こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
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349話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 結婚式③
その時、セイブルが私の隣に来て座った。
クスリと笑みを浮かべた彼は、今日も輝いている。
結婚式にふさわしく、花飾りをつけてさらに美しく見えた。
「おや、来ていましたか。」
セイブルが穏やかに笑顔を浮かべて迎えてくれた。
その笑顔を見て、私もつられて笑わずにはいられなかった。
「はい、少し遅れてしまいましたか?」
「いいえ、ちょうど良いタイミングでいらっしゃいました。」
「それなら良かったです。ああ、先ほど大臣たちとお話しされていたようですが……結婚式があまりにも形式張らず、どうしたものかと大臣たちが少し心配されているみたいですね。」
ブランシュの結婚式は……どう表現すればいいのか、自由であると同時に正直に言えば王族らしくはなかった。
アビゲイルが結婚する際には、必ずホールで高位貴族たちだけが集まり、かなり厳粛に行われていたものだ。
こうして野外で結婚式を挙げるというのも異例の出来事だった。
今、目の前に広がる景色はどちらかというとお祭りに近い雰囲気だった。
まず服装からして色とりどりだった。王
族の結婚式と言えば、皆格式ある服を着るのが当たり前だったが、今日は全く異なっている。
ブランシュとベリテの結婚式の日、招待客たちは何の制約もなく自由に服を選んで出席していた。
その結果、みんなが思い思いのカラフルな服装で集まった。
パンツを履いた妖精が見え、その隣を海をイメージした裾が広がるスカートを履いた男性が通り過ぎた。
背が高くて細い人魚と小柄な妖精がシャンパンを分け合いながら飲み、足を投げ出してくつろぐ光景も見られた。
腰を締めたドレスを着た人、貴族の礼服を着た人、春の花のようなパステルカラーのドレスを着た人までさまざまだったが、誰もその服装について何も言わなかった。
子どもたちはそれぞれに合った衣装を身につけ、幸せそうな顔でケーキを食べているのが微笑ましかった。
色とりどりの絵画のように美しい光景だった。
様々な色や形をした花々が風に揺れ、空間を一層華やかに彩っていた。
一方で、大臣たちは少し困惑した表情を浮かべていた。
これ、明らかに式が終わったら何か一悶着ありそうだな。
セイブルも彼らを見つめながら、そっと私の手を握る。
「大丈夫ですよ。この結婚はブランシュとベリテが望んだことですから。大臣たちがブランシュに何か言ったとしても……」
彼は私の耳元でそっと囁いた。
真面目そうな声ではあるが、少し冗談めいた口調で、しかし信頼感がにじむ声だった。
「それを止めるのが父親の役目でしょう。」
あら、ブランシュのお父さん、なかなかいいこと言うじゃない。
そうね、誰が私たちの娘に何か言おうとしたって、私たち親が守ればいいだけの話。
私は少し気持ちを落ち着け、セイブルの肩に寄りかかるようにしながら、人々の様子を眺めた。
東部や西部からも代表者が参加してくれていた。
人魚や妖精もグラスを手に取り、仲良く笑いながらブドウを分け合って食べていた。
人魚、人間、妖精たちが集まる光景は実に壮観だった。
世界中がブランシュとベリテを祝福しているかのような雰囲気だった。
そのとき、ふと木の下に誰かが立っているのが目に入った。
それはレイヴンだった。
色とりどりの衣装が溢れる会場の中で、彼の着ている黒い服が逆に目立っていた。
目が合うと、彼は静かに頭を下げて挨拶をした。
セイブルも彼に気づいて少しだけ表情を曇らせた。
「奥様、大丈夫でしょうか?もし今になってでも気持ちが変わられたのであれば、私を追い出していただいて構いません。」
「いいえ、大丈夫です。」
私はセイブルとブランシュ、ベリテの同意を得て、レイヴンを式に招待していた。
彼を完全に信じているわけではなかったが、最後にもう一度だけチャンスを与えることにした。
彼が命を賭してまで私を助けてくれたからだ。
私に紫の魔力が宿る前、ナディアが私を訪ねてきたことがあった。
彼女は一本の短剣を私に見せた。
「これは呪いを解くためのマドゥクよ。私がアビゲイルを追ってここに来たとき、姉たちが私の呪いを解くために彼女の髪を代わりに持ち帰ったの。」
それは『人魚姫』に出てきたという剣。
ナディアは少し躊躇した表情を浮かべながら話を続けた。
「ただし、この呪いを解くには誰かの命が必要なの。」
「そうなんだ。でも、なぜこれを私に……?」
「レイヴンが頼んできたの。自分の命を代償にするから、アビゲイルの呪いを解いてほしいって。」
呪いを完全に解くことができるという。
それを聞いた瞬間、胸が激しく高鳴ったが、私はじっとその短剣を見つめた。
他人を犠牲にしてまでアビゲイルを救うべきなのか……。
物事の行方を取り戻したいとは思わなかった。
私はレイヴンを訪ね、拒絶の意思を伝えた。
彼の口元から静かな声が漏れた。
「どうして拒否されるのか分かりません。私は王妃様の忠実なしもべです。命さえ捧げる覚悟です、王妃様のためであれば……。」
「正直、気になりますね。どうしてあなたが私のために犠牲になろうとするのか。私はこれ以上、美しくもないし……。」
そのとき、ちらりと鉄柵越しに見たレイヴンの金色の瞳は、いつもと違う色を帯びていた。
それは後悔の色だった。
「王妃様がセイブリアンに変わった私をご覧になられたとき、私は絶望すると同時に喜びも感じました。どんな姿になっても、私を見つめ、気にかけてくださる方がいるという事実が、私にとってはこの世の何よりも価値あることに思えました。」
レイヴンは口元を固く引き結びながら、震える声で言葉を続けた。
[私を理解してくれた人を不幸にしたくありませんでした。それに気づくのがあまりにも遅く、彼を自分の命と引き換えにして償おうとしています。]
もし私が死んでほしいと言ったら、彼はきっと命を投げ出していたでしょう。
しかし私はレイヴンを許すことにした。
彼を憎んでいましたが、それ以上に憎むことはできませんでした。
彼もまた、自分の姿に苦しみ、罪悪感を抱えていたから。
どんな姿になっても私を認めてくれる人。
前世ではそんな人には一度も出会えなかった。
この世界に来て初めて、そういう人たちにたくさん出会えた。
それはただ私が運が良かっただけ。
もしレイヴンにも、そんな人がもう少し早く現れていたならば、きっと彼も変わっていたでしょう。
だから私は彼を自由にした。
その代わり、彼の王位継承権を剥奪し、公爵の爵位も返上させた。
今では魔法館で働いている。
[王妃様からいただいた命です。この命が尽きるその日まで、私は王妃様のために生きていきます。少しでも王妃様のお役に立てるように。]
彼の知識と発想は驚くべきもので、魔法学の研究に大いに貢献していると聞いた。
もし彼が王位継承者ではなく、最初から学者の道を歩んでいたならば、もっと幸せだったのではないでしょうか。
もし人々が彼を宮殿に引きずり込み、セイブリアンの代替品として扱わなかったならば。
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