、神殿に依頼して「自分は買い占めていない」と装う者まで現れる始末。

ともあれ、結果だけを見れば――

「聞きました?ユネットの売上、今回で30%も伸びたそうですよ!」

皮肉なことに、この騒動は短期間の売上増加をもたらしていた。

 



 

 

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