こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は88話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
88話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 今週末の予定は?
「どうしよう?」
その時、アルモンドは何をそんなことで悩んでいるのかというような声で言った。
「皇太子殿下に頼めばいいのではないか」
「皇太子殿下にお願い・・・!?」
「どうして?喜んで受け入れてくれると思うが?」
マリは固く口をつぐんだ。
最近の皇太子の行動を見ると、確かに自分のエスコート要請を断ることはなさそうだ。
むしろ喜ばれる気がする。
(けれど、やっぱり殿下のエスコートを受けるのは・・・。むしろ一人で行くと考えれば一人でも大丈夫よね?)
そう結論付けたマリは首を横に振った。
「いっそ一人で行かなければなりません。皇太子殿下には申し上げないでください」
「ふむ」
アルモンドがアゴを撫でる。
誰が見ても密かに皇太子に言うようで、彼女は強く言い直した。
「絶対に殿下に申し上げてはいけません。分かりましたか?」
「ふむ、さあ」
「子爵様!」
それから数日が過ぎた。
幸いなことに、マリの懇願のおかげで、アルモンドが何も言わなかったのか、皇太子はカラクタ伯爵の宴会について特別な言葉はなかった。
(よかった。宴会は一人で行かないと)
エスコートを受けずに出席するレディーは誰もいないだろうが、まあ、関係ない。
(ところで・・・、あの日のことに対して何の話もないのね)
マリは書類を検討しながらラエルの顔をチラリと見る。
もう彼女がとても楽になったのか、二人きりの時はたびたび仮面を脱いでいた。
おかげで今彼は絵のように美しい顔をそのまま表していたが、一寸の揺れもない表情だ。
(あの時のこと、全然気にしていないのかな?私は・・・、すごく気になるんだけど)
マリの気が散る。
『そのまま君を攫ってしまうかもしれない。だから私をあまり刺激しないでくれ。これは警告だよ』
ラエルが自分に投げた言葉が浮かんだ。
それだけではない。
彼と向き合うたびに、自分の腰を包み込んでいた腕、固い体、柔らかな体香。
その全てが生き生きと浮かび上がってくる。
「・・・はあ」
マリは複雑な気持ちでため息をついた。
「どうした?」
「あ、いいえ!」
「もしかして体の調子が悪いのか?体の調子が悪ければ我慢しないで、すぐに言うように」
「大丈夫です」
マリはぎこちない表情で答える。
「マリ、この書類に書かれた件についてはどう思う?」
皇太子の公的なことを聞かれると、マリは急いで書類を調べた。
「アヘン中毒事件・・・」
帝国は麻薬を厳しく禁止している。
しかし、どれだけ努力しても麻薬を完全に根絶することはできなかったが、なぜか最近になってますます麻薬摘発件数が増える傾向だった。
「もう少し厳しく取り締まる必要があると思われます」
「当然そうすべきだろう。ところで、それだけでいいのか?」
もちろんそうではない。
マリは首を横に振りながら答えた。
「単純に中毒者を摘発するだけではいけません。最近になって麻薬摘発件数が増えたのは、確かに首都郊外のどこかで麻薬密売が盛んだということです。その密売自体を根絶しなければなりません」
ラエルは頷く。
「私の考えも同じだ。治安を担当する内務大臣にその内容を伝えてもらうように」
「はい、殿下」
命に従うためにマリが席を立つと、ラエルが意外な問いをした。
「マリ、好きな花はあるかな?」
「薔薇が好きですが」
「好きなケーキは?」
「・・・生クリームケーキが」
どうしてこんなことを聞くのだろうか?
首を傾げると、皇太子の次の言葉にマリはドキッとする。
「それじゃあ今週末に何か予定はあるかな?」
「・・・!」
今週末、カラクタ伯爵の宴会が予定された日だ。
マリは適当に言い繕う。
「し、知り合いが招待してくれて、ちょっと風に当たってこようかと思います」
正直に言わなかっただけで、嘘ではなかった。
「そう?」
「・・・はい」
「本当に?」
ラエルが彼女をじっと見つめる。
何か変な様子でマリは背中に冷や汗を感じたが、わざと知らないふりをした。
「その知り合いがカラクタ伯爵のところに行くのか?」
「・・・!」
マリはビックリして目を大きく開く。
彼女は直感的に、アルモンドが皇太子に内緒で言ったことに気づいた。
(子爵様!言わないでと、あんなにお願いしたのに!)
彼女は心の中で叫んだが、皇太子の後ろに立っているアルモンドは厚かましい表情を浮かべている。
「カラクタ伯爵の宴会に行くのが正しいようだね。パートナーがいないみたいだけど、エスコートは私がしてあげよう」
マリは白くなって頭を下げた。
やっばり心配した通りだ。
「私のために殿下にエスコートをしていただくわけには・・・」
「君のためにエスコートをするわけではないが?」
「え?」
「私がマリと一緒にいるのが楽しいからだ。だから、君の拒否は受け入れない」
マリは呆れた表情を浮かべる。
それは何の詭弁だというのか!
その時、皇太子が立ち上がって彼女に近づく。
マリはゾッとして後退りした。
この前の宴会場でのことを思い出したのだ。
しかし、すぐにパチンと壁に背中が触れ、目の前に皇太子が近づいてきた。
「・・・あの、殿下?」
ラエルはお互いの息遣いを感じるほど近い距離で手を上げて彼女の髪を撫でる。
柔らかに手つきだったが、彼の指が触れるたびにマリは胸がドキドキするようだった。
「そして、私がエスコートしなければならない理由がもう一つある」
「そ、それは?」
頭に触れる彼の手に、鼻先から感じられる彼の体香にマリはぼんやりと尋ねる。
ラエルはニヤリと笑った。
「私がついていかないと、また他の雑種たちと踊るのだろう?だから私がエスコートしないと」
彼は少し意地悪な声で尋ねた。
「ダンスの実力は少し上達したのかな?確かめてみないとね」
その言葉にマリの顔が真っ赤になる。
前回の新年パーティーで誤って彼の胸に抱かれたことを思い出したのだ。
アルモンド子爵の好プレーですね笑
麻薬の件も気になりますが、ラエルのエスコートの方が気になります!
どんな宴会になるのでしょうか?