こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は72話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
72話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- セイブリアンからの贈り物
突然のセイブリアンの訪問。
食事は昨日だったのに?
夜に少しだけ会う予定なのに、なぜあえて昼に訪ねてきたのだろうか?
「お迎えしてください」
しばらくしてセイブリアンが入ってくる。
ブランシュが飛び起きて挨拶した。
「お元気ですか、お父様」
「ああ、アビゲールと一緒にいたのだな」
彼はブランシュがいるとは知らなかったようだ。
彼の視線がブランシュの頭の留まる。
私が編んであげた髪、綺麗でしょ?
早く褒めてあげて!
しかし、セイブリアンは褒める代わりに無愛想な声で質問をするだけ。
「その髪型は何だ?威厳に欠ける」
「あ・・・、えっと・・・。これはアビゲール様が編んでくれた髪型で・・・」
「威厳は感じないが、とても美しいな。華やかで良く似合っている。私的な席でまで格式張る必要はないだろう」
「あ、ありがとうございます・・・」
彼の体勢転換は国家代表級だ。
まあ結果的にブランシュに似合っていると言ったから、一回だけは見逃してあげよう。
「殿下、何の御用でいらっしゃったのですか?」
少しだけツンと澄ました声で尋ねる。
セイブリアンは何度か咳払いした。
「アビゲール、もうすぐあなたの誕生日じゃないですか。ですので、プレゼントを持ってきました」
「プレゼント?」
セイブリアンの言葉が終わるや否や、使用人たちが大勢入ってくる。
彼らはみんな派手な箱を持っていた。
セイブリアンが一つの箱を開けて中を取り出すと、ネックレスが日光を受けて華やかに光を放つ。
セイブリアンの瞳に似た大きなサファイアのネックレス。
吸い込まれそうな濃い青色で、日が当たるたびに数十種類の青い光が目を輝かせる。
周りに飾られている小さなダイヤモンドも、かなりの値段に違いないだろう。
やばい、やばい。
あのネックレスはどれだけの金額なのかしら?
周囲を取り囲む侍女たちも目を見張ったままだ。
「他のプレゼントもあります」
使用人たちが箱を開ける。
ティアラ、指輪、ブレスレット、イヤリング。
箱が開くたびに侍女たちの口から呻き声のような嘆声が漏れた。
「お気に召しましたか?」
こんなにすごいプレゼントをしておいてもセイブリアンの声は淡々としている。
私は呆気に取られた。
どうして急に?
誕生日プレゼントにしては過剰過ぎるでしょう。
こんなものを貰うに値する仕事をした覚えはない。
貴重な贈り物を貰ったのだから喜べばいいだけなのに、私はかえって不安になる。
私は彼の贈り物を受け取ることもできないまま頑なに固まっていた。
セイブリアンは、そんな私をじっと見ているだけ。
彼は不審な表情を浮かべて、人々に向かって話す。
「しばらく王妃と話をしたいので、みんな席を外してくれ」
そして、躊躇いながら言葉を追加した。
「ブランシュ、あなたも席を外してくれ」
あれ?どうして皆を追い出すの?
人々は文句もなく引き下がる。
ブランシュも顔色を伺って席を離れた。
二人きりになると、ますます気まずい雰囲気が流れる。
これは私がプレゼントを貰って、浮かない顔をしているから?
演技を合わせないといけないのに、私が馬鹿だった。
焦っているとセイブリアンの声が聞こえてくる。
「プレゼントは気に入りませんでしたか?」
ちらっと彼の顔を見ると怒っているようには見えない。
とても私の顔色を伺っているような表情だった。
「えっと、気に入っていないわけではありません。ですが、やり過ぎだと思って・・・」
「やり過ぎではありません」
セイブリアンは淡々と話す。
嘘とは露ほども感じなかったので、私さえも信じ込んでしまうほど。
「これ以上のものを差し上げても足りないです。絶対にやり過ぎではありません」
セイブリアンはそっと手を伸ばして、私の耳元にサファイアのイヤリングを取り付けた。
「よく似合っています」
彼の声があまりにも優しくて、一瞬胸が高鳴る。
私はきまり悪さを隠すために思わず横を向いた。
「あの・・・。こうやってプレゼントをくれるのは、周囲の人のせいですよね?プレゼントが少ないと、不和説が出回りますから」
うんうん、そうだよね。
セイブリアンは、きっと不和説を鎮めようとしているんだ。
ふぅ、やっと安心できる・・・。
「いいえ」
彼はキッパリと答えた。
セイブリアンの顔はいつものように重厚に強張っている。
「私が差し上げたいと思って差し上げたのです」
あ、ちょっと待って。
そんなことを言わないでほしい。
むしろ不和説のせいだと言って。
それならプレゼントを貰えると思うんだけど・・・。
セイブリアンはいまだに私の耳にイヤリングを当てていた。
私は躊躇ったが、そっと彼の手を押し出す。
「私は・・・」
舌先が渇くようようだった。
私は彼の顔にそっぽを向いて吐き捨てるように話す。
「私は、これを受けるような人ではありませんので」
そして、素早く言葉を続ける。
「それに、このような無駄遣いをすれば予算にも問題が生じませんか?」
無分別な消費のために家庭が崩壊し、社会が崩壊し、国家が崩壊するものだ!
けれどセイブリアンは退く気配を見せなかった。
むしろ私の反応が理解できないようだ。
「問題が生じる可能性はありません。王室予算は徹底的に管理していますから。このプレゼントも、私の個人資金から支出しただけです」
「ですがブランシュの春服予算も少なかったですし・・・」
「ジェレミー夫人が要求した分を支払っただけで、予算が不足していたらもっと支払っていたでしょう。まさか、王室予算が足りないと思われていたのですか?」
私は返事に迷う。
予算を削るって言うから、お金がないのかと思ってた・・・。
セイブリアンの直球な答えがアビゲールを困惑させていますね。
明らかに好意があるという答えにアビゲールも困惑し続けています。
セイブリアンの行動も極端ですが、ほんの少しでもアビゲールに想いが届けばいいですよね♪