こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は１１３話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい？」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女！最高の彫刻家！天才音楽家！
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる！
マリ：本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル：皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル：皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン：公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世：西帝国の皇帝。
オスカー：第十皇子殿下。
アリエル：皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル：皇太子妃候補。イーストバーン家。
１１３話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 偽造貨幣③
しかし、すぐには答えが浮かばなかった。
獅子宮に行く時間になり、マリは準備を終えて執務室を出る。
早い時間だったが、オルンも偽造貨幣対策を論じに出てきた。
「対策を考えてみたか？」
「銀行の連鎖的な破産だけは防がなければならないと判断されます」
「私もそう思う。問題はお金だ。今回のことで大きな損害を被ることになった」
オルンは重い表情で頷く。
結局、銀行の被害を皇室が補填する方向で結論が出ると、マリは残念な気持ちになった。
（本当に方法がないのかな？）
その時だった。
悩んでいたマリの目に、皇太子が何かを取り上げるのが入ってくる。
「これが決裁案なのか？」
「はい、殿下」
マリの目がぎくりと大きくなった。
皇太子が手にしたのは国宝の玉璽だった。
皇帝の権限を代行するもの。
その瞬間、マリの頭に稲妻のように悟りが閃く。
（ちょっと待って！ある！金と銀がなくても貨幣としての権威を付与する方法が！）
彼女は心の中で声を上げながら考えた。
（皇帝の権限で貨幣の価値を保証するのよ！そうすれば、金と銀が混ざっていなくても、その貨幣は市場で信じて使われるようになる！）
その時、皇太子がオルンに言った。
「仕方ないが、このまま進めなければならないね。ヒルデルンが未然に発見したおかげで最悪の市場混乱は避けられたが、それでも損失は大きい」
そして、彼が決裁書類に玉璽を押そうとした瞬間。
マリは急いで言った。
「殿下」
「何か？」
「皇室の支出を最小限に抑え、今回の事件を解決する方法があります」
皇太子とオルンが驚いた表情を浮かべる。
「ヒルデルン、それは何だろうか？」
「偽造貨幣を還収する時、金と銀が混ざった貨幣を支給するのではなく、新しく作った貨幣を支給するのです」
「金と銀を混ぜていない新しい貨幣を発行しようと？」
「はい、殿下」
オルンはとんでもないという声で反問した。
「それはどういう意味だ？そんなものを誰がお金だと思う？世の中の全てのお金には金と銀が混ざっていなければならない。そうでなければ、誰もそのお金を信頼しない」
オルンの言葉は妥当だったため、マリも頷く。
「その通りです。それがまさに金本位制度です。ですが、金と銀がなくても貨幣としての価値を付与する方法があります」
マリは自分の考えを語った。
「皇帝陛下の権限でお金に印を押すのです」
「・・・！」
オルンはぎくりと表情を固める。
マリが何を言っているのか悟ったのだ。
「陛下の押印を押そうって？」
「はい、皇室の権限で同じ価値の貨幣と同じ値が認められるように保証するのです。他国では無理でしょうが、皇室の印ですから、帝国内では十分に貨幣としての価値が認められるでしょう」
場内が静まり返った。
金と銀が混ざっていない貨幣を作って支給しようだなんて！
通用する常識としては、あまりにも破格的な考えだ。
「でもそれは・・・」
オルンは首を横に振ろうとしたが、その時皇太子が口を開く。
「破格的ではあるが、一理ない考えではないね。いいや、凄くいい考えだ」
「はい、必要に応じて同じ価値の金貨や銀貨と交換できるよう皇室が保証すれば人々も受け入れるでしょう」
皇太子は感心した表情で頷いた。
皇室の権威で貨幣の価値を保証する。
立派な考えだった。
マリが提示した意見の最も魅力的な点は、金と銀を使わないため、追加の財源がほとんどかからないという点だ。
それこそ大きな被害なしに今回の偽造貨幣事件を終わらせる方法だった。
「すごいね。本当にすごい」
皇太子は再びマリに感嘆する。
一体この少女の持つ能力の終わりはどこだというのだろうか？
今回偽造貨幣を見つけたことからそうだし、新しい貨幣の発行まで。
驚くことばかりだ。
（特に皇室の保証による貨幣とは）
厳密に言えば、マリが提案した貨幣も金貨本位制度の大きな枠組みから外れたわけではない。
必要に応じて同じ価値の金貨と銀貨に交換できるよう皇室が保証したものだから。
それでも同時代のパラダイムを破った革命的なアイデアであることは明らかだった。
もしかしたら遠い後日には、マリが考案した形の貨幣が一般的な貨幣として使われているかもしれない。
（マリ、君は一体・・・）
皇太子はマリを見て何度も感嘆する。
一方、オルンは皇太子と違って疑いの目でマリを見ていた。
今でいう紙幣のようなものですね。
これで偽造貨幣問題は解決？
ここまで優秀だと、流石に疑われてしまうのではないでしょうか？
元々は戦争捕虜だったわけですし・・・。
