こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は117話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
117話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 遅すぎた甘え
アビゲールが言った言葉が思い浮かんだ。
やっとその言葉が理解できる。
ブランシュを厳しく責め立てれば、この子が強くなると、傷つかないと思っていた。
けれど、自分の教育がもたらした結果は凄惨だ。
こんなことを望んだのではなかった。
ブランシュ自ら傷だらけの道を歩かせたかったわけではない。
ブランシュにだけは後継の義務なんかを負わせたくなかった。
ところが、この子は自ら茨の道に進もうとしている。
「ブランシュ」
セイブリアンは思わずブランシュの名前を呼んだ。
声が震えているのが自分でも分かる。
胃の中で何かがむかついて火傷しそうだった。
「君が望まない結婚をする必要はない」
「しかし、お父様。私にこの国のお姫様です。私の義務を果たさなければ___」
「私はこの国を子供を売って富強にする国にするつもりはない」
セイブリアンは怒っているように見えた。
誰が・・・、誰があえてこの子の口から「義務」という単語を発するようにしたのだろうか?
それは他ならぬ自分だ。
自分への怒りだった。
ブランシュがショックを受けた表情で呟く。
「どうして婚約に反対するのですか、お父様。どうして・・・。私はお父様の助けになりたくて」
「そんな助けなんて要らない」
焦って言葉が短くなってしまう。
バラバラの言葉がブランシュにまともに伝わるはずもない。
彼女が挫折感にうなだれたとき、アビゲールの声が聞こえてきた。
「セイブリアン殿下」
セイブリアンはアビゲールを見つめた。
彼女は真剣な表情を浮かべている。
「ちゃんと言わないと伝わらないものがあります」
何をもっと話せば良いのか分からない。
アビゲールはゆっくりと話し続けた。
「殿下はブランシュが政略結婚をすることを望んでいませんよね?」
「ええ、その通りです」
「ブランシュが嫌いだからですか?」
「そんなはずがありません。私は・・・」
セイブリアンの声が少しずつ曇っていく。
彼は手を上げて自分の顔を包み込んだ。
しばらくして、言葉を選んでいた彼が辛うじて口を開く。
「ブランシュが幸せになることを願っているからです」
自分でも自覚できなかった本音。
セイブリアンはブランシュが幸せであることを願っていたのだ。
どうすれば幸せになるかは分からないが、それでも彼は切実にそれを願った。
娘が自分と同じ苦痛を受けないように。
自分が歩いた道に沿って歩かないように。
この子の雪原がひたすら癒されますように。
ようやく流れ出た本音にブランシュは驚いた目に。
彼女は震える声で尋ねた。
「本当に・・・、本当に私は結婚しなくても大丈夫なのですか?」
「そうだね」
「それが私の義務なのに?」
「そうだね」
王としては正しくない返事。
一生王として生きてきた彼なら、しなかった答えだ。
「東部民が心配で結婚すると言ったが、その必要はない。私がどんな手を使ってでも彼らを保護する。だからブランシュ、君は・・・」
耳元で声が聞こえてくる。
セイブリアン、お前は王だ。
王として考えろ、セイブリアン。
彼はその声を無視した。
一生彼を支えてきた言葉を無視したまま、セイブリアンは歯を食いしばって告げる。
「ひたすら君の幸せを考えろ」
セイブリアンには不慣れな単語だった。
幸せ。
彼には甘すぎて夢のような単語。
セイブリアンは気づいた。
今自分がブランシュに言った言葉は、幼い頃に自分自身が一番聞きたかった言葉だということを。
「欲しいものがあればいつでも言え。思う存分甘えてもいい」
「この言葉をもっと早く言うべきだった」とセイブリアンは後悔した。
そうしていれば、ブランシュのこのような表情を見る必要もなかっただろう。
ブランシュは11年ぶりに受ける父親の好意をどうすればいいか分からない様子だった。
愛されることも練習が必要だ。
初めて愛されてみると、それが愛なのか、どうやって受けなければならないのか分からない。
しかし、ブランシュは既に一度愛されたことがあった。
アビゲールからだ。
幼い姫は裾をギュッと握る。
そして、何かを決心したかのように、セイブリアンに向かって腕を広げた。
「抱きしめてください、パパ」
初めてパパと呼ぶ声は震えている。
父に初めて見せる甘え。
それは、遅すぎた甘えだった。
セイブリアンは立ち上がってブランシュの前で跪く。
そのまま娘を抱きしめた。
「ごめんね、ブランシュ」
彼の体は酷く震えていた。
抱きしめた子供は、あまりにも小さく軟弱だ。
もっと早くこのように抱きしめてあげなければならなかったが、遅すぎて申し訳ない気持ちを禁じ得なかった。
「あなたをもっと大切にし、優しくしてあげなければならなかったのに。本当に申し訳ない。私は父親としてあまりにも不足していた」
君が生まれた日、雪が降ったあの日。
君を抱いて愛していると言わなければならなかったのに。
そうしなければならなかったのに。
「それにもかかわらず、私のことをパパと呼んでくれてありがとう、ブランシュ」
ブランシュが少しずつ泣き出した。
平気なふりをしても寂しかった10年だ。
いつもこんな風に父親の懐に抱かれることを願っていた歳月だった。
セイブリアンが本音を伝えることが出来て良かったです!
アビゲールがいなかったら、この二人の関係が修復することはなかったでしょうね。
親子3人のお話は涙が出てきそうになります。