こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は84話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
84話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 拒絶は許さない
「マリちゃん、大丈夫でしたか?」
「はい、楽しかったです。よく導いてくださってありがとうございます」
ホールから降りてきたマリは額に少し流れる汗を拭く。
あまりにも上手に導いてくれたおかげで、問題なくダンスを終えることができた。
「それではしばらく休んだ後、もう一曲踊りますか?」
マリは何も考えずに頷こうとして立ち止まる。
なんとなく背後からひんやりとした感じがしたのだ。
(何だろう?)
不思議そうな顔で首を傾げた彼女の体がこわばった。
皇太子が燃えるような瞳で彼女を眺めていたのだ。
「こ、皇太子殿下にお目にかかります」
マリは慌てて頭を下げる。
(どうしたの?)
この近くで他に用事があるのかと思ったが、そんなはずはなかった。
ラエルは彼女に会いにきたのだ。
「・・・」
彼は何も言わずにマリを見つめる。
何か言いたいことがとても多いような雰囲気だったが、ラエルは口を固く閉ざして開かない。
マリをその目つきを見て不愉快になる。
悪いことをしていないのに、なぜかすごく嫌な予感がした。
(ど、どうしよう?いや、私が特に悪いことをしたことはないんだけど・・・)
マリが途方に暮れていたとき、キエルが彼女の前に出る。
まるで皇太子の視線から彼女を守るように。
「どうしたのですか、殿下?何か言いたいことでも?」
皇太子が非常に低い声で答える。
「退け」
「・・・!」
「私は君ではなくマリに用事がある」
キエルの表情が固まった。
彼は引き下がらず、礼儀正しいが強い声で話す。
「マリちゃんは今私のパートナーです。彼女にどんな用事があるのか私も気になりますね」
その言葉に皇太子はキエルを冷たく睨んだ。
肌が切られるような冷たい目つきで。
「お前・・・」
その瞬間、自分を間に置いて二人の雰囲気が急速に悪くなると、マリが慌てて二人の間に出た。
「ちょ、ちょっと待ってください!私は大丈夫ですから仰ってください、殿下!」
マリが二人の間に挟まって顔色を伺う。
(一体どういうこと!?私を挟んでこんな大騒ぎするなんて!)
「「・・・」」
ラエルとキエルの間にしばらく静寂が流れた。
二人とも鋭い目つきで睨み合っている。
「仰ってください、殿下!」
ラエルは少しため息をつき、マリに視線を向けた。
そして白い手袋をはめた手を彼女に差し出す。
「・・・?」
マリが不思議そうな顔をしたとき、彼は全く予想外のことを口にする。
「ダンスを申し込みに来た」
「・・・え?」
「私と踊ってくれないか、マリ?」
「・・・!」
その思いがけない提案にマリの顔が白くなった。
「で、殿下とダンスを?」
ダメ、絶対にダメよ。
キエルとも何とか踊ったのに、どうして皇太子と踊れるの?
しかし、ラエルはさらに一言告げる。
「参考までに拒絶は許さない」
マリは白い顔でホールに上がった。
帝国三大貴族の一人であるキエルハーンと踊った後、続いて皇太子と踊る彼女を見て人々は驚いた表情を浮かべる。
「今年の新年宴会の主人公は、誰でもないフォン・ヒルデルンみたいですね」
「そうですね。今、天使の音楽のような演奏を見せてくれて、帝国で最も美しい二人の男性と相次いでダンスだなんて。本当に羨ましいです」
宴会場の貴婦人たちが羨ましげな表情で騒いだ。
「ところで、あの噂はやはり事実なのでしょうか?」
「噂ですか?」
「殿下がフォン・ヒルデルンに心があるという噂が皇居に広まっていました」
「本当ですか?」
「はい、私も半信半疑でしたが、殿下が直接ダンスを申し込んだので間違いではないかもしれません」
宴会で踊ることは極めて稀な皇太子だった。
そんな彼が直接ダンスを申し込むなんて、目を丸くする出来事だ。
「それでは、皇太子妃はフォン・ヒルデルンになるのでしょうか?」
「それは分かりません」
「なぜですか?身分のせいですか?確かに皇太子妃になるには、フォン・ヒルデルンの身分は低いと思いますが」
しかし、質問を受けた貴婦人は首を横に振った。
「身分もそうですが、キエルハーン侯爵閣下も彼女に心があるという噂なんですよ」
「本当ですか?」
その言葉に他の人たちは驚いた表情を浮かべる。
「ええ、今日キエルハーン侯爵閣下が彼女をエスコートしたのを見てください。元々こういう宴会には一切関心がない方なのに」
「確かに・・・」
「とにかく侯爵閣下もフォン・ヒルデルンに心があるので、彼女が皇太子妃になるかどうかは、もう少し様子を見なければならないようです」
人々は興味深げにマリを見つめた。
ラエルが強引にダンスを申し込みましたね。
さすがに皇太子からのダンスを断ることはできないでしょう。
マリ本人はどちらの求愛も拒否しましたが、周りの人たちが騒ぎ始めましたね。
ダンスは無事に終わるのでしょうか?