こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は253話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
253話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 人魚との晩餐会
ナディアは驚いた目でカリンを見つめていた。
カリンはなぜかアビゲールが一緒にいるような気がした。
「あなたの苦痛が何なのか知っているから。だから泣いてほしくなかったのです」
なんて奇妙なことだろう、とカリンは思った。
以前だったら絶対こんな風に話したことはなかったはずなのに。
思わずアビゲールの言葉が流れ出た。
アビゲールが渡した果実はカリンの心の中に埋もれて根を伸ばし、芽を出し、木になって同じ実を結ぶようになったのだ。
そして、その実を再び他人に渡すことになる。
荒野だったカリンの心の中に、いつの間にか木が育ち始めていた。
ナディアは何も言えなかった。
驚きにただ固まってしまった顔。
カリンは、たぶんあの時の自分もあんな顔をしていたのだろうと考える。
「ありがとう」
しばらく泣いていたナディアがようやく微笑んだ。
太陽の光をいっぱい含んだ海のようにキラキラ輝きながら。
彼女はとても幸せそうに笑いながらカリンを抱きしめる。
「な、何ですか?」
「やっぱり私は人間が好き」
カリンは突然の抱擁に驚いてナディアを押しのけようとしたがやめた。
そして相変わらずむすっとした声で話す。
「もちろん、だからといってナディア様を応援しているわけではありません」
「うん、うん。じゃあ、ライバルだね?」
そう言ってナディアはニヤリと笑う。
カリンは少し呆れながら、ナディアを押しのけた。
「ああ!ちょっと離してください!もどかしくてたまりません!」
「分かった、分かった」
押し出される中でもナディアは笑顔だ。
その顔を見て父が思い浮かぶ。
自分がナディアを助けたことを父が知ったら、きっと怒られるだろう。
(けれど、ナディア王女が言うこともないだろうから構わないか)
恋敵を助けたという小さな後悔はあったが、なんとなく胸が満ち足りた気持ちだった。
王宮の朝はいつにも増して忙しかった。
使節団との晩餐会がある日だったので、皆が早朝から忙しなく動いていたのだ。
ノーマとクララも気が気でないところだった。
今日アビゲールが着る服と装飾を点検する一方、自分たちの服装も几帳面に調べていた。
「ノーマさん、私、大丈夫ですか?どうですか?」
クララはノーマの前で姿勢を正す。
淡い空色のエンパイアドレスに、青い系統の装身具を羽織っていた。
ノーマは静かにクララを見て口を開く。
「大丈夫。ところでネックレスはそれにするの?元々アクアマリンのネックレスにすると言っていたじゃない」
「あ、それがですね。ちょっと放置していたらカラスが盗んでしまって・・・」
クララは泣きべそになって言った。
カラスは光る物を好む習性があり、しばしば宝石や金具を盗んでいく。
「このネックレスいまいちですか?他のものに変えましょうか?」
「いいえ、そのネックレスも似合っているわ。カラスが盗んだものは、後で庭師に探してもらうべきね」
クララが幸いだというように安堵のため息を長くついた。
それからノーマをチラリと見る。
彼女は粗悪な茶色のドレスを着ていた。
「ところで、ノーマさんは大丈夫ですか?人魚が来るの嫌がっていたじゃないですか。私も少し怖いですけど」
「・・・」
アビゲールの前では目立たないが、人魚を嫌う人は多い。
ノーマもその一人だった。
彼女はしばらく黙ってから口を開く。
「私の意見は重要ではないわ。早く準備を続けましょう」
「はい!」
アビゲールが晩餐会の時に着るドレスを整えている間、他の使用人も自分の役割に忠実だった。
レイブンの使用人は主人の服の世話の真っ最中だ。
レイブンも王家の一員なので、今日の晩餐会に出席することになっている。
彼はカラスのように黒い服を羽織った。
アビゲールが選んでくれた生地で作ったものだ。
侍従が上着のボタンをつけていたところ、外に立っていた女中が用心深く入ってくる。
「レイブン様、王妃様がいらっしゃいました」
予想外の名前にレイブンの目が大きくなった。
別に会う約束もなく、今は早朝。
彼女が何の理由で自分を訪れたのかは分からないが嬉しかった。
「分かった。すぐに出るようにしよう」
ちょうど最後のボタンが閉まったところだ。
レイブンが試着室を出て自分の部屋に戻ると、そこにアビゲールが立っていた。
彼女は上品な部屋着を着ていた。
その様子を見ると、レイブンは風浪に出会った船のように胸がドキドキするのを感じる。
「レイブン卿、早朝にごめんなさい」
アビゲールは申し訳ない様子だったが、レイブンとしては幸運にすぎない。
彼は嬉しそうな顔で口を開いた。
「呼んでくださったら行ったはずなのに、来てくださってありがとうございます。とりあえず座りましょう」
「いいえ、急いで言葉だけ伝えなければならなくて」
申し訳ない気持ちが滲み出ているが断固たる拒絶。
しかし、レイブンはただ微笑むだけだ。
「ええ、どうぞ」
「あの・・・、今日の晩餐会でですね。実は・・・」
アビゲールは小さな声で囁く。
その話を聞いたレイブンの目が丸くなった。
ナディアとカリン。
たとえナディアが海に帰ったとしても、この二人は仲良くいてほしいですね。
そして久しぶりのレイブンの登場。
やっぱり彼はアビゲールが気になっている様子。
アビゲールが彼に話した内容とは?