こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は102話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
102話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- キエルの願い
(こうしていると、まるで恋人になったみたいな気分ね)
マリは妙な気持ちが考える。
キエルが自分を導くコースは完全に恋人同士のデートコースだった。
「マリちゃん、公演はどうでしたか?」
「はい、楽しかったです」
「皇居の天使に見せるにはオペラのレベルが少し低かったでしょう?」
皇居の天使。
新年の宴会当時、マリの優れた演奏を聴いた人たちが時々口にする言葉だ。
マリはキエルの冗談に恥ずかしそうな顔をする。
「からかっていますね?」
「そんなはずがありません。とにかく私は本当に楽しく見ました」
キエルの言葉には、「あなたと一緒に見て楽しかった」という意味が込められていた。
「・・・」
彼の気持ちが感じられ、マリは口をつぐんだ。
自分と日常的な時間を過ごすことが願いだったというのは本当なのか、彼は本当に楽しそうだった。
彼は本当に自分と共にするこの時間を大切にしながら喜んでいた。
(・・・キエルさん)
けれど、なぜだろうか?
まるで手を伸ばせば消える蜃気楼のように、キエルは今にも消えそうな気がした。
(一体何があったんだろう?)
マリは暗い表情で考える。
キエルが理由もなくこのような姿を見せるはずがなかった。
彼に何かあったに違いない。
結局マリはしばらく躊躇った後、口を開いた。
「キエルさん、本当に大丈夫ですか?」
その問いにキエルは口をつぐんだ。
彼の青い瞳に苦悩が通り過ぎ、彼はすぐに首を横に振った。
「大丈夫です」
「・・・キエルさん」
「ただ今はマリちゃんとの時間を楽しみたいですね。私には本当に大切な瞬間なので。すみません、マリちゃん」
キエルは心から申し訳ない表情で言った。
マリは気が重くなる。
今、自分と共にする瞬間瞬間をあまりにも大切にしている彼が残念で、一体何があるのか心配だった。
「レディー、お手を。最後の場所へ行きましょう」
キエルは再び暖かい顔に戻り、彼女を最後の場所に導く。
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「ここは?」
「幼い頃、友達とよく来た湖です。景観が綺麗でしょう?」
マリは感心した表情を浮かべた。
キエルが馬車で連れてきたのは、首都の近くにある小さな湖。
澄んだ日差しが湖の夜を輝かせていた。
「友達とは?」
「皇太子殿下とオルン公爵です」
「・・・!」
「あの時は皇太子ではなく、第4皇子でしたけどね。オルン公爵も公爵になる前でした。以前は第7皇女も含めて4人で仲良くしていたんです」
思いもよらなかった話だ。
彼と皇太子が親しくしていた時期があったなんて。
(でも今は)
現政界でキエルは皇太子の唯一の政敵だった。
今は大人しく過ごしているが、いつかお互いに向かってナイフを向けることは誰もが知っている。
「それでも友達と来るより、やっぱりマリちゃんと来た方がずっと良いですね」
彼は彼女の手を優しく掴んで引っ張った。
「しばらく歩きませんか?湖が綺麗で散歩するのに良いので」
キエルが言ったように、湖は本当に美しかった。
静かな湖のそばで風に吹かれながら歩くと、胸が穏やかな気分になる。
キエルはマリのそばで何も言わずに湖を見ながら足を運んだ。
彼の口元に微かにぶら下がっている笑みを見ると、マリは思わず胸が熱くなった。
彼は本当に自分と一緒にいる今この瞬間を大切に胸に刻んでいるようだった。
(一体どうして?)
結局、マリは足を踏み入れる。
あんな彼の姿をじっと見ていられなかったから。
「仰ってください」
「マリちゃん?」
「一体何があってそんなに悲しい表情を浮かべるのですか?私はキエルさんの友達です。キエルさんを少しでも助けたいのです」
キエルは足を止めた。
彼の海のように青い瞳に未知の感情が満ちている。
刻々と変わる彼の目つきに交差する感情は、切なさと何かに向けた渇望。
しばらく躊躇った末、彼はついに口を開いた。
「マリちゃん、お願いを一つしてもいいですか?」
「はい、もちろんです。何でも言ってください」
キエルがそっと唇を噛む。
そしてどんな話を持ち出そうとしているのか、唇を開いたり閉じたりを繰り返しながら躊躇って口を開いた。
「私と・・・、私と一緒にすべてを置いて去っていただけませんか?二人きりで。誰もいない所へ」
「・・・!」
マリの瞳が裂けそうに大きくなる。
「キエルさん?それは一体?」
一瞬、彼女は自分が聞き間違えたのかと思った。
しかし、そうではない。
キエルの瞳は自分への切実な思いが込められてた。
その心に向き合った瞬間、マリの瞳が震える。
彼の言葉は単なる旅立ちではない。
すべてを置いて、ひたすらお互いだけを見つめながら生きようということだった。
それだけキエルが自分を思う心が深いということだろう。
キエルの願いは、マリとの逃避行。
一体何があってそんなお願いをしたのでしょうか?
マリの答えは?