できるメイド様

できるメイド様【55話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「できるメイド様」を紹介させていただきます。

今回は55をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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特技が一つもない冴えない侍女マリ。

いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。

「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」

死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。

「万能な人になりたいです」

その日からとても神秘的な夢を見始めることに。

完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!

夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!

マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。

ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。

キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。

オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。

ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。

オスカー:第十皇子殿下。

アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。

レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。

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55話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 皇太子の悩み

「で、殿下!?どうしてここに来られたのですか?」

「ああ、通りすがりに言いたいことがあって立ち寄った」

「し、少々お待ちくださいませ。何をしているの?早くお茶を出して!」

アリエルは突然の皇太子の訪問に驚き、慌てて叫んだ。

一体皇太子がこの時間にどうして?

しかも、いつも着用していた仮面もつけていない。

夜を一緒に過ごすために来たのかと思ったが、そうではないようだった。

何よりも皇太子の雰囲気が良くない。

何か不愉快な様子?

「殿下?どうされたのでしょうか?」

アリエルはなぜか不安を感じて慎重に尋ねた。

皇太子はしばらく黙ったまま。

その沈黙が長くなるほど、アリエルの胸はますますハラハラしていった。

やがて皇太子が口を開く。

「言いたいことがあって来た」

「どうぞ、殿下」

「あなたはこの帝国の皇室で礼法の意味を知っているのか?」

「・・・!」

アリエルの顔が白くなる。

知らないはずがなかった。

皇室や皇太子が最も大切にしている眷属に授ける名誉爵位。

彼女は皇太子がなぜこんな夜遅くに自分を訪ねてきたのかを悟る。

今、この皇室で名誉爵位を受けた人物はたった一人なのだから。

「ヒルデルンは私の最も大切な存在だ。今日のようなことが再び私の耳に入ってこないことを願っている」

 



 

ラエルはアリエルの部屋を出た後、深くため息をついた。

「はぁ」

今日、離宮でアリエルがマリにしたことを偶然に伝え聞いた瞬間、ラエルはゾッとする怒りが込み上げてきた。

今すぐアリエルを処刑にしろと言いたかったことを我慢するのがどれほど大変だったか。

もしあのまま彼女に会っていたら感情をコントロールできず、大きなミスを犯しそうで辛うじて自制した。

「もう二度とこんなことはないだろう」

分かるように言ったのだから、アリエルが再びマリに危害を加えることはないはず。

それは心配していないが、問題があった・・・。

「私は一体どうすればいいのか」

ラエルは深くため息をつく。

直に皇太子妃の選択が終わる瞬間が来る。

アリエルとレイチェルのどちらかを選んで妻に迎えなければならない。

そうしないといけないのに・・・。

「なぜ私はずっとあなただけを思い浮かべてしまうのだろうか?」

彼を延々と苦しめる心。

この問題を思い出すたびにマリの顔だけが思い浮かんだ。

「ただこうやってそばに置くだけで幸せだと思っていたのに」

皇太子は苦々しく呟いた。

マリと西南部地方を訪れて思った。

自分の女性にできなくても、それでもただこうやって一緒にいられるだけでも幸せだと。

しかし、そうではなかった。

全然違う。

ただ一緒にいるだけでは、この渇望を満たすことはできなかった。

むしろ一緒にいるほど燃え上がる気持ちが大きくなるだけ。

彼女を自分のものにしたかった。

こんな虚しいだけの所有ではなく、彼女の心と体、すべてを自分のものとして抱きしめたかった。

(じゃあ、そうすればいいのでは?)

「ダメだ」

自分の内なる気持ちに気づき、すぐにラエルは唇を強く噛んだ。

「はぁ、どうすればいいんだ」

身分の問題だけではない。

自分のこの帝国の支配者。

自分の人生は全て、この帝国のためのものだ。

数多くの血に染まった内戦を終わらせ、そう誓ったじゃないか。

「私の結婚は最も立派な政治道具だ。私は帝国に利益になる結婚をする義務がある」

彼はそう思った。

しかし、なぜしきりにアルモンドの言葉が思い浮かぶのだろうか。

『時には複雑な事情より、本人の率直な感情が必要な時があります』

 



 

ラエルが再びため息をついているとき、低い声が彼を呼んだ。

「皇太子殿下にお目にかかります」

ラエルはギョッとして表情を固めた。

馴染みのある声。

「キエル?」

現れたのはキエルハーン侯爵。

彼はいつもと違って固い顔で皇太子を眺めていた。

「どうした?」

皇帝がいる慈雲宮と、ここ別宮は距離がかなりあり、偶然出会う場所ではない。

「実は殿下に申し上げたいことがあって来ました」

「何だ?」

「マリちゃんについてです」

「・・・!?」

キエルは青い目を上げてラエルを見た。

宝石のような青い瞳には薄い怒りが混じっている。

「マリちゃんに対して軽い気持ちで接しているのなら止めてください」

「何?」

「マリちゃんが殿下には軽い存在かしれませんが、誰かにとっては何よりも大切な存在かもしれませんので」

ラエルの顔が硬くなる。

彼は冷たい目でキエルを睨んだ。

「それはどういう意味だ?その誰かとは君のことなのか?」

「・・・」

キエルは否定しなかった。

ラエルが低い声で話す。

「マリを大事にするのは私も同じだ。絶対に軽く思っているわけではない」

「そうなのですか。では、なぜ今日のようなことが起きたのですか?」

「・・・!」

ラエルの唇が固く閉ざされる。

「もしマリちゃんを大事にしていないのなら、曖昧な態度はやめてください」

キエルは無礼を犯したかのように頭を下げた。

「無礼な言葉をお詫び申し上げます。ですが、今日私が申し上げたことは真剣に考えてください。黙って、切ない気持ちで彼女だけを見つめている人もいますので」

「・・・」

「それではこれで失礼します」

キエルは振り向いて離宮から離れていった。

ラエルは青白く固い表情で、その後ろ姿を見つめる。

 



 

皇太子に対して苦言するキエル。

ラエルも良いですが、キエルも良いですよね!

アリエルはこれで舞台から退場でしょうか?

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