こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は98話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
98話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 婚約提案
ワインが透明なグラスに入る音が聞こえてくる。
その姿をじっと眺めていると、何だか妙な気がした。
私たち本当の夫婦みたいだね。
最初は黙って手を握っていたセイブリアンだったが、今は少しずつ会話が増え始めた。
今日一日はどうだったか聞いたり、政治状況について話したりしている。
ハーブティーを飲みながら夜を過ごす時間はとても楽しい。
今日みたいにお酒を持ってくるのは初めてだけど。
「口に合えば良いのですが」
セイブリアンは淡々と私にワイングラスを渡した。
蝋燭の火だけで周りが暗かったので、ワインは濃いガーネットの色のよう。
「いただきます」
ワインを一口飲む。
あ、美味しい。
思ったより甘い味で、果物の香りもする。
そういえば、セイブリアンは甘いものが嫌いじゃなかった?
どうしてこんなワインを持ってきたんだろう。
「アビゲール、ワインの味は大丈夫ですか?」
「はい。私が好きな味です」
「それなら良かった」
セイブリアンはワインを一口飲んだ後、グラスを下ろした。
やはり口に合わないようだ。
「今日はお変わりありませんでしたか?」
「はい、特には・・・」
モイズ卿が私に仲人役を任せた以外は。
どうすればいいか悩んで口を開く。
「殿下、最近の外国との状況はどうですか?」
「大したことはありません。東部地域で小さな事故があったことを除いては」
ああ、貿易船が沈没した話ね。
まだブランシュに婚約提案の話は来ていないようだ。
「そういえば、モイズ卿が私に謁見を要請しました」
違う、婚約提案が入ってきたね。
モイズ卿の行動力には感嘆する。
もう行動に出るなんて。
「もしかして婚約の件ですか?」
「ええ。クローネンブルグの公子とブランシュの婚約を提案されました」
セイブリアンの声があまりにも淡々としていて、私は呆然とする。
そうだった、彼は元々は冷静な人だ。
それが間違っているというわけではない。
感情的な王より理性的な王の方が国は安定するのだから。
だけど・・・。
「クローネンブルグ以外の国からも連絡は来ましたか?」
「はい。レタからも使節が来ました。そちらも婚約を提案しましたね」
レタはネルゲンの次に強い国だ。
国力を考えると、クローネンブルグよりはレタの方がマシだ。
まさかブランシュをそちらと結婚させるつもりでは?
私は深く息を吸って口を開いた。
「・・・殿下。お願いが一つあります」
「言ってください、アビゲール」
これから話す内容が愚かであることを私は理解している。
クローネンブルグの王女としても、ネルゲンの王妃としても正しくない決定だ。
けれど、私は王女か王妃である前にブランシュの家族。
「ブランシュが成人になるまで、婚約の件はお断りしてほしいのです」
ごめんね、甥っ子よ。
でも、あなたとブランシュを結婚させることはできない。
アビゲールのお父さんもごめんなさい。
モイズ卿も。
セイブリアンはしばらく黙っていた。
私の考えを可能にしようとするように、私を眺めている。
「クローネンブルグの提案も含めてですか?」
「はい」
「変なお願いをされるのですね。ブランシュがクローネンブルグと婚姻することになれば、あなたにとっても利益でしょうに」
「ええ、ですが私は・・・」
焦りを感じてワイングラスを握ると、ガラスが割れそうに震えているのが感じられた。
「ブランシュを道具に使いたくないんです」
姫と王子が出てくる童話の結末は大部分が「長く幸せに暮らしました」という文章で終わる。
しかし、現実は童話ではない。
政略結婚を通じて出会った王子と一目で恋に落ちることが不可能に近いことを知っている。
だからブランシュには多くの世界を見て、多くの人に出会った後、自らの伴侶を選んでほしい。
彼女の人生が童話のように「長く幸せに暮らしました」という文章で満たされることを願っているから。
セイブリアンはしばらく黙っていた。
半分ぐらい残っていたワインを口にするだけ。
少しの沈黙の後、彼が口を開いた。
「アビゲール、そんなお願いをしなくてもいいです」
その言葉に胸がドキドキする。
私が頼んでも、彼はブランシュを政略結婚させるつもりのようだ。
どうやって説得すればいいの?
悩みに口が渇く中、セイブリアンが言った。
「当初からブランシュを外国の王族と結婚させるつもりはありませんでしたから」
・・・何だって?
一瞬で目が覚めるような感覚に。
私は急いで頭を上げて彼を見つめる。
彼の表情はただ静かだ。
セイブリアンの性格を見れば、空言でもないだろうし、覆すこともないだろう。
「あなたがクローネンブルグ側と婚約させたがらないか、それが少し心配でしたが」
「いいえ!私は婚約させない方が嬉しいのですが!」
慌てて声が飛び上がる。
セイブリアンはその様子が面白いのか、クスッと笑う。
もう、何だよ!
何日間もずっと悩んでたのに!
何だか、これまで頭を悩ませていたのが惜しくなった。
セイブリアンはブランシュを婚約させるつもりがないのですね。
セイブリアンの真意が知りたいです!