こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は111話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
111話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side セイブリアン②
子供も母親も血縁に向けたものとは思えない声。
大妃は席を立ってセイブリアンに近づく。
「いいえ、変わったのではなく、そのままね。子供の頃よりは少し良くなったと思ったのに、何か変わったことはないの?結婚したから内心安堵したのに」
大妃は静かでゆったりとしていた。
この国の言葉を知らない人が聞けば、日常的な挨拶でも交わしていると思うほどに。
「それでも私は、あなたが王としての自覚はあると思っているわ。もしかして、本当のあの女性が不妊なわけではないのでしょう?」
「違います」
「そうよね。そんなはずがないわ。子供も産めない女性をそばに置いて生きるほど無責任ではないと信じているわ」
固まっていくセイブリアンの表情とは違い、大妃は依然として平穏なまま。
彼女はセイブリアンの肩にそっと手を上げた。
「あなたの義務を果たさないと。そうでしょう?」
「・・・」
彼は答えなかった。
大妃の言葉に肯定も否定もできない。
王位を継ぐ後継者を生むこと。
それは政治と同じくらい重要なのだから。
後継問題によって沈没した国の歴史は無数に存在する。
自分に早く子供を産むよう強要したことも、理性的に考えれば合理的な判断だ。
大妃は良い母親ではなかったかもしれないが、賢明な王妃だった。
それを知っているにもかかわらず返事ができない。
その姿をじっと見守っていた大妃が肩から手を離した。
「後継問題はあなたが上手くやるのよ」
大妃は疲れているようにソファに寄りかかる。
病弱な気配が顔だけでなく指先からも感じられた。
「それより、そろそろ私も本宮に戻る時期じゃなかった?」
大妃はややストレートに本題を切り出した。
セイブリアンは「大妃」という人物をよく知っている。
一見すると自分の味方のようだが、実質的に彼女が望むのは王の権限。
今はセイブリアンが15歳の子供でもないのに、彼女はその時と同じ摂政の役割をしたがる様子だった。
「私は多くのことを望んでいないわ。ただ本宮にだけ起居できればいいの。そして、私が戻ってきたら、あなたとしても得があるんじゃない?」
「どんな得ですか?」
「東部側で人魚によって被害があると聞いたわ」
「気にするほどの被害ではありません」
「もちろん今はそうでしょうね。モルッカから入ってきた情報だと、人魚たちの領域が広がっているそうね」
モルッカはネルゲンの東部に隣接する島国。
島国なので、人魚たちと最も対立が多い国家だ。
また、大妃の故郷でもある。
「人魚がこのまま領域を広げると、ネルゲンとしても頭が痛いでしょうが、戦争をするには失うものが多いわ」
「用件だけ仰ってください」
「モルッカと連合を結んで人魚を壊滅させた方が楽になるんじゃない?」
大妃は「壊滅」という言葉を爽やかに発音した。
まるで女中に掃除を指示するかのように。
「モルッカから嫁いだ国なら、十分に架け橋の役割をできると思うわ」
彼女は好人のように微笑む。
しかし、セイブリアンは笑わなかった。
大妃の腹の中が黒すぎて、笑おうとしても笑えないのだ。
「あなたが私のことを好きではないことは知っているわ。けれど冷静に判断しましょう、セイブリアン。王であるなら敵でも利用しなければならないじゃない?」
「その札が使えそうな札ならですね」
セイブリアンは大妃の提案に揺るがなかった。
彼は扉に向かい、自分の手でドアを開ける。
「お身体の具合が悪いと思いますので、この辺で休んでください」
勧誘のようだったが明らかに命令だった。
大妃は微笑んだまま席を立つ。
「人ではなく王として考えなさい、セイブリアン」
彼女はその一言を残したまま執務室を離れた。
side マゴ・フリードキン
「あまりやりすぎないで。ややもすると目立つかもしれないから」
マゴ大妃は遠くを眺めたまま話した。
彼女はソファに座って侍女に化粧を受けている。
普通、化粧と言えば顔を生き生きと華やかにするのが普通だ。
しかし、今の大妃が受けている化粧は、従来の化粧とは全く違うもの。
白粉で顔の血色を殺し、唇にはくすんだ桜色の紅を塗った。
すると、大妃の顔は病弱に見える。
彼女の顔には神経質なイライラが漂っていた。
ブランシュとアビゲール、セイブリアンの前にいた時とは全く違う表情で。
「大妃殿下、アビゲール様はお気に召しましたか?」
「アビゲール?」
侍女の質問に対し、「それは誰のこと?」というような表情を浮かべる。
アビゲールという名前を初めて聞くかのように。
「王妃様のお名前です」
「ああ・・・、そんな名前だったかしら」
新しい王妃の名前は重要ではない。
どうせ呼ぶこともないのだから。
アビゲールたちの前で見せた表情は偽りだったのですね。
そして、自分の子供さえも騙す大妃。
病弱も嘘だったとは・・・。
彼女の本質はかなり冷徹なようですね。