こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は173話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

173話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 月の光を受けて
「ああ・・・へ、陛下」
予期せぬキスにマリはうめき声を上げる。
いつもより強烈で荒いキスだった。
まるで自分のすべてが征服されるようなキスに力が抜けて、彼女はたじろいだ。
壁に背を向けたが、ラエルは止まらなかった。
片手で彼女を腰に抱きかかえたまま、舌で彼女を溺れさせる。
「はあ」
彼はずっと強烈なキスをした後、ぼうっとしている彼女に向かって言った。
「私をあまり刺激しないように。ただでさえ今からでもすぐにあなたが欲しくておかしく
なりそうだから」
「・・・はい」
マリはうなずく。
事実、特別に刺激したことはなかったが、本当に食うような目つきだったので、何とも話すことができなかった。
「行くよ」
「・・・はい」
こうしてマリはラエルのエスコートを受けて野外パーティー会場に向かった。
わあ!
彼らが到着すると、騎士たちの力強い拍手と歓声で迎えられた。
ラエルは言った。
「私たちだけの席なので、気軽に楽しめるように。今日は酔っても許してやる」
「ありがとうございます!」
パーティー会場は王城の裏庭で、ただバーベキュー焼きを伴った騎士同士の飲み会に近かった。
特に招待した人数もなく、彼らは楽に酒を飲んだ。
「陛下、私が一杯差し上げます!」
「陛下ではない。今はウィンター伯爵だ」
「ああ、まあ、私たちだけですから、構わないではないですか。とにかく陛下、いや、伯爵様!所信が一杯上げます!」
すでにたくさん飲んだのか、顔が赤くなった騎士が酒を勧めてきた。
ラエルはニヤリと笑いながらグラスを受け取る。
「あまりたくさんあげないように。ヒルデルン子爵をエスコートしなければならないから」
「そんなものがどこにあるんですか!今日は飲まないと!」
マリはその親しみやすい姿に不思議な気持ちになった。
(確かに近衛騎士団は内戦が始まる前から陛下についてきた人たちだから、戦友同然よね)
騎士たちはラエルにアルコールを勧め続けた。
彼らだけでいるので、さらに隔意がないようだった。
少しずつもらって飲んだものがたまっていると、ラエルも酔いが上がってくるようだった。
その時、ある騎士がマリに近づき、ひざまずいて言った。
「皇后さまも一杯お受け取りください!」
ラエルは眉をひそめた。
「え?」
アルモンドも止めた。
「酔っ払いは退け」
その時、マリが意外な行動をとる。
「大丈夫です。飲めます」
騎士が渡した酒を受け取って、すっと飲み込んだのだ。
わあ!
そんな予備皇后の姿に騎士たちが歓声を上げた。
「皇后さま万歳!」
「帝国万歳!」
すると、騎士たちが1人、2人と近づいてきて、彼女に酒を渡した。
「ランソンと申します!一杯差し上げます、皇后様!」
「あ、いや・・・。まだ皇后ではないんだけど」
「私はカールトンです!尊敬します、皇后様! 」
「私はケミングです!愛してます、皇后様!」
しばらく見守っていたラエルは、彼女に果てしなく酒が入ると、急いで彼らを止めた。
「ストップ!ストップ!」
しかし、すでに手遅れだった。
マリは赤くなった顔でしゃっくりをした。
「クウッ。陛下、陛下?陛下も一杯・・・」
ラエルは額に手を当てて首を横に振る。
「帰って休まないと」
「うう、そんな・・・」
「いや、だめだ。入ろう」
「も、もう少し飲みたいんだけど・・・」
ラエルは彼女が泣き言を言った後、酒を飲ませた者たちを睨みつける。
「君たち。またね」
ラエルはマリを抱きしめるように支え、一緒に彼女の部屋に入った。
「閣下?:
「冷たいはちみつ水を持ってくるように」
メイドに命じたラエルは気をつけて彼女をベッドに寝かせる。
「はあ」
彼は乱れたまま横になっているマリを見て深くため息をついた。
「いったいこんなに無防備だから。どんな目に遭おうとしているんだ」
ただでさえ彼女に向けられた感情を抑えるのが難しいのに、あのように乱れている姿を見ていると胸が揺れ動いた。
彼は彼女のそばに座り、頭をなでる。
「君は知らないだろう。私があなたをどれほど望んでいるのか、あなたのためにどれほど胸を痛めているのか」
酔ってはいたものの、正気のマリは彼の話を間いて首を横に振った。
「私も知っています」
「いや、あなたは知らない」
ラエルは頭を下げて低い声で話した。
「あなたは絶対に分からないだろう。この痛みを」
しかし、マリは心の中で首を横に振った。
彼女も知っている。
彼女も彼を愛しているから。
見るだけで胸がいっぱいになりながら幸せで。
残念ながら不安で痛い感情を知らないはずがない。
その時、女中がはちみつの水を持ってきた。
ラエルはマリを立たせ、はちみつ水を飲ませる。
「ゆっくり飲むように」
「ありがとうございます」
そして彼は席から立ち上がった。
「ゆっくり休むように」
その時、マリが彼を捕まえる。
「あの・・・」
マリはリンゴのように顔を赤らめながら言った。
「もう少し・・・もう少しダメですか?」
「・・・駄目だ。休め」
ラエルは首を横に振る。
ダメだ。
ただでさえ彼女を持ちたいという気持ちを抑えきれない状態だった。
このままもっと一緒にいたら、もう我慢できないかもしれない。
しかし、マリは言った。
「もうすぐ会えなくなるから、もう少しだけ一緒にいたいから・・・」
「・・・」
「簡単にもう一杯だけ飲んではいけないでしょうか?」
マリは切実な声で言った。
このまま彼を行かせたくなかった。
なんだかそうしてはいけないような気がして。
ラエルは再びため息をつく。
あんなことを言うのに断れる男がどこにいるだろうか?
「一杯だけだ」
「はい、一杯だけ」
「本当に一杯だけだよ」
ラエルは自分自身に強調するように話した。
それ以上飲んではいけないと思った。
マリはうなずく。
「はい」
そうして二人はソファーに並んで座り、酒を飲み始めた。
「えへヘ。こんな風に陛下とお酒を飲むなんて。夢のようです」
「何が夢みたいなの?」
「お互いに仲のいい友逹になったみたいじゃないですか。こんなに気楽にお酒も飲んで、以前は想像もできなかったのに」
ラエルはその明るい言葉に心の中でうめき声を上げる。
「いい友逹だって?違うよ」
彼はちらっと彼女の隣に座った。
ただでさえ露出のある宴会用ドレスを着ていた彼女は、酒に酔ったせいかすっかり乱れていた。
服の間から見える白い肌と、ほんのりと変わった顔を見るたびに、ラエルは燃え上がる欲望のために狂いそうだった。
今すぐにでも彼女が欲しかった。
そばに座ったせいで手と肩が動く度にすれ違ったが、その度に心臓がガタガタと落ちた。
ラエルは首を横に振り、口を開く。
「マリ、愛してる」
「・・・」
「どんなことがあっても、どんなことがあって愛してる」
彼の心のこもった声が彼女の胸に響き渡った。
マリの瞳が揺れる。
「はい、陛下。私も・・・私も愛しています」
誰が先ということもなく、お互いの唇が重なる。
お互いへの渇望と愛が入り混じった。
耐え難い所有欲がお互いに向かって走った。
優しく始めたキスは次第に熱くなり、やがて荒々しくなるほど激しくなる。
「ああ、陛下・・・」
マリはうめき声を上げたが、ラエルは止まらなかった。
むしろますます執拗に掘り下げた。
相手のすべてを自分のものにするかのように、所有欲に満ちたキスだった。
彼女への気持ちがあまりにも強烈で、切なくも感じられた。
ラエルの唇が彼女の唇から降りてきて、首をよじった。
「陛下、陛下」
彼の舌が肌に触れるたびに、マリは抑えきれない刺激にうめき声を上げる。
しかし、ラエルは止まらなかった。
いくら酔っても物足りなかった。
喉の渇きが酷くなるだけだ。
君を持てばこの渇きが少しは解消されるだろうか?
ラエルは歯を食いしばって彼女を見る。
とてもこの心を押さえつけることができなかった。
その時だった。
マリは彼の首を抱えながら震える声で言った。
「愛しています。ラエル。本当に・・・」
その言葉を聞いた瞬間、ラエルの頭の中で何かがぷつんと切れた。
彼は再びマリの唇を襲う。
彼女の体は自然に後ろに倒れ、彼は倒れた彼女を上から見下ろすようになった。
「・・・」
すぐに起こることを直感したマリの目が震える。
覚悟していたが、いざやってくると心が震えた。
しかし、だからといって断らなかった。
ラエルはゆっくりと柔らかい手で彼女の頬を撫でた。
「私も愛してる。私の命よりもあなたを愛している」
マリは目を閉じた。
「はい、私もです」
ラエルの顔が彼女の方に近づく。
こうして二人は月の光を受けて一つになった。
しばらく会えなくなる二人ですが、気持ちが通じ合って良かったです。
大きな困難も乗り越えられるでしょう。







