こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は298話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
298話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- カリンの悩み
「ねえ、カリン?」
カリンはナディアの声に驚いて顔を上げる。
いつの間にか近づいてきたナディアが、心配そうな顔で見下ろしていた
「いったいどうしたの?どうかした?何かあるなら話して」
「私のことは気にしないでください」
知らず知らずのうちに、非常に鋭い言葉が飛び出す。
誰に対する腹いせなのか分からなかった。
ナディアはその反応に眉をひそめた。
「どうして気にしないの?あなたは私の友逹なのに」
友人。
その言葉はとてもはっきりしていて、カリンは馬鹿げているように笑う。
他人でもないナディアが自分のことを友逹と呼ぶなんて。
「私はナディア様の侍女です」
「この前、私の苦痛を理解すると言ったじゃん。そんなことを言う仲なら友達じゃないの?」
確かにそんなことを言ってはいた。
アビゲイルが自分に言ってくれた言葉を、ナディアにも渡したのだ。
その論理なら、自分もアビゲイルと友達なのだろうか。
いや、そんなことを考えてはいけない。
もう自分はアビゲイルを裏切った。
それなのに、どうしてあえて彼女を友逹と呼べるのだろうか。
その時、女中の一人がこっそりと部屋の中に入ってくる。
彼女は殺伐とした雰囲気に顔色を伺いながら、かろうじて口を開いた。
「すみません。王妃様がカリン様を捜していて・・・」
王妃の呼びかけでカリンの顔が妙な色に固まる。
しかし、すぐに普段の毒々しい顔に戻った。
「王妃様が呼んでいますね。それではこれで失礼します、ナディア様」
「・・・そうだね。戻ってきてから話をしよう」
「・・・」
ナディアには答えずに、カリンは部屋を出ていく。
アビゲイルの部屋に行く間、彼女は何も考えないようにした。
友逹。
そんなものが存在するはずがない。
アビゲイルは自分の敵であり、恋敵である。
彼女がいる以上、自分は幸せになれない。
従順は安楽で甘いことだ。
父の言葉に服従するだけだから・・・。
「王妃様、カリンです。探していると聞きました」
カリンは孤高の顔で王妃に挨拶をする。
アビゲイルはカリンを見てにっこり笑った。
「ああ、カリン令嬢。いらっしゃいませ」
部屋の中で静かに燃えているたき火のように、ただただ暖かい微笑。
その笑顔を見て、カリンは全身の骨が自分を刺すようだった。
馬鹿みたいな人。
私が何をしたと思ってあんなに笑うの?
彼女は心の中で悪口を言った。
こんなに純朴で、政治というこの強風にどうやって耐えようと。
「お呼びだから来ないと。どのようなご用件でお呼びになりましたか?」
カリンは皮肉を言って全力を尽くした。
この程度なら誰でも怒ってもおかしくないのに、アビゲイルの表情には少しの陰もない。
かえってやや浮き立った様子だった。
「カリン令嬢にあげたいものがありまして」
「・・・私にですか?」
アビゲイルは後ろに視線を向ける。
そこには人の背丈ほどの何かが立っていた。
布で覆われており、正確にはわからないが、おそらくボディに引っかかった服のようだった。
(服かな?)
カリンが気まずい目で見ると、アビゲイルがボディーを覆っている布の裾を引きずり下ろす。
そこにはカリンの予想通り、服が一着かかっていた。
その美しい服にカリンの目が大きく開く。
生まれて初めて見るデザインのドレスだ。
形はロブ・アラ・フランセーズやクリノリンドレスと酷似していた。
腰の部分を締め、リボンとフリルの装飾が施された豪華なデザイン。
しかし、クリノリンドレスとは違いがあった。
既存のドレスは四方に豊かなのに対し、このドレスは後ろの部分を膨らませただけ。
「これは一体何ですか?」
「この服はバスルドレスと言います」
クリノリンは既存の下着に比べれば軽いという長所があるが、致命的な短所も存在した。
腰を薄く見せるためにスカートの体積を過度に増やしたのが問題だった。
階段を上り下りするのも一人では難しく、馬車の車輪に裾が挟まることも日常茶飯事。
単純に不便なことは別として、命が危険でもあった。
風が吹けは体を制御しにくく、墜落死をする場合も簡単にある。
それだけではなかった。
過去に教会で起きた火事で何千人もの女性が死亡した件があったのだ。
そこにいた女性たちはクリノリンのドレスを着ていた。
あんなにかさかさで移動が不便なドレスを着たまま、数千人が狭い通路を抜け出せるはずがなかった。
避難できなかった女性たちは、結局教会の中で死んだ。
クリノリンを減らす必要性を人々は感じた。
それによって作られたのが、バスルドレス。
クリノリンサイズを小さくして、お尻の部分を膨らませてアクセントをつけた。
タッセルの形も様々だが、アビゲールは薄くて筒状のデザインを採用している。
できるだけ体に負担がかからないように。
実は、この服も問題が少しあるが、ひとまずクリノリンのサイズから減らすのが急務だった。
「カリン令嬢、よかったらこの服を着てください」
今すぐ歴史を変えることはできないが、目の前の危険を防ぐことはできた。
しかし、カリンはバスルドレスを焦がすような視線で睨むだけ。
「嫌です」
冷静な拒絶。
しかし、アビゲイルは少しも傷ついていない表情で口を開いた。
「今着ている服よりはずっと楽だと思います。だから・・・」
「嫌ですって!」
かっとなる音にガラスが割れそうだった。
王妃の前とは信じられない無礼。
カリンは憎しみを吐き出すように叫んだ。
「いらない!私が社交界の主役になるんじゃないかと怖いんですよね?だから、こんな変な服を着せようとしているのはみんな知っています!」
カリンは叫びながらアビゲイルを睨みつけた。
自分がアビゲイルにしたことがあるが、ひそひそと笑顔で接する良心がなかった。
自分を非難して。
自分を憎悪してよ。
私が後ろで何をしたのかも知らないくせに、馬鹿みたいに服のプレゼントを準備しているなんて。
「前では優しいふりをしながら、後ろで魂胆があることを誰が知らないと思いますか?そんな服なんか着ませんよ!」
いっそのこと自分の悪口を言ってくれたら、無礼な女だと頬でも叩いてくれたら・・・。
はちきれそうな涙をこらえようと大声を上げる。
アビゲイルが驚いて何も言えないと、カリンは冷静に体をひねった。
今にも部屋を飛び出しそうな勢いだった。
アビゲイルは急いでカリンを捕まえる。
「カリン令嬢、ちょっと私たち話をしましょう」
「嫌だってば!」
カリンは冷たく手を押しのけた。
カリンが拒否しても,アビゲイルは彼女を捕まえようとする。
しかし、カリンはついにアビゲイルを押しのけた。
息を荒く吐きながら後ずさりすると、ドレスが華やかに舞う。
大きな花のように豊かなドレスの裾が部屋の中を半分ほど荒らした。
そして裾が触れた先に、暖炉があった。
裾が暖炉をかすめると、炎が薄く薄い絹を夢中でなめて飲み込んでいく。
カリンが着ている服にはそんな事件があったのですね。
そして今、最悪な事態に・・・。