こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は74話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
74話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 王妃の好きなもの
セイブリアンはずっと同じことを考え続けていた。
アビゲールは宝石を断った。
それならば何をあげれば喜ぶのだろうか?
何が好きで、何が嫌いなのだろうか?
もしかして、侍女たちが身につけているものを、アビゲールは好むのだろうか?
壁にかかっている風景画が彼女の好みなのだろうか?
庭に咲いた花の群れも、昔は無感覚に通り過ぎたが、今はしばらくその前に留まりながら、アビゲールのことを考える。
気になることが多くなった。
アビゲールはどんな色が一番好きで、どんな香りが好きで、趣味は何で、何を見て笑うのか。
この前のプレゼントは断られたから、今度こそ彼女の気に入ったものを贈りたい。
しかし、庭の花はとても素朴に見えたし、侍女たちのドレスはアビゲールが作ったもの。
何も思い浮かばない。
セイブリアンは小さく唸り声を立てた。
そのような姿を見守っていたミラードが、それとなく口を開く。
「もし王妃様への贈り物で悩んでいるのでしたら・・・」
今でも目の前の状況を信じられないというような陰険な声で彼は話し続けた。
「王妃様の侍女に聞いてみるのはどうでしょうか?近くで暮らしている侍女なら、王妃様の好みが分かるはずです」
「侍女?」
その言葉にセイブリアンの表情が少し明るくなる。
ようやく心に叶う答えが出てきた。
「侍従にアビゲールの侍女を呼び出すように伝えろ」
命令が落ちて間もなく、侍従がアビゲール侍女を連れてきた。
突然の呼び出しにクララは少なからず緊張した様子だ。
「こ、国王陛下にお目にかかります」
彼女の声は震えていた。
執務室に入るのも初めてだし、国王と単独面談するのも同様だ。
しかも、どうしてセイブリアンが自分を呼んだのか、クララには心当たりがない。
何かの罰を受けるのではないかと考えると体が震えてきた。
「頭を上げろ」
許諾が得られてから、クララはようやく頭を上げる。
相変わらず真っ青のまま。
幸いにも、セイブリアンからは「寒風」は消えていた。
「アビゲールとはうまくいっているのか?」
見慣れた名前に、クララの緊張がほんの少し緩む。
断罪を行おうとしているのではないようだ。
「はい!王妃様にはよくしていただいております!」
「そうか。今日は聞きたいことがあって呼んだ」
セイブリアンは少しの悩んで口を開く。
「アビゲールは、最近何に関心を持っている?」
「・・・王妃様ですか?」
クララの大きな目が瞬く。
質問の底意を探るのにしばらく黙った後、彼女の目がキラキラと輝いた。
「陛下、誠に恐れ入りますが・・・」
クララはセイブリアンの顔色を伺いながら、慎重に話を続ける。
「失礼でなければ、どうして王妃様のお好みをお伺いしたのか聞いてもよろしいでしょうか?」
近くでその姿を見守っていたミラードは顔をしかめた。
侍女如きが王の意中を探ろうとするなど、不敬でしかない。
しかし、ミラードとは違ってセイブリアンはそれほど気分を害していないようだ。
躊躇う様子はあったが、彼は素直に答えを出した。
「アビゲールに贈り物をするためだ」
声は清々しかったが言葉には温もりがこもっている。
その答えにクララはニヤリと笑う。
「それでは王妃様のお好きなものがございます」
彼女は秘密でも話すように声を伏せた。
「王妃様のお好きなものは・・・」
朝から聞こえてくる馬の蹄の音で早く目が覚めた。
馬車に乗って入ってくる馬は一様に手入れを受け、たてがみには艶がある。
誰が見ても貴族が育てる馬と分かるだろう。
馬車も高級感があり、中から出てくる品物もやはり尋常ではなかった。
大小の箱、箱に入れられなかった貴重品が部屋に積まれていく。
「ロゼ家からの贈り物です、王妃様。あなたの誕生日を心から祝福するという言葉を伝えてほしいと」
「アルマーニ侯爵がこれから開かれる宴会にぜひ招待を受けたいという意向を示しました」
「キルシュ家で・・・」
「ストーク家で・・・」
ううっ、多くの家門の名前が耳の中で糸のようにもつれる気分だ。
彼らからの贈り物は愛情ではなく切迫さが感じられた。
王妃に憎まれたくないのだから仕方がないだろう。
去年もプレゼントはかなりたくさん貰ったが、今年はその規模が特別だ。
プレゼントの数が2倍以上はある。
「今年のプレゼントはどうしてこんなに多いのかな」
そう呟くと、ネックレスから小さな声が聞こえてきた。
「君がセイブリアンと仲が良くなったから、彼らも必死なんだろう」
ヴェリテの話は筋が通っている。
小さな会社でも政治争いが殺伐としているのだから、この世界はもっと厳しいだろう。
「政界に足を踏み入れる気なんてないのに、結局こうなるのね・・・」
部屋いっぱいの贈り物を見ていたら気分が重くなった。
「嬉しくない?」
「よく分からないわ」
先日セイブリアンがプレゼントをくれた時もそうだったが、過度なプレゼントは喜びよりも不安をもたらす。
その上、この贈り物を贈った人たちの目的を知っていると、簡単に喜ぶこともできなかった。
「もしかして、この程度のレベルでは満足できない?大変だ、私は何をプレゼントすればいいのだろう」
ヴェリテが冗談半分めかして言った。
「お祝いの言葉で十分よ」
クララの選択は正しかったのでしょうか?
彼女は少し暴走するところがありますので(笑)
ストーク家は何をプレゼントしたのか、少しだけ気になります。