こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は98話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
98話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ラエルの怒り
「帝国軍!?」
「殺すな!取り調べしなければならないから、全員拘束しろ!」
犯人たちは混沌とした表情を浮かべる。
捕まったら重罰を避けられないことを知っていたので、武器を取り出して抵抗したが、何の役にも立たなかった。
特に皇太子の活躍が凄まじい。
絵のように美しい顔で一抹の慈悲もなく剣を振り、犯人たちは彼の冷酷な目と向き合うだけで怯んでいた。
そのようにして麻薬密輸犯たちは皆逮捕され、犯人を捕まえた兵士たちは大声で叫んだ。
「皇太子殿下万歳!」
「フォン・ヒルデルン万歳!」
今回の事件の立役者は他ならぬマリだ。
彼女が麻薬密輸現場を捉えたため、このような一網打尽が可能だったのだから。
「さすがフォン・ヒルデルンです。ヒルデルンが今までなぜそのような名声を得たのか、今回はっきり分かりました」
警備隊の騎士が再び皇太子の前でマリを称賛する。
騎士だけではない。
艦隊から来た帝国軍将校も彼女の功績を称えた。
「すべての功績はフォン・ヒルデルン卿のものですね。どうやって麻薬密輸現場を正確に捉えたのか。きっと身を惜しまず帝国のために努力したおかげでしょう。素晴らしいです」
そのような褒め言葉を聞きながら、マリは気まずさを覚える。
今回のことは皇太子から逃げようとして偶然発見したもので、何よりさっきから何も言わない皇太子の顔色が伺えた。
やがて後始末をある程度終えた後、ラエルが口を開く。
「マリ」
「・・・!」
低い声にマリの胸がドキドキする。
いよいよ来るべきものが来た。
「私についてくるように。君に言いたいことがある」
ラエルがマリを連れて行ったのは、近くの人通りのない空き地。
(皇太子があんなに腹を立てるなんて)
何も言っていないが、マリはハッキリと感じることができた。
皇太子が彼女に怒っていると。
それも凄く。
青い瞳は沸き立つ感情をグッと抑えているに違いない。
彼があんなに怒るのは初めてだった。
いや、自分に怒るのは初めてだった。
(当然怒ってるよね。がっかりして)
マリは心の中で苦々しく思う。
今まで彼が自分にどれほど良くしてくれたか。
それなのに逃げようとするなんて。
自分の隠された事情を知らない彼としては、当然腹が立ってガッカリしていることだろう。
「マリ、私がなぜあなたに怒っているのかはよく知っているだろう?」
「・・・」
マリは何も言い訳ができなかった。
自分がモリナ王女だとは言えないから。
(痛い)
彼が自分に失望したと思うと、理由もなく胸が痛かった。
しかし、彼女は結局こうしか話せない。
「・・・申し訳ありません、殿下」
「・・・」
皇太子はしばらく彼女をじっと見つめ、荒々しい足取りで彼女に近づく。
彼が猛烈な勢いで自分に近づくと、マリは目を閉じた。
怒りと失望を覚えた彼が、自分にどう対処しても甘受しなければならない。
やがて彼女の前に迫ってきた彼は、思いもよらない行動をとる。
どっと潰れるようにマリを抱きしめたのだ。
「で、殿下?」
マリはラエルに抱かれて当惑した声を上げる。
急にどうして?
その時、ラエルが口を開いた。
依然として怒りに満ちた声で。
「誰がそうしろと言ったんだ?」
「・・・」
「誰が一人で危ない真似をしろと言ったんだ!」
ラエルは彼女を抱きしめた腕にさらに強く力を入れる。
息が詰まるほど、絶対に離さないように。
「もし間違いがあったらどうするつもりだったんだ!あんなに無謀に一人で行動するなんて!」
マリの瞳が揺れた。
何か皇太子が誤解していることに気づく。
(皇太子が怒ったのはまさか私が逃げようとしたのがバレたからではなく、麻薬組織を一人で掃討しようとしたと勘違いして?)
マリはラエルに抱かれたまま慎重に尋ねる。
「殿下、もしかして・・・、腹が立ったのは私が麻薬密輸現場を一人で調べたから?ただそんな理由で?」
マリが尋ねた瞬間、皇太子は強張った顔で彼女の体から離れた。
「そんな理由?」
「・・・」
「武装した密輸団の間に一人で向かい、間違ってバレたら命を落とすところだったのに、そんな理由?」
マリはごくりと唾を飲み込んだ。
特に大きな失言でもなかったのに、皇太子にはそうではなかったようだ。
「はあ」
皇太子は自分の感情があまりにも激しくなっていることを意識したかのように深くため息をつく。
そして再び彼女を胸に抱いた。
今回は荒くなく柔らかい抱擁で。
「怒ってすまない。でもマリ、あなたは知らないと思うよ。あなたが危険だったかもしれないと知った瞬間、私がどんな気持ちだったのか」
「・・・殿下」
「実は私はあなたを助けに暗行に出ていた。そうするうちにあなたが危険も問わず麻薬組織団を調べるのを見た時、どんなに胸が張り裂けたことか」
再び感情が込み上げてきたのか、皇太子は唇をそっと噛んだ。
「忘れないで、あなたは私の何よりも大切な存在だ。自分自身よりも。君が危ないなら私が死んだ方がマシだ。だから二度とこんな危険なことはしないように」
無事に麻薬密輸団を捕獲しましたね!
これでヨハネス三世の計画も崩れるのでは?
ラエルはマリが逃げようとしたことに気づいていない様子。
マリの気持ちは変わるのでしょうか?