こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は110話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
110話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side セイブリアン
私は少し荒々しい気持ちで大妃を眺めた。
率直に言うと、彼女はかなり好感の持てる印象だ。
もしセイブリアンに事情を聞いていなかったら、私は彼女が好きになっていたかもしれない。
慈愛に満ちた印象。
そして青白く虚弱な雰囲気が人の心を惹く。
また中年特有の優雅さと上品さがある。
見た目は40代くらい。
おばあちゃんと呼ぶにはかなり若い気がする・・・。
この女性がこんなに早い年齢で祖母になった理由は別にある。
その事実に、私はようやく気がついた。
「継母がこんなに綺麗な娘だとは知らなかったわ。あなたにもっと早く会いに来なければいけなかったのに、遅れてごめんなさいね」
私は嫌な表情を出さないように努力して淡々と答える。
「いいえ、大妃様。こちらこそお目にかかれず恐縮です」
「そんなに硬く呼ばないで、お母さんと呼んでちょうだい」
違う。
私のお母さんは日本にいて、アビゲールのお母さんはクローネンブルグにいるよ。
しかし、そう言い返すことはできず、私は苦笑いしながら答える。
「はい、お母様」
私の笑顔を見た瞬間、大妃の顔が青ざめた。
幽霊でも見た人のように。
「・・・あ、いいえ。呼びたくなければ結構よ」
ああ・・・、最近あまり指摘する人がいなくて忘れてた。
そういえば、私最近かなり笑ってたみたいだけど。
ブランシュも周りの人も怖がらないから忘れていたわ。
「いずれにせよ、こうして会えて嬉しいわ。近いうちに食事をみんなで一緒にしましょう。セイブリアンも呼んで」
そう言って、大妃はニッコリ笑う。
「家族同士なんだから」
「大妃が入宮されたそうです」
「知っている」
秘書官の報告にセイブリアンは何気なく答える。
彼は目の前に置かれた書類を見ることに夢中になっているだけ。
彼女が到着したのは既に知っていた。
礼法を考えると、入宮の際に大妃を迎えに行くのが普通だ。
しかし、彼は政務を口実に執務室に閉じこもっている。
セイブリアンは自身の弱さを嘲笑った。
彼は大妃を敬遠している。
それは憎悪ではない。
火で火傷したことのある人が火を恐れるように、大妃に向き合いたくないだけ。
そんな自分がおかしいことを知っていた。
早く結婚させたという理由で母親を敬遠するのは話にならない。
大妃は、ただ大妃らしく行動しただけ。
だから彼女を避ける理由は一つもないはず。
そんな思いに耽っていると、外が騒がしくなった。
セイブリアンは何事かと言わんばかりに目を向ける。
事態を把握し、侍従が戻ってきたのは刹那だった。
彼は丁寧に口を開く。
「大妃殿下が謁見を申し出ております」
「連れてこい」
後で嫌でも顔を合わせるのに、向こうから訪れてくるとは。
セイブリアンは、しばらくの間ため息をつく。
許可が下りるや否や、大妃が中に入ってきた。
彼女は自分の息子を見てニッコリ笑う。
「セイブリアン!久しぶりね」
「お元気でしたか、殿下」
セイブリアンの態度は事務的だった。
大妃が彼を抱きしめる。
「この薄情者。どうしてこの母に一度も会いに来ることができなかったのですか?」
「政務が忙しかったので、申し訳ありません」
感情がこもっていない謝罪だったが、大妃はすべてを理解するかのように、暖かく微笑んだ。
彼女はソファの片隅に座る。
「ふぅ、遠い道を来ると疲れるわね」
セイブリアンは大妃をチラッと見た。
あれこれ言い訳をして彼女を遠ざけていたが、久しぶりに見るとかなり年を取ったなと思う。
自分が覚えていた幼い頃とは全く違う姿。
顔には血の気もなく病色がハッキリしており、手足は痩せ細っていた。
少しだけ憐憫が湧くほどに。
「別宮に用意した寝室は気に入りましたか?」
「そうね、とても良かったわ。ところでセイブリアン、まだ子供の知らせはないのかしら?」
幸いにも憐憫は一瞬で消え去る。
合うや否や子供の話をするのを見ると、自分が覚えている大妃で合っていると思った。
「いいえ、まだありません」
「結婚して1年は経っているわよね?もしかして新しい王妃が不妊症だったり、欠点があるわけではないのでしょう?」
間違った話ではない。
王家の血を引く者に、不妊は致命的な欠点だ。
子供の頃、彼は似たような話を聞いていた。
以前だったら聞いても淡々としていたはず。
けれど、今は違った。
「大妃殿下」
セイブリアンが声を荒げる。
彼の両目は声ほど鋭かった。
「私の妻に欠点という言葉を使わないでください。子供が産めないことは非難の理由にはなりません」
母親だとして、アビゲールを侮辱することは許さない。
鋭い非難に大妃は驚いた様子だった。
「・・・変わったのね、セイブリアン」
彼女は笑いながら言った。
呆気に取られたように。
「会っていない間に、こんなに弱くて愚かになったとは知らなかったわ」
忘れていましたが、アビゲールの笑顔は初見の人には怖く見えていましたよね(笑)
本人は普通に笑っているはずなのですが・・・。
そして、セイブリアンと大妃の会話は王族らしい会話です。