こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は68話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
68話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ラエルの苦悩
午後遅くなった後、狩りに出た騎士たちが兵舎に戻ってきた。
やはり最も多くの猛獣を狩ったのは皇太子だ。
彼は猛獣で血まみれのマントをはためかせながら命じる。
「みんなお疲れ様。明日も大変な日程になるから、怪我をした人は傷を治療して、十分食べてゆっくり休むように」
「分かりました、殿下!」
騎士たちが力強い歓声で答えた。
その姿を見てマリは内心安堵の息を吐く。
(幸い何事もなかったのね)
すぐに陣営が騒々しくなる。
侍従たちは騎士たちが捕まえてきた猛獣たちの皮を分離し、薪に火をつけて焼き物料理を始めた。
今日一日中苦労した騎士たちは、少し緩んだ顔で焚き火の周りに座り、食べ物と軽いお酒を飲んだ。
温かい焚き火にイノシシ焼き、軽いお酒もあるので自然に雰囲気が盛り上がる。
猛獣を捕まえる狩りでも戦争に出たわけでもないので、ラエルも楽しい雰囲気を妨げなかった。
「明日も狩りに出かけなければならないから、少しずつ飲むように」
「分かりました!肝に銘じます!」
注意したラエルは、彼のために設置された兵舎に入る。
「今日一日お疲れ様でした」
兵舎の中には彼の専属侍女マリが彼を待っていた。
「食事にしますか?それとも先に洗われますか?」
しかし、彼の反応がおかしい。
青い目でじっと彼女を見つめるだけで、何の返事もなかったのだ。
マリは首を傾げて尋ねる。
「殿下?」
「・・・いいや」
ラエルはしばらくじっとしていたが、首を横に振った。
「先に簡単に洗うようにしよう」
「はい、それではすぐに準備します」
マリはどこか変なラエルの姿を怪しんだが、あまり気にせずに彼が洗う準備をする。
一方、ラエルはそんなマリの姿を見て、心の中で長くため息をついた。
(はぁ、おかしくなりそうだ)
彼がため息をつく理由はいつも同じだ。
彼女に対する自分の気持ちのため。
(たった一日会っていないだけで、こんな気持ちになるなんて・・・)
狩りを始めた時、ラエルは気分が良かった。
ただでさえ最近頭が複雑だったが、外遊に出て狩りをしたら気分転換になったのだ。
彼は全ての考えを空けて、狩りに没頭した。
しかし、どれくらいの時間が経っただろうか?
ラエルはしきりに物足りない気がして首を傾げ、一つの事実に気づく。
最近、いつも自分のそばについていたマリがいなかったのだ。
ラエルはその事実に気づいて呆れる。
いやいや、全然遠くなったわけでもないし、たった半日離れただけで物足りなくなる?
自分が狂っていると思い、彼は狩りにさらに没頭した。
何度も思い出す彼女の考えを振り払うために。
しかし、振り払おうとすればするほど、マリを思い出し続けた。
今兵舎の中で彼女は何をしているのか、ご飯は食べたのか、何を考えているのか、もしかして自分のことを考えてるのではないか。
彼女についてありとあらゆることが考えられ、その考えは結局一つに帰結した。
会いたい。
たった半日離れていただけなのに、マリに会いたかった。
それも切に。
おかしなことだ。
その時、ラエルの心の奥底から声が聞こえた。
(認めろ。お前は彼女から抜け出せない)
「そうだな」
そう、そうかもしれない。
すでに彼の心はすべて彼女のことで覆われていたのだから。
その時、マリがラエルに近づく。
「洗う準備ができました。鎧を脱がさせていただきます」
その言葉にラエルがギクシャクした表情で首を横に振った。
「いや、自分で脱ぐ」
彼は今、森で動きやすい皮の鎧を着ていた。
鎧の構造上、脱ぐためには彼女の手が彼の体に触れないといけない。
困惑することになるのは明らかなので断ったのだ。
「殿下がですか?」
しかし、マリは戸惑った表情を浮かべる。
「手が届かないのではないでしょうか?」
「・・・」
ラエルは口をつぐんだ。
マリの言葉は正しかったから。
(くそっ、どうして鎧をこんな風に作った。一人で脱げるようにしないと)
結局、彼女の手が鎧の紐を解くために彼の肩に触れ、彼女の手の感触を感じた瞬間、ラエルは思わずビクッとした。
「殿下?もしかして不便でしょうか?」
不便だ。
とても不便だ。
ラエルはマリの手が自分の体に触れるたびに困惑したが、唾を飲み込んで我慢せざるを得なかった。
「大丈夫だ。できるだけ早く脱がせるように」
「はい、分かりました」
マリはとても不便そうな彼の表情に自分が何かミスをしたのか悩みながら彼の鎧を脱がせる。
ようやく鎧が剥がれて彼女の手が自分から落ちると、ラエルは安堵のため息をついた。
「もういい。残りは自分で出来るから・・・」
しかし、ラエルの受難(?)はまだ終わっていない。
「殿下、この傷は?」
鎧を脱いだ後、腕に刻まれた長い傷にマリが目を大きく開いたのだ。
ラエルは大したことのないように答えた。
「ああ、オオカミの爪に引っかかれただけだ。大きな傷ではないから気にしなくていい」
実際、この傷は途中でマリの考えに陥って、誤って負ったものだ。
幸い深くなかったので、放っておいても問題なさそうなのでラエルは兵舎の内側に用意された浴槽でそのまま洗いに入ろうとした。
しかし、マリが彼を捕まえる。
「ダメです、殿下!きちんと消毒をしなければなりません」
ラエルがマリにぞっこんですね。
半日程度合わないだけでここまでになるとは・・・。
マリに傷を見られたラエルですが、この後どうなるのでしょうか?