こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は62話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
62話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 秘密の通路
マリは秘密の通路を探し始めた。
ただし主要容疑者の身分で監獄を抜け出して捜査に臨むことに大臣たちと摩擦があったが、皇太子が自身の権限を使ってもみ消した。
「すべてのことの責任は私が負う」
皇太子の責任。
その一言で人々は口をつぐんだ。
マリは彼が自分のためにどれだけ大きな負担を負っているのかを知っているので、心の中で誓った。
(必ず犯人を捕まえる。私のために、そして皇太子殿下のために)
大聖堂には彼女の調査を助けるために親衛隊の騎士がいた。
「隔室はこちらです。お入りください、フォン・ヒルデルン」
「ありがとうございます」
マリは固い表情で隔室の中を眺める。
(考えよう)
彼女はできるだけ「夢の中の怪盗」の立場になって考えるように努力した。
(泥棒を一番よく知っているのは泥棒なのだから)
彼女はまず、隔室全体を綿密に調べた。
秘密通路の跡を発見できると思ったからだ。
しかし、秘密通路の跡は全く見えない。
マリは「夢の中の怪盗」だったら、このような状況でどうしただろうかと悩んだ。
きっと埃を払うように無闇に探すわけではないだろう。
その瞬間だった。
彼女の頭の中に秘密の通路を見つける方法がヒラヒラと浮かんだ。
「空間!」
聖堂の関係者が不審そうな表情で尋ねる。
「空間ですって?どういうことですか、フォン・ヒルデルン?」
「もしかして、この聖堂に構造図はありますか?」
「あまりにも古い建物なので、構造図はありませんが・・・?」
マリは皇太子に切羽詰まった。
「殿下、この隔室内の各部屋と聖堂全体の構造図を作らなければなりません」
「構造図?」
明敏な皇太子は、マリが何を言っているのかすぐに気づく。
「なるほど!構造図を作れば秘密の通路がどこにあるのか分かるんだね」
「はい、計測した構造図上に空きスペースが生まれれば、そこが秘密通路のある場所でしょう」
マリが今言った方法は、夢の中の怪盗が城の秘密通路を探す時に使う方法だった。
皇太子は感心した表情を浮かべる。
彼女の言葉は正しかった。
秘密通路が本当にあるなら、計測時にポツンと空いた空間が表示されるだろう。
「素晴らしい考えだ。今すぐ施行しよう」
皇太子が命を下すと、事が着々と進んだ。
建物を建てる建築士たちが来て聖堂全体の構造と隔室の広さ、天井、各面の長さなどを計測し、隔室内の部屋も別に計測した。
そのようにしばらくして構造図が完成し、その構造図を見たマリは呻き声を上げる。
「ここに空いた空間が・・・」
隔室の左側に位置する部屋の奥。
そうでなくても他の部屋より狭い方だったが、ちょうど人一人が通るほどの広さの空間が空いていた。
「柱がある位置ではないのか?」
皇太子は、空いた空間が聖堂を支えるための構造物ではないかと尋ねる。
しかし、建築士たちは首を横に振った。
「いいえ。建物の構造上、柱や他の構造物がある場所ではありません」
「なるほど。それでは、やはりここが秘密の通路なのか?」
皇太子はマリを見つめながら言った。
「その可能性が高いと思います」
彼女はうなずく。
しかし、問題があった。
ただの石壁なので、どうやって秘密の通路を開くのか分からなかったのだ。
(いいえ、秘密の通路を開く装置があるはず。それも周囲に、目立たない形で)
マリは再び「怪盗」の心に戻り、周囲を見回した。
(秘密の通路は緊急時に使うために作ったもの。だからきっとこの近くに操作しやすい装置があるはず)
その装置を探さなければならなかった。
そのように周りを見回していた彼女の目に異質な物が見える。
壁にぶら下がっている燭台。
どれだけ古いのか鉄全体が錆びていた。
ところが彼女は燭台のサビが微かに落ちているのを発見する。
誰かが最近触ったような痕跡だ。
(もしかして?)
マリの胸に「怪盗」の直感がよぎった。
彼女は燭台を掴む。
「フォン・ヒルデルン?それは触れてはいけない・・・」
突然の彼女の行動に聖堂関係者は当惑したが、マリは直感的に燭台を下方向に引っ張った。
「フォン・ヒルデルン!?」
聖堂関係者が驚いて声を上げた瞬間。
「・・・!」
皆がビックリして目を大きく開けた。
人一人がやっと通れるような地下通路が現れたのだ!
300年の歳月を飛ばして発見された秘密の通路の存在に、皇居は大騒ぎになる。
「本当に秘密の通路が存在したとは」
皇太子はもう一度感嘆してマリを眺めた。
今更のことでもないが、彼女を見るといつも感心するようになる。
それと同時に大きくなる彼女への渇望。
彼女と一緒にいたい。
単に彼女の才能が優れているからではない。
ラエルは、このように彼女と一緒にいるのが好きだった。
彼女と話すのが好きで、彼女が能力を見せるのも好きだった。
彼女の全てが良かった。
ずっと永遠に、いや、ただ一緒にいるだけじゃなくて。
秘密の通路が無事に見つかって良かったです。
残るは聖杯の場所ですが、通路の先はどこに繋がっているのでしょうか?