こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は198話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
198話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 航海
東部に到着して、いつの間にか5日が過ぎた。
領主との会談、演説、街頭行進、軍隊視察などで少し慌ただしい日々。
そして今は東部から少し離れた島に移動中だ。
島といはいえ小さな規模ではなく、東部地域の半分を占める大きさ。
ここはウンディナ家の小領主が治めていると聞いた。
歴訪に来た以上、会わなければならないだろう。
だから私たちは船に乗って移動中だった。
そして現在、私は偉大な自然の道理の前に跪いている。
「うぅ・・・」
船酔いだ。
もうお腹の中に入っているものはないのに、しきりに吐き気がして気持ち悪い。
前世は飛行機酔いで、今世は船酔い。
なぜこの世界には酔い止めがないのだろうか。
ああ、力が抜ける。
息を切らしているとノックの音が聞こえてきた。
「お母様、ブランシュです。入ってもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
許可が下りると、ブランシュが心配に満ちた表情で入ってくる。
その後ろにはセーブルも一緒だ。
「まだ辛いですか?」
「もう大丈夫です。早く治らなければならないのに・・・」
ああ、こんなに心配してくれるなら早く治さないと。
私はベッドから立ち上がった。
さっきよりは目眩はしない。
セーブルが急いで私を支えてくれた。
「もう少し横になっていてください、ビビ」
「横になりすぎて少しもどかしくて。少し起きたいです」
気持ちとしては外に出て海を見て風を浴びたいけど、そうしたらまた吐くだろう。
「部屋の中にだけいるので退屈でしょう?ヴェリテも一緒に来れれば良かったのですが」
現在、ヴェリテは別荘で待機している。
島に一緒に連れて行こうと思ったが、ヴェリテが断った。
ひとまず移動する度に大きな鏡を持ち歩けば人々が怪しむだろうし、今は一人で考えたいこともあると言ったのだ。
そういえば、昨夜散歩をした後、ヴェリテは急激に口数が少なくなった。
何か悩みでもあるのかな?
遅ればせながら思春期でも来たのかな?
「歴訪の日程に島を入れなければよかったです」
セーブルが少し自責するように言った。
私が酔い始めたとき、彼が船を引き返そうとするのを辛うじて防いだ。
「貴族が休養によく訪れる場所だというので含みましたが、こんなに苦労されると知っていたら私だけ行けばよかったです」
ふふふ、セーブル、あなたはなんでこんなに優しいの。
乗り物酔いは私が悪いのだから。
「いいえ、セイブリアン。私もとても楽しみですし、民が喜ぶ姿も見たいですから」
街頭行進をしているとき、私は民衆の歓声にとても驚いた。
実際、私は東部が人魚たちに脅かされているというので、雰囲気がとても落ち込んでいると思っていた。
けれど、港に来る途中に見た人たちの顔は明るく、衰えたり、気後れした感じもしなかった。
領主と税金の問題でも話し合ったが、セーブルは海で家族を失った者のための予算を追加することにしたのだ。
良い王様と良い領主がいるから東部の雰囲気は明るいのだろう。
民の顔を見ると、夫の有能さを改めて実感することができた。
「それなら幸いです。とりあえずもう少し寝てください。邪魔はしませんので」
私の頭を撫でてくれるセーブルの手が気持ちい。
私はそっと頷いた。
寝ているうちに回復するだろう。
セーブルが部屋を出ようとすると、ブランシュが少し迷っている表情を浮かべた。
「あの、お父様。お母様に話したいことがありますので、私はもう少しだけ残りますね」
「ああ、分かった」
セーブルはあえて理由を聞かずに部屋を出ていく。
うちの子が私に何か話したいことがあるのかな?
ブランシュは私のベッドの上に腰を下ろした。
「お母様、本当に大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。私を気にしているのなら心配しなくていいから、ブランシュは外に出てもいいのよ」
私が退屈だと思ってそばにいてくれるようだ。
だからといってブランシュも一日中部屋にいる必要はない。
「外に出て見物しましょう。海が綺麗だし、私の代わりにカモメに餌をあげてください」
酔う前は私もカモメにお菓子を投げて楽しんでいた。
その話を聞いてブランシュの表情が少し妙になる。
「あの、お母様。実はさっき少し変なことがありました」
「どうしたのですか?」
「それが・・・。なんだかカモメの言うことが聞こえた気がして・・・」
「そうなのね。カモメの言葉が・・・」
うん?
カモメの声が聞こえる?
慌てて頭の中がこじれてしまう。
どうやって聞こえたの?
とんでもない話だけど、ブランシュが嘘をつくはずがない。
そうするうちに、ふと動物たちがブランシュによく従っていたことが思い浮かんだ。
ウサギもそうだったし、鳥たちもそうだった。
ブランシュに魔力があるのかな?
そう考えていると、ブランシュの気後れした声が聞こえてくる。
「お母様、本当です。嘘じゃないんです・・・」
「ああ、もちろんです。もちろん信じているわ、ブランシュ。少し驚いてしまっただけよ」
私が返事をしないから嘘だと思われていると考えたようだ。
私は立ち上がってブランシュの頭を撫でる。
「すごいですね、ブランシュ。魔法の才能があるのかもしれません」
「魔法ですか?」
魔法という単語を聞いてブランシュの顔色が明るくなった。
ヴェリテが今ここにいるなら、すぐに確認できるのに。
「動物の話が聞こえたのを見ると、その確率は高くないでしょうか?戻ったら確認してみましょうね。ところでカモメは何と言っていたのですか?」
「えっと、それがちゃんと聞こえたわけではないのですが・・・」
ブランシュはカモメの言葉を何と伝えるべきか、少し悩んでいる様子だった。
しばらくして彼女が口を開く。
「もうすぐ風が荒れそうだと言いました」
ブランシュにも魔法の才能があるかもしれませんね!
ただし、動物の声が聞こえるという魔法はあるのでしょうか?
カモメの言葉も不穏ですね・・・。